北京五輪考察12(陸上、野球、シンクロ、男子マラソン)

北京五輪考察12(陸上、野球、シンクロ、男子マラソン)

さて五輪が閉幕したわけですが最後の書けなかった三日間をまとめて考察します。とはいっても書くべき価値があるのはリレーだけのような気もしますが…。

 

男子4×100メートルリレーは悲願の銅メダル獲得!やった!

 

色は銅でしたがこのメダルは個人的に北島康介の二つの金やフェンシングの太田雄貴と同じく今大会最も価値のある日本のメダルの中の一つに数えられるのではないかと思います。朝原宣治が現役の時にとれて本当によかった…。

 

 

大会前のメダル数予想の記事で「陸上では野口みずきや室伏広治が金を獲るよりリレーでメダルを獲る方が嬉しい」と書いたのですが実際にとれて感無量です。

 

もちろんアメリカ、イギリス、ナイジェリアが失格するという幸運もありました。しかしリレーはバトンパスも重要なファクターでありそれを軽視した国は失格してしまう。この結果はきっちりバトンパスを練習し、世界一のバトンワークと言われた日本の実力だと思います。

 

 

朝原さんはおそらく9月のスーパー陸上を最後に現役を退くことになるでしょう。後を継ぐ塚原直貴、そして200のエース格に今後なっていく高平慎士はこれから日本を引っ張っていってほしい。末續慎吾にももうひと花咲かせてほしい。

 

そして彼らに続く新たな短距離界のエースを待っています。来年のベルリン世界陸上では今度はどの国も失格しない厳しい条件で37秒台を出してメダルを獲ってほしいと思います。

 

 

期待されつつも残念な結果に終わった三連発

 

野球の準決勝は惜しかったですね。電車の中での文字実況しか見ていないのですが完全に勝ちパターンだと思いました。必勝継投の藤川球児→岩瀬仁紀のところで同点、そして逆転されるとは…。これはもう仕方がないと思う。

 

いわんや打線がもう少し点をとってほしかったというのもありますが先制点をとる、そしてリードした状態で三大ストッパーにつなぐ、という二つの絶対条件を満たした以上それでも負けたのであればどうしようもありません。

 

 

ちょっとの運と勝負強さが足りなかったのでしょう。GG佐藤についてはあえて触れません。気持ちはみんな一つでしょうからw

 

三位決定戦についても語るべきことは何もありません。準決勝で負けて完全に切れてしまいました。

 

 

シンクロ団体でもミスが出て5位。連続メダル獲得記録が途絶えてしまいました。デュエットではなんとかメダルを死守したもののやはり日本シンクロ界の凋落は目に見えてわかります。

 

銀2つが4年で銅1つにまで落ちてしまったのですから。四年後に向けた巻き返しを期待します。ロシアを脅かすくらいの存在になってください。

 

 

男子マラソンも入賞さえできず尾方剛の13位が最高。男女とも入賞無しという惨敗に終わりました。

 

男子マラソンの結果を見てみると優勝したワンジル、世界陸上二連覇を果たしたことがあるガリブ、大阪世陸三位のルートリン、四位のアスメロンらが順当に上位に入った以上、尾方でさえも実力不足だったという他ない。

 

尾方はもう35歳。そろそろ新たなエースが現れて欲しい。竹澤健介とか卒業したらマラソンに転向してくれないかなw。

 

 

最終メダル獲得数

 

というわけで全競技が終了し日本のメダル獲得数は

 

金 9
銀 6
銅 10

 

の計25という結果になりました。二桁金メダル、メダル30個以上という目標は残念ながら果たせませんでしたがまあアテネが出来すぎだったということを考えても順当な成績であったと思います。ちなみに金メダル数の内訳を私の予想と照らしあわせてみると

 

柔道   4と予想し実際に4
女子レス 3と予想し実際は2
水泳   2と予想し実際に2
陸上   1と予想し実際は0(ただしこの予想1は野口をあてにしての1)
野球   1と予想し実際は0(でもソフトでとったからチャラってことでw)

 

というわけで予想11に対して結果は9となったわけですがまあ野口みずきの欠場を考慮すれば予想とのズレは1つ。これはなかなかの予想的中率と言えるのではないでしょうかw。塚田真希があと10秒リードを保っててくれればなーw。

 

 

ロンドン五輪に向けては不安の残る結果

 

しかしロンドン五輪に対しては不安の残る結果でもありますね。金メダル9のうちアテネとの連覇組が7。実質アテネの時の遺産で戦っていたようなものであるとも言えた。

 

残りの2も連覇は難しいと言われる柔道重量級の石井慧と次回は実施されないソフトボールであること、そして連覇組で次回の五輪での優勝も速やかに宣言したのは女子レスの吉田沙保里一人であること。

 

これを考えるとこのままでは次回五輪は一気に金メダル数が5以下になってしまう可能性も十分考えられる。

 

 

フェンシングの太田や男子のリレー、体操の内村航平、その他メダルには届かなかったものの4位になったクレー射撃やトランポリン、5位のカヤック、いいところまでいった男女卓球団体など弱冠明るい兆しも見えはしました。

 

しかし4年後に向けて「メダルは絶対確実、金メダルも有力」というレベルになっていないと本番で結果を残すのは難しい。

 

 

柔道にしろ女子レスにしろ陸上にしろ水泳にしろ体操にしろ次世代の大エースが4年以内に台頭してきてくれないと次回はさらに厳しい戦いを強いられることになるでしょう。

 

特に柔道と女子レスの結果如何で金メダル数は大きく変動するので女子レスは現状維持でもいいですが不振にあえぐ男子柔道などの強化が必須になると思います。

 

水泳では入江陵介、体操では内村航平あたりが順当に伸びてきてもらえればいいかな。陸上は…どうしようw。

 

 

まあなんにせよ今大会も多くの素晴らしい競技を観ることができて連日熱くなることができました。これこそ世界大会の醍醐味だと思います。トップアスリートの方々にはこの場でお礼を言わせていただきます。

 

そして全12回、3万字以上に渡るこの五輪考察を読んでくださった読者の方々にも深くお礼を申し上げてこの五輪特集を締めさせていただくことにします。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

関連ページ

北京五輪考察11(ソフトボール、女子サッカー、陸上、…etc)
今日の話題はなんといっても女子ソフトボール!アメリカに勝って悲願の金メダル!やったー!アトランタでは四位、シドニーでは二位、アテネでは三位。どうしても頂点に届かなかったこの種目で三連覇中のアメリカを破り見事に金メダルを獲得しました。
北京五輪考察10(男子レスリング、シンクロ、体操、トランポリン、ソフトボール、陸上、…etc)
昨日は更新できなくて申し訳無いです。夜の中継中に寝てしまいましたw。実は五輪期間は毎日4時間くらいしか寝れてないんですよ。大体夜中に競技が終わって記事も書き終わって寝るのは夜の2時くらいになるんですが翌朝からバイトのために6時とかに起きなきゃいかんのですよね。
北京五輪考察9(野球、女子サッカー、陸上、…etc)
連日の五輪特集。今日は開幕から続いていた日本の連続メダル獲得が止まってしまったので幸か不幸か文量は少ないですw。野球はカナダに1−0で勝利!今日は継投策が上手くいきましたね。成瀬のピッチングも見事でした。これで予選突破に大きく近づきました。
北京五輪考察8(水泳、女子レス、陸上、卓球、体操、…etc)
ボルトの驚異的な世界新記録を観た翌日にフェルプスが八冠の大偉業を成し遂げる。これこそ五輪の醍醐味ではないでしょうか。というわけでフェルプスが見事に八冠達成!最後のメドレーリレーも世界新で圧勝しました。いやーとうとうやってのけましたね。オリンピック史上に残る大記録。
北京五輪考察7(陸上、水泳、女子レスリング、ケイリン、卓球、…etc)
いやいやいやいやw待って待って待って待ってwないないないないw ウサインボルト凄すぎでしょw。五輪の決勝で最後流して走って9,69の世界新記録とか普通にありえないからw。頭おかしいでしょw。いや半端ないマジでw
北京五輪考察6(柔道、陸上、水泳、女子サッカー、…etc)
今日は柔道の最終日。男子の石井が金!そして女子の塚田が銀!石井は本当に見事でした。強かったですね。これで大会通じて6個目の金メダル。昨日までの五個に共通点があるのにお気づきでしょうか。北島の二つに内柴、谷本、上野。全員アテネとの連覇組なんですよね。
北京五輪考察5(水泳、体操、野球、…etc)
今日の話題は水泳から。なんといっても北島が200平で見事に金メダル獲得!世界記録はならなかったものの見事なオリンピックレコードで二大会連続二冠という大偉業を達成しました。また実況のセリフを引用させてもらいますが「まさに無敵!」
北京五輪考察4(水泳、柔道、野球、フェンシング、…etc)
まずは水泳。男子200バタで松田が銅メダル獲得!準決勝は2位通過していたので期待していたのですが本当にメダルを獲ってくれるのはお見事。また1位は当然のようにフェルプスが世界新記録を叩き出して4冠。
北京五輪考察3(体操、柔道、水泳、女子サッカー、ソフトボール)
今日は体操から。悪いけど語るよw。体操男子団体決勝は中国に敗れて銀メダル。さすがに中国は強かったと言う他ない。一種目ずつ見ていきましょう。最初の競技は床でした。本来なら日本はここでリードを奪いたいはずなのですが中瀬、沖口の二人が最後の着地で失敗しほとんど中国と差をつけられないまま終了。ここはせめて0,5の差をつけておきたかった。
北京五輪考察2
まずは柔道。男女の最軽量級は谷が銅、平岡が初戦敗退と残念な結果に。特に平岡は金有力候補だと思ってたのに本当に残念。谷も正直限界が近いかもしれませんね。もちろん五大会連続のメダル獲得は本当に素晴らしい。
北京五輪開幕前サッカー特集
開会式前に行われる男女サッカーの予選ですが早速フラストレーションのたまる試合を二試合観るハメになってしまいましたね。まずは女子!格下のNZ相手にドロー。いや追いついたことはそれなりに評価しますよ。ただそもそも勝った負けたの話ではなく勝つための気持ちが入っていなかったように見えるのが不満な点です。
北京五輪金メダル獲得数予想2
北京五輪金メダル獲得数予想第二段。今日は主に団体種目を予想していきます。まずは団体の金メダルと言って一番に思い浮かべるのがアテネで28年ぶりに王座に返り咲いた男子体操団体!自分がアテネで最も感動したシーンは何を隠そうこのシーンです。今観ても感動しますよね。
北京五輪金メダル獲得数予想1
北京の金メダル獲得数予想します。前回のアテネは確か金9個と予想したのですが想像以上の日本の大活躍で16個獲得したため嬉しい外れ。今回も同じような嬉しい誤算が起こってほしいのですがちょっと厳しい予感…