南アフリカW杯アジア最終予選 対オーストラリア代表戦の考察(アウェー)

南アフリカW杯アジア最終予選 対オーストラリア代表戦の考察(アウェー)

予選最終戦となったアウェーの豪州代表戦は1−2で逆転負け。非常に残念です。しかし結果は結果なので現時点では相手の方が力が上だったと認めるしかありません。

 

またしてもケーヒルにやられたということでドイツW杯の時のカイザースラウテルンの悲劇を引き合いに出す人もいそうですが得点パターン的には2007アジア杯決勝トーナメント一回戦の時の失点が近いですね。

 

 

あの時もコーナーキックがファーサイドに流れたところを押し込まれて失点しました。今日の決勝点もまったく同じ流れです。

 

同じ失点パターンを繰り返しているということはもう日本代表の弱点といっていいでしょう。試合内容自体は五分でした。W杯本大会でもおそらく今日の試合と似たような展開が予想されるでしょう。

 

そういう時に1点をとってきっちり締められるか。それとも逆転されてしまうか。そこが目標であるベスト4に届くかどうかという境目になります。

 

 

ドイツW杯の時より力が落ちている

 

またドイツの時と似た例もあります。それは先制したあと追加点がとれなかったこと。これは以前と同じ課題です。といってもドイツの時は決定的なチャンスがたくさんあったにも関わらずとれなかった。

 

対して今日の試合は決定的なチャンスがほとんどなかった。そういう意味で点差こそ今日の方が少ないと言えど、勝ちに近かったのはドイツの方だったと言えます。前も書いたと思いますが残念ながら日本代表はドイツの時より明らかに弱くなっています。

 

今のままではベスト4などほぼ100%無理です。1勝できるかどうかすら怪しい。日本代表はホーム以外のW杯では一度も勝てていないということはメディアでもよく言われていることです。

 

 

とにかく本大会で1勝することが大事

 

しかしよく考えてみましょう。本大会での1勝はとてつもない重みを持ちます。仮に1勝できたらどうなるか。1勝以上の考えうる成績と予選突破確率を以下に並べてみます

 

 

1勝2敗…ほぼ×
1勝1敗1分…△
1勝2分…ほぼ○
2勝1敗…ほぼ○
2勝1分…○
3勝…○

 

 

ここから見えてくること。それは「たった1勝さえできればそれだけで予選通過率は飛躍的にあがる」ということ。そして「1勝ができてなおかつ負けないチームを作ればそれだけでほぼベスト16には入れる」ということです。

 

ドイツW杯は1分2敗で惨敗だと酷評されました。しかしこれも考えてみてください。初戦の豪州代表戦の悪夢の6分が無かったら。仮にもう6分だけ守りきって1−0で勝ってたらどうなるか。実は日本代表はあのグループで二位に入れていたんですね。

 

 

つまり帰納法的に考えていくと、ベスト4に入るためには予選を通過しなければならない。予選を通過するためには1勝しなければならない。そして1勝するためには今日のような試合で確実に勝たなければならない、ということになります。

 

そのための課題も見えました。追加点をとるために攻撃の精度をあげる、セットプレーの守備を見直すと言ったように今日負けたことではっきりと何をすればいいかがわかりました。

 

 

それと日本代表が負けたのは半年ぶりなんですね。半年間負け知らずで難なく予選も突破してきました。

 

そんなチームを一旦引き締めるという意味でも本大会出場が決まった直後にカタール代表に引き分け豪州代表に負けたというのは効果があったかもしれません。

 

負けたことがいつか大きな財産になる(by安西監督)。今日勝てなくてもいいんです。本大会で勝てばいいんです。今日の負けを本大会の勝ちに結びつけること。私はそれだけを望みます。

 

 

 

 

 

関連ページ

南アフリカW杯アジア最終予選 対カタール代表戦の考察(ホーム)
ホームのカタール代表戦は1−1のドロー。決して手を抜いていたわけではないでしょうが連戦の疲労と本大会出場を決めたという安堵感がわずかな気の緩みとなって出てしまった試合だと感じました。具体的な苦戦の要因はやはりダブルボランチの欠場でしょう。いい時の日本代表は俊輔、遠藤、長谷部の三人が攻撃を組み立てています。
南アフリカW杯アジア最終予選 対ウズベキスタン代表戦の考察(アウェー)
アウェーのウズベキスタン代表戦で見事1−0で勝利し世界最速W杯出場決定!まさに典型的なアウェーという感じで苦しい戦いを強いられましたがよく持ちこたえてくれました。苦戦の原因は長い芝とレフェリーでしたね。芝が長いせいで玉足が遅くなる。
南アフリカW杯アジア最終予選 VSバーレーン代表戦(ホーム)の考察
攻撃陣は実力不足、守備陣は集中不足という感じで試合内容は必ずしも良いとは言えませんでしたがとにかく勝ってよかったです。最高の試合をして負けるよりもよっぽどいい。攻撃では中村俊輔が何度もチャンスを作るのに前線の3人やSBの2人が1対1で負けてチャンスが潰される。
南アフリカW杯アジア最終予選 VSオーストラリア代表戦の考察(ホーム)
結果は0−0のスコアレスドローでした。終始日本代表が押し気味に試合を進めていて試合内容も悪くなかったんですがやっぱり引き分けというのは豪州にしてやられた感じがしますよね。日本代表は勝ちたかった。豪州代表は引き分けたかった。こういう思惑が交錯していた以上日本代表は勝つべきだったと思います。
南アフリカW杯最終予選 VSカタール代表戦の考察(アウェー)
日本代表が3−0で見事に勝利。これでW杯に大きく近づきましたね。田中達也、玉田とFWがきっちり点をとったのは大きいしバーレーン代表戦と同じ徹を踏まないようチーム全体が一丸となって安全に失点0のまま逃げきれたということも大きい。
南アフリカW杯予選 カタール戦直前考察
いよいよ今晩はW杯アジア最終予選カタール代表戦。正念場です。あえて誇張した表現を使わせていただければ今日の試合でW杯に行けるかどうかが決まると言っても過言ではない。まず情報を整理してみましょう。
南アフリカW杯アジア最終予選日本対ウズベキスタン代表戦の考察(ホーム)
サッカーウズベキスタン代表戦の考察。やっぱ勝ちたかったというのが率直な感想ですね。しかし崖っぷちに立たされたウズベキスタン代表の戦いぶりも見事だったのでそこまで攻めることはできません。ウズベキスタン代表にとってみれば後がない状況でアウェーの格上相手に積極的に攻めるのは本当に勇気のいることだったでしょう
2010年W杯アジア最終予選 日本対バーレーン代表戦の考察(アウェー)
さて日本時間今朝未明に行われた2010年南アフリカW杯アジア最終予選の初戦アウェーでのバーレーン代表戦は3−2で勝利!とりあえずバーレーン代表相手にアウェーで勝ち点3をとれたことは素晴らしい。
2010年W杯アジア最終予選組み分け決定
南アフリカW杯アジア最終予選の組み分けが出ましたね。まあ戦力的にはB組よりも組み易いグループに入ったと言えますが下位ポッドの2チームはこっちの組の方が強い。つまりB組は韓国、イラン、サウジの3強での争いになりますがA組は全てのチームが侮れないということ。
2010年W杯アジア三次予選 日本代表対バーレーン代表戦の考察(ホーム)
バーレーン代表戦はなんとか1−0で勝利。まあ最後のゴールはラッキーでしたが最初のPKとか前半終了間際の遠藤のFKとかで運がなかったぶん最後にツキがまわってきたと考えれば順当な結果と言えるでしょう。
2010年W杯アジア三次予選 日本代表対タイ代表戦の考察(アウェー)
試合内容としては前半は素晴らしかったですね。攻め続けボールを奪われたあともすぐに前線からのプレスで奪い返し攻めを継続する。相手にほとんど何もさせず安心してみていられる展開でした。
2010年W杯アジア三次予選 対オマーン代表戦(アウェー)の考察
オマーン代表戦はドロー。本当に苦しい試合でした。メディアの報道では勝ちきれなかったなんて言ってますけどそれはとんでもない。負けててもおかしくなかった、というか負ける確率の方がはるかに高かった展開を引き分けに持ち込めただけでも私的にはよかった(もちろん結果そのものに対して満足しているわけではありませんでした)
2010年W杯アジア三次予選 対オマーン代表戦(ホーム)の考察
オマーン代表戦は3−0で快勝!今日は言うことありませんでしたね。開始早々コーナーで点をとれて打ち合いの展開に持ちこめられたのが一番大きかった。負けてるオマーン代表としても点が欲しい、日本代表も追加点が欲しい、という状況でお互い組み合う展開になるともう実力的に勝る日本代表にとって理想的な展開です。