ロンドン五輪二日目の考察(柔道、アーチェリー、サッカー、競泳)

ロンドン五輪二日目の考察(柔道、アーチェリー、サッカー、競泳)

ロンドン五輪二日目も金メダルは取れず厳しい状況。

 

柔道男子では海老沼匡が銅メダルを獲得。

 

 

しかしこの階級は日本勢が二年連続で世界選手権を勝っている階級であり、かつモグシコフ、ツァガンバートルといった世界ランク上位選手が早い段階で敗れるというチャンスがあっただけに金を逃してしまったという思いが強いですね。

 

しかし三位決定戦で見せた一本勝ちは見事でした。柔道からJUDOとなって清清しい一本勝ちが見れることも徐々に少なくなってきていますが、海老沼は見事に一本を取る柔道をやっていたと思います。

 

 

女子では金メダル大本命と言われた中村美里が初戦敗退。前回負けてしまったアンクメといきなり当たるというくじ運の悪さを心配していましたが、まさにその心配が的中してしまった。

 

昨日からの4階級見ても日本が負けた試合や日本が苦戦した試合のほとんどは奥襟を先に取られて相手の組み手になって負けている。

 

 

明日の中矢力、松本薫が金を逃せば今年は日本の柔道が世界のJUDOに負けたという節目の年になるかもしれない。これからは世界のJUDOで勝てる選手を育てていく必要があると感じました

 

福見友子、中村美里の階級は三年連続で世界選手権を優勝。海老沼の階級も含め、北京五輪くらいから世界の柔道の潮流が変わってきているのになんとなくなあなあで勝ってきてしまったから対策が遅れてしまった。

 

 

世界選手権で勝てるのに五輪勝てないでは意味が無い。 今までは世界の柔道が変わってもなんだかんだで日本は一番強いんだという自負があった。そしてその自負は同時に慢心にもなった。

 

日本は挑戦者という立場になり、真剣に世界で勝つための柔道を突き詰めていくことが必要でしょう。それが日本のお家芸復活への足がかりとなるはずです。

 

 

アーチェリー女子団体で銅メダル

 

アーチェリー女子団体では銅メダルを獲得!アーチェリー女子として初のメダル獲得となりました。この種目は金銀銅が韓国、中国、日本と東アジア勢が独占。

 

身体能力が不利とならない種目、いわゆる世界的にマイナーな種目に対して国策として強化している二カ国に続く三位は見事なものです。

 

 

ただ日本はマイナー種目に国を挙げて強化するということはないので今の状況ではアーチェリーでこの上位二国を超えるのは厳しいように感じますね。

 

マイナー種目で金を取るよりも陸上で銅を取る方がはるかに難しいし価値が高いという意見もよく聞きますし、一理あると思います。

 

ただアーチェリーであったり射撃であったりと身体能力が不利にならない種目をもう少し国をあげて強化してもいいんじゃないかと思いますね。人口の多い中国はともかく韓国に金が取れる種目であれば人種的に日本が無理なんてことはないでしょうから。

 

 

男子サッカーは2連勝で予選突破決定

 

男子サッカーではモロッコに勝利して2連勝で予選勝ち抜け決定!次のホンジュラス戦では引き分け以上で1位通過が決まります。
決勝トーナメント初戦で当たるC組はブラジルが2連勝でこちらも勝ち抜け決定。次にブラジルがニュージーランドに負けてベラルーシがエジプトに勝たない限りブラジルの1位通過が決まります。

 

 

いきなりブラジルと当たるのはやはりしんどいので日本もブラジルも一位通過したいですね。そしてできれば決勝で当たりたい!

 

日本としては次のホンジュラス戦はターンオーバーで何人か選手を休ませるのでしょう。選手を休ませた上に引き分け以上で1位通過を決められればベスト。ここまできたらメダル獲得も期待したいです。

 

 

北島は惜しくも5位

 

競泳では三連覇を目指した北島康介は残念ながら五位。優勝したキャメロンファンデルバーグは世界新記録とやはり強かった。

 

女子100バタフライでボルマーも世界新を出しましたし、高速水着時代の記録を徐々に塗り替えられていくというのは凄いことですよね。

 

しかしやはり29歳という年齢で4月の日本選手権にピークを合わせてもう一度さらに五輪に合わせてピーク作り直すのは厳しいように思います。日本選手権の時の調子で泳げていたら銀メダルだったわけですから。

 

 

個人的には日本選手権を6月くらいに遅らせるのと派遣標準記録は廃止すべきだと思います。日本選手権にピークを合わせて国内選考を勝ち抜いたところで、五輪本番で調子を崩していては意味が無い。このあたりは協会がなんとかすべき課題でしょうね。

 

北島に関しては200mでも金メダルを狙えると思うので頑張って欲しいです。

 

 

男女100m背泳ぎでは入江陵介と寺川綾がそれぞれ4位と3位で決勝進出。それぞれメダルは十分に狙えると思うのできっちりベストの泳ぎをして欲しい。

 

また女子100m平泳ぎでも鈴木聡美が決勝進出。入江や寺川に比べると若干厳しいかもしれませんが、ベストの泳ぎができればメダルに手が届く可能性もあるので頑張って欲しい。

 

 

その他の種目では体操女子団体が6位で決勝進出決定。またテニス男子シングルスで錦織圭が日本人としてこの種目88年ぶりとなる勝利で1回戦を突破しました。

 

 

明日の見所

 

さて明日の見所です。

 

柔道男子では中矢、柔道女子では松本が登場します。いずれも昨年の世界選手権で日本人が優勝した階級です。

 

ここまで厳しい結果が続いている柔道ですがここら辺でいい加減金メダルを取っておきたい!ここで金を取れなければ日本柔道界初の金ゼロというおそれも現実味を帯びてきます。

 

 

中矢にとって最大のライバルとなるのはワンキチュン。寝技が得意な中矢にとって寝技で攻めて相手の体力を奪うような展開に持ち込みたい。逆に立ち技となればワンの方が上なので不用意に投げられることだけは気をつけたい。

 

またベスト4であたるであろうオランダのエルモントもかなりの強敵。得意の寝技で泥臭く勝ち上がって金メダルを獲ってくれるような展開に期待しましょう。

 

 

松本は決勝で当たるであろうモンテイロが最大の強敵となる。実力はほぼ互角。ただこの階級で三番手のシルバが逆のブロックのため、モンテイロとシルバがベスト4で当たることが予想される。

 

この二人が潰し合って消耗してくれれば松本が決勝でも有利に戦えそう。金確実と言われた三階級のうち福見、中村は落としてしまったので松本には二人のぶんも頑張って欲しい!

 

 

体操では男子団体決勝があります。日本は予選5位通過、中国は予選6位通過と優勝候補が揃って出遅れるまさかの展開。吊り輪スタートあん馬終わりというローテーションになります。

 

予選では鉄棒という落下が出やすい種目スタートだったのでいきなりミスが続出してしまいましたが、吊り輪では大きなミスも出ないはず。

 

 

吊り輪、跳馬、平行棒とミスが出にくく点が出やすい種目で得点を積み重ねて勢いに乗ったまま鉄棒をノーミスで乗り切る。そして床をしっかりこなして最後のあん馬で逃げ切る。こんな展開を目指して欲しい。

 

最大のライバルはアメリカ。予選では5点差をつけられました。アメリカの最終種目鉄棒と日本の最終種目あん馬の得点差を比較すると、最終種目までに逆に5点近く引き離しておかないと厳しい。同時に中国を上回ってあん馬を迎えることも大切になる。

 

最終種目までに大きく点数を引き離して、アメリカを焦らせてミスを誘うような展開にしたい。日本が勝つパターンはこれが現実的だろう。

 

 

今大会はEスコアが厳密に採点されている印象。綺麗な演技をするとかなり高い得点が出るし、ミスや汚い演技にはかなり得点を引かれる。

 

しかしこれはまさに日本が目指していた美しい体操が勝てる基準ではないでしょうか。今まで世界の傾向はEスコアよりDスコア重視でやみくもに難度を上げるのが勝ちに近づく方法でした。

 

今大会はおそらくそれでは勝てないでしょう。日本チームも予選から空いた一日で点数の出方を分析してこのような結論を持っているはず。日本本来の美しい体操を世界に見せて金メダル獲得して欲しいですね!

 

 

競泳では男女100m背泳ぎで入江と寺川が決勝を泳ぎます。男子はマシューグレイバーズ、女子はエミリーシーボームの力が一つ抜けていて金メダルはかなり厳しい状況ですが、最低でも今期自己ベストを出してメダルを獲得して欲しい。

 

また男子200mバタフライで松田丈志が登場。フェルプスはあまり調子が良くないようなので松田としてはチャンス。まずは予選と準決勝をきっちり上位で通過して欲しい。

 

 

今日こそは日本勢初の金メダル獲得を期待したいですね。

 

 

 

 

 

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