ロンドン五輪十四日目の考察(ボクシング、レスリング、サッカー、陸上、シンクロ)
大会十四日目もメダルを獲得し、大会初日からの連日メダル獲得が続いています。ここまでただの一日もメダルを取れなかった日が無いというのは地味に凄いですよね。
ボクシングでは村田諒太がウズベキスタンの強豪アトエフに勝利して見事決勝進出!ボクシングでは東京五輪以来の決勝進出となります。
昨年世界選手権準優勝という実力者の村田。きっちり実力を発揮して勝ち上がってきてくれました。そして昨年世界選手権決勝で敗れた選手はもうすでに敗退しています。ここまできたら金メダルを取って欲しい!
また清水聡は残念ながらイギリスの選手に負けて銅メダル。それでもよく頑張ったと思います。相手選手はポイントをきっちり取っていく上手さがあったように思います。
レスリングでは湯元進一が銅メダルを獲得!前回五輪で兄の湯元健一が銅メダルを獲得していたのが嬉しさ半分悔しさ半分だったらしいですが、よくメダルを取ってくれたと思います。
後につけを残す男子サッカー
男子サッカーは3位決定戦で負けて4位。単純縦ポンでやられるならもう手の施しようがない。守備の組織も崩しも連携もへったくれもない。
せっかくスペインやバルサがパスサッカーの優位を証明したのにそんなパスサッカーが縦ポンサッカーに負けたのが残念です。
ギリギリで保ってたチームバランスがメキシコ戦で崩れてしまったんでしょう。疲れが足を止めて攻撃も守備も機能しなくなった。スペインを完封したチームが縦ポンで2失点するというのはそういうこと。
韓国も疲れてるのは同じだけど対日本パワーと兵役免除があったから精神力で走りきれた。
この世代はこれで韓国に三連敗。次やって精神面で遅れを取らないと言い切れるか。韓国の若手は兵役免除になって海外に移籍しやすくなるかもしれない。そうなれば今日の韓国選手はさらに強くなる。
今日の負けは将来のA代表に重いつけを残した。このつけは自分達の責任で返していかなければいけない。
北京世代は3連敗という悔しさをバネに世界に通用する選手が多数育ちました。この世代でもこの悔しさをしっかり力に変えて成長して欲しい。
そうすれば今のA代表が韓国を圧倒しているように、この世代がA代表の中心になった時も韓国を圧倒することができるでしょう。
陸上競技の結果
陸上ではまず男子4継で日本が38秒07という素晴らしいタイムで決勝進出!日本記録と0,04秒しか変わらない素晴らしいタイムです。
これで全体四位。アメリカなんかがバトンミスというお家芸を見せてくれればwメダルに手が届く位置にいます。
走力ではアメリカ、ジャマイカ、トバゴには勝てません。クリストフルメートルとジミービコがいるフランスも日本よりは上。ただ日本も上位陣のバトン次第ではひょっとするかもしれない位置にいます。
世界陸上予選敗退から山縣亮太、飯塚翔太が加わってよく立て直してくれたと思います。
女子4継ではアメリカが世界新記録で優勝!アリソンフェリックス、カルメリタジーターが成長してバトンパスも完璧で最高のチームになりましたね。シェリーアンフレイザープレイスとほぼ互角の走りをした一走の選手も凄かった。
男子マイルリレーではバハマがアメリカに勝利!私の記憶ではアメリカ男子が純粋な実力でマイルリレーに負けたというのはちょっと思い出せないです。カリブ海の小国が凄いことをやってくれました。
その他男子棒高跳びではルノーラビレニが優勝。女子5000mではデファーが優勝。女子1500mではトルコのカキルアルプテキンが優勝しました。
続いてシンクロチームはデュエットに続いて五位。ずっと続いてきたメダルが遂に途切れてしまいました。
以前はロシアに続く二位が定番だった日本。しかし井村雅代コーチがいなくなってからは低迷し、逆に井村コーチやそのお弟子さんがコーチに就任した中国やスペインが躍進。
これはもう井村コーチを日本に留めておけなかったのが敗退と言えるかもしれませんね。日本の実力元々より井村コーチに戻ってきて貰うか、井村コーチ以上のコーチをまず育てなければ今後の巻き返しも厳しいでしょう。
本日の見所
さて本日の見所です。
まずはボクシングのミドル級決勝!村田が金メダルを目指して戦います。相手のブラジル選手は昨年の世界選手権準決勝で村田に敗れた相手。
今大会は準決勝で地元イギリス選手に勝って勢いに乗っていますが、村田の方が地力は上だと思うので金メダルは有力かと思います。
ここで金メダルを取れればかなり大きいです。なんといっても男子では内村航平以外唯一の金メダリストになる可能性がある。
相当注目を浴びるでしょうし、アマチュアボクシングにも脚光が当たるはず。それは今後の強化にも繋がります。アマチュアボクシングの将来を賭けて頑張って欲しい。
バレーボールは3位決定戦。相手は韓国です。近年日本は韓国をカモにしていて負けることなどほとんど無かったのですが、五輪出場がかかった世界最終予選で3−0のストレート負けと完敗。
五輪に入ってもブラジルやイタリアに勝ってあがってくるなどもはや今まで楽勝してきた韓国とはまったく別のチームになっているとみていいでしょう。
どちらが勝つかは五分五分だと思います。ただ日本バレーの底力を見せ付けてメダルを獲得して欲しい!
陸上ではまず男子やり投げ決勝があります。予選で82mを投げたディーン元気に期待。メダルを獲得するためには最低でも84m以上を投げることが必要でしょう。
つまり自己ベストを出して日本記録を出すことがメダルへの最低条件。父の母国イギリスで若さと勢いを爆発させて大投擲を期待したい。
そして男子4継も決勝。ジャマイカ、アメリカ、トバゴの3強にバトンミスが出れば日本にメダルチャンスがあります。特にトバゴは予選でバトンが上手くいかず日本より下のタイム。
ジャマイカは別格としてアメリカ、トバゴはバトンを落とすなどという大過失がなくても小過失があれば逆転するチャンスはあります。
ただカナダやフランスも強敵。日本はメダルを取るには上位3強のどこかが崩れてかつ37秒代の日本記録を出すことが必要になるでしょう。
またジャマイカはウサインボルト、ヨハンブレイク、アサファパウエルという三人がリレーを組むのは今回が初めて。昨年の世界陸上ではネスタカーター、マイケルフレイター、ウサインボルト、ヨハンブレイクというメンバーで37秒04の世界新。
今大会はボルト、ブレイク、パウエルと組むのはカーターなのかフレイターなのかはわかりませんが、どちらにしても36秒台の世界新が期待できる。
それとアメリカは仲が悪いことで有名なジャスティンガトリンとタイソンゲイが果たして二人とも同じチームで走るのかが地味に注目ですw。
男子50km競歩も決勝。山崎勇喜は世界ランク5位、谷井孝之は7位、森岡紘一朗は11位。そして世界ランク4位のイタリア選手はドーピングで失格。実は男女マラソンよりもよっぽどメダルに近い種目です。
ライバルとなるのはロシア勢。そしてオーストラリア勢、中国勢も強敵。実力通りだとロシア勢は表彰台を独占してくるかもしれませんが、なんとか表彰台の一角に日本勢が食い込んでくれないかと思っています。
女子20km競歩も決勝。渕瀬真寿美、川崎真裕美、大利久美の三人はいずれも入賞争いに絡む実力はあるでしょう。
その他種目では特に注目して欲しい女子800m決勝。この種目は近年同じ選手が二度勝てないという面白いジンクスがあります。
2004年以降世界大会での800女王の変遷はケリーホームズ→カラタイルド→ジェプコスゲイ→パメラジェリモ→キャスターセメンヤ→サビノワ。本当に毎世界大会ごとに優勝者が変わっています。
このジンクスを今回の決勝に当てはめるとジェリモ、セメンヤ、サビノワが優勝候補から外れますw。この三人以外で一番力がありそうな選手というと・・・ブルンジのニョンサバでしょうか。
ただ今回ばかりはさすがにサビノワあたりが勝ちそうな気もしますw。もしジンクスが続いてニョンサバあたりが本当に優勝しちゃったらちょっと凄すぎるw。
同じ人が二度勝てないジンクスが継続するか注目してみてください。
その他種目では女子マイルリレー決勝や女子走り高跳び決勝、男子5000m決勝があります。女子マイルリレーはアメリカとジャマイカの一騎打ち。
世界陸上ではアリソンフェリックスの活躍もありアメリカが優勝しましたが、今大会はどうなるでしょうか。サンヤリチャーズロスもいますしアメリカ優位と私は見ます。
女子走り高跳びはブランカブラシッチやアリアネフリードリヒが欠場とやや豪華さに欠けるメンバー。昨年世界陸上優勝のアンナチチェロワが優勝候補か。対抗は同じロシアのスベトラーナシェコリナでしょう。
男子5000mはイギリスのモハメドファラーとアメリカのバーナードラガトの優勝争いか。会場は沸きそうですね。長距離王国ケニアのキプラガトも絡んでくるでしょう。
レスリングでは男子フリースタイルに湯元健一が登場します。前回北京五輪、そして昨年の世界選手権銅メダリスト。今大会もメダル獲得を期待したい。弟がメダルを獲得してくれたのでやってくれるでしょう!
大会もあと残り二日。現在日本のメダル総数はボクシングの村田を含めて36個。あと二つ取れば史上最多記録を更新します。
レスリングか女子バレーかやり投げかリレーか競歩か・・・。なんとか残り二つ確保して欲しいですね。
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