ロンドン五輪八日目の考察(競泳、バドミントン、サッカー、陸上)

ロンドン五輪八日目の考察(競泳、バドミントン、サッカー、陸上)

大会八日目は3つのメダルを獲得しました。

 

 

競泳最終日では男女メドレーリレーで揃ってメダルを獲得して有終の美を飾りました!

 

女子メドレーリレーは寺川綾、鈴木聡美、加藤ゆか、上田春佳というメンバーで銅メダル。寺川、鈴木という二人のメダリストが作った貯金を加藤、上田がよく守ったと思います。高速水着時代の日本記録を更新できたのも凄かった!

 

男子メドレーリレーは入江陵介、北島康介、松田丈志、藤井拓郎というメンバーで銀メダル。こちらも入江が貯金を作り、北島がさすがの泳ぎでトップに立ち、松田が粘り、藤井が逃げ切るという展開で本当にみんな頑張った!

 

 

特に北島のラップタイムは100m決勝だと銀メダル相当の記録。個人種目ではメダルには届かなかったですが、仲間の力の後押しがあってこその素晴らしい泳ぎだったと思います。

 

松田キャプテンの「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかないぞ」という言葉には感動しました。その言葉通り三人が力を出し切り、そしてそれに応えるように北島も力を出し切る。本当に素晴らしいチームでした。

 

 

男子1500m自由形ではソンヨウが自身の持つ世界記録を3秒以上更新する驚異的な世界新で優勝!本当に底が知れないですねこの人は。いずれ14分30秒の壁を越えていくかもしれません。

 

 

これで競泳は全種目が終了。日本はメダル総数11個という素晴らしい結果を残しました。初日に17歳の萩野公介が銅メダルを取ったことで他の選手も「若いあいつが頑張ったんだから自分もやってやるぞ!」というような気持ちで流れに乗ったように思います。

 

金メダルが取れなかったのは一つの課題でしょう。ここ5大会で日本の競泳陣が獲得した金メダルは5個。そのうち4個が北島であることを考えれば、結局今までの競泳陣は北島頼みという面があった。

 

 

これからは北島に続く柱が出てこなければいけません。それは入江なのか。もしくは萩野か。それともまた他の誰かなのか。

 

北島のように世界大会の決勝で力を出して金メダルを取れるような選手が育ち、4年後のリオでは金メダルラッシュを見せて欲しいと期待しています。

 

 

バドミントン女子ダブルスは銀メダル

 

バドミントン女子ダブルスでは藤井瑞希・垣岩令佳のフジカキペアが残念ながら中国ペアに敗れてしまい銀メダル。第2セットはかなりいい勝負をしましたが、最後は地力の差が出てしまいましたね。

 

試合全体としては常に後手後手にまわってしまったのが厳しかったかなと思います。格上の相手に一発金星をあげるにはやはりこちらから思い切って攻めなくてはいけない。

 

 

しかしバドミントン界初のメダル獲得は立派です。次回は中国の壁を乗り越えて欲しいですね。

 

そして昨日のアーチェリーやトランポリンの時も書いたように、バドミントンは東アジアの人間がメダルを狙える種目というのがわかったはずなので国が力を入れて欲しいなとも思います。

 

 

男子サッカーは4強入り

 

男子サッカーでは決勝トーナメント初戦でエジプトに勝利!試合開始直後から日本のペースで試合が進み、早い段階で先制点が取れたことが大きかったですね。同時に相手に押し込まれ始めた時間帯で失点せずに前半を1−0で折り返せたことも大きかった。

 

後半は相手に退場者と怪我人が出たこともあり、点を取られる気配はまったくしませんでした。エジプトは前半から動きが重そうでした。

 

 

これも予選リーグ二戦目で突破を決めて選手を休ませた日本が三戦目まで決まらなかったエジプトに対してコンディション面でアドバンテージがあったということでしょう。

 

次の相手はメキシコ。セネガルと延長の末勝ち抜いてきており、出場停止も一人いるため条件的には日本が有利なはず。次も走り勝って欲しいですね。

 

 

陸上では男子100m予選では日本の山縣亮太が10秒07という自己ベストを出して準決勝進出!五輪という舞台でいきなり自己ベストを出すというのは素晴らしいですね。準決勝では日本人初の9秒台と決勝進出を目指して頑張って欲しい。

 

男子400mH準決勝ではフェリックスサンチェスが予選一位通過。近年はメダルを取れていなかった過去の王者ですが、大ベテラン健在でしたね。久々の47秒台はおみごと。

 

 

男子1万ではイギリスのモハメドファラーが優勝。

 

女子100mではシェリーアンフレーザープライスが二連覇!現役最速スプリンターで去年の世界王者であるカルメリタジーターが勝つかなと思っていたのですが、得意のスタートで抜け出してそのまま逃げ切りましたね。見事なレースでした。

 

 

本日の見所

 

さて本日の見所です。

 

 

明日は体操種目別の床とあん馬があります。床では内村航平の金メダルがなるかどうかに注目!ライバルは中国のズーカイ。団体では予選、決勝ともに内村より良いスコアを出しました。

 

ズーカイのD得点は6,9。内村のD得点は6,7。お互いが完璧な演技をすれば内村は勝てません。

 

内村は果たしてG難度技のリジョンソンを入れてD得点を上げてくるのか。それとも難度はそのままでミスの無い美しい体操をするのか。そのあたりにも注目してみてください。

 

 

陸上では男子ハンマー投げの決勝があります。果たして室伏広治のメダルの色はどうなるか。まずは一投目に80mを越えてメダル圏内に入りたい。そして残り5投で金メダルラインとなる82mを目指していくという展開にしたい。

 

また女子マラソンもあります。尾崎好美、重友梨佐、木崎良子という三人がメダルを目指して走ります。金メダル争いは2時間20分を切る持ちタイムのショブホワ、ケイタニー、キプラガト、ゲラナ、メルギアあたりの争いになるでしょう。

 

スピードレースになれば日本勢は勝てないので粘りのレースをしたい。そして30km前後で先にロングスパートを仕掛けたい。持ちタイムで劣る以上、相手のレース展開に持ち込まれたら勝てないでしょう。自分たちのレースプランで有利に運んでいきたいですね。

 

 

そしてなんといっても男子100mの決勝!ウサインボルトとヨハンブレイクが二強でしょう。どちらが勝つかは正直わからない。それにジャスティンガトリン、アサファパウエル、タイソンゲイあたりがメダルに絡んでくるはずです。

 

一応予想としては金がウサインボルト、銀がヨハンブレイク、銅がジャスティンガトリンとしておきます。多分当たらないと思いますけどw。

 

また日本の山縣も決勝をかけて準決勝を走ります。ヨハンブレイク、タイソンゲイと同組でかなり厳しいですが、日本人初の9秒台を出してファイナリストになって欲しい!

 

 

射撃の男子50mピストルでは松田知幸がメダルを目指します。2010年の世界チャンピオンなだけにメダルを期待したい。

 

男子フェンシングフルーレ団体はあります。日本は世界ランク五位でメダルにも手が届く。まずは準々決勝の中国戦に勝ってベスト4に進みたい。

 

ボクシングのバンダム級では清水聡が準々決勝に登場。勝てばメダルが確定するベスト4に入るため頑張って欲しい。

 

 

日本チームはここまで開幕から連日メダルを獲得しています。メダル枚数はすでに24枚。早くもあと一つ取れば北京五輪の総数に追いつきます。今日も連続メダルを続けて、北京越えして欲しいですね。

 

 

 

 

 

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