2014年ソチ冬季五輪総括

2014年ソチ冬季五輪総括

ソチ五輪を初日から振りかえります。

 

期間中のツイッターログは全てアップしましたが、それを一つにまとめてわかりやすくという目的です。

 

 

初日

 

スノボスロープスタイルで角野友基が8位入賞と早速最初の種目で結果を残す。スノーボードのイメージを変えたいと礼に始まり礼に終わるという意識で臨んだこの若き好青年の健闘が日本チームに勢いをもたらしたのではないかと感じます。

 

ただ角野がベストの滑りができてたらメダルの可能性はあった。一方でトリプルコーク含む演技を完璧に通せる可能性は10%くらいだと思ってました。自分の滑りをしっかりできるのも実力のうち。まだ17歳。この経験をこれから活かしていって欲しい。

 

 

優勝はセージコッツェンバーグ。Xゲームでは優勝候補だったマクセンスパロットやマークマクモリスの後塵を拝し続けてきた彼ですが、五輪本番では独創性あるトリックが評価され優勝。

 

しかし最高難度のトリプルコークを決めた上位選手もその難易度のわりに得点が伸びず、Xゲームとの採点基準に戸惑うことも多かった。運営面ではまだまだ今後に課題を残す新種目だとも感じました。

 

 

フィギュア団体はショート終了で日本は四位。アメリカが男子で失敗したのでメダルへの一縷の望みは残したものの、逆転の可能性はかなり厳しい状況になりました。

 

 

女子モーグル決勝では上村愛子が四位。この四位には本当におめでとうと言ってあげたい。

 

ハンナカーニーがミスをしていたので銅メダルだったのでは?という議論も起こりましたが、あの程度のミスでは引っくり返らないほどターン技術で負けていたと言わざるを得ません。

 

 

しかし今季成績から考えると出来過ぎなくらい好成績の四位。だからこそ本当におめでとうと言いたいし彼女もやりきった表情をしていた。

 

ただ・・・長野の時から16年間彼女のことを応援し続けてきてバンクーバーでの涙も見て。最後にメダル取らせてあげたかった・・・。

 

初日の角野、上村という二人の入賞が勢いをつけたからこそ日本のメダルラッシュに繋がったのだと思っています。

 

 

二日目

 

フィギュア団体のフリーで日本は五位。やはりペアとアイスダンスを強化していかなければメダルに絡むのは難しい。フリーのプルシェンコは一見ミス無く滑ったように見えたものの、繋ぎも悪く全盛期の力は無かった。

 

結局個人戦は棄権してしまいましたが、棄権が無くてもメダル争いに絡むのは難しかったのではないかとこの団体の演技を観て感じました。

 

またリプニツカヤが驚異的な点数を出した一方で浅田真央の調子に不安を感じたところで個人戦でのメダルも少し厳しくなったんじゃないかとも感じました。

 

 

ジャンプノーマルヒルではストッフが次元の違う強さを見せつけて優勝。葛西紀明は八位入賞。

 

ラージヒルではストッフ、プレブツ、バルダルという金銀銅を獲得した三人も強いし、グレゴアシュリーレンツァウアーなども絡んでくるので厳しい戦いになることが予想されましたが、葛西さんもラージヒルの方が得意なのでラージヒルでもメダル争いに期待の持てる結果となりました。

 

 

三日目

 

女子ショートトラックリレーはメダルのチャンスはあったもののスタート位置が悪く最初から出遅れて決勝には残れず。ただ決勝に残れていても韓国、中国、カナダの力は抜けていて、日本がメダルに絡むのは厳しかったように思えます。

 

 

スピードスケート男子500ではオランダ勢がとにかく強くミヒャエルムルダー、ヤンスメーケンス、ロナルドムルダーというオランダの三人が表彰台独占。期待されていた加藤条治、長島圭一郎の二人はメダルを逃しました。

 

長島が二本目にタイムを伸ばせていればメダルに届いていましたが、一本目トップのスメーケンスと同走で、スメーケンスの速いペースに惑わされてしまったのでしょうか。結局タイムを落としてしまいました。

 

 

男子モーグルでは遠藤尚が予選を四位で通過してメダルの期待もあるか?と思いましたが決勝一回目でラインを外すという大きなミスをして敗退。

 

同じく予選を突破した西伸幸も決勝一回目で敗退して男子モーグルでは入賞もならず。

 

特に遠藤は予選でいい滑りをしながら決勝で実力を発揮しきれないという残念な展開だったので四年後のリベンジに期待したいところです。

 

 

四日目

 

男子スノーボードHPで平野歩夢が銀メダル、平岡卓が銅メダルと二人の十代が揃ってメダルを獲得!ここまでメダル無しだった日本の雰囲気を変える見事な活躍でした。

 

しかも一回目は平野がトップ、二回目で平岡がダブルコーク二連続という自身が持つ最高のルーティンを成功させて逆転、それを見た次の平野もダブルコークを二度入れる構成に難度を上げて再逆転。

 

これほどまでにハイレベルなメダル争いを日本人二人が繰り広げたことを嬉しく思いますし、素晴らしい戦いでした。

 

 

優勝したユーリポドラドチコフはダブルコーク1440をメイクして圧巻の優勝。ショーンホワイトが最後にミスをしたため複数メダルとなりましたが、ポドラドチコフ、平野、平岡の三人とも完璧な演技をしたためショーンホワイトはリスクを負って攻めるしかなくなった。

 

その結果ミスが生まれたのであり、この複数メダルは転がり込んできたメダルではなく実力で勝ち取ったメダルと言えるでしょう。

 

 

一方で女子スキージャンプでは金メダル候補として臨んだ高梨沙羅がまさかの4位。

 

伊藤有希も7位でこの種目ではメダルを取れず。

 

 

風にも恵まれず、課題を克服したはずのテレマークも入らず。今季10数戦して一度も四位以下になったことないのに。これは魔物というしかない。これが五輪の恐ろしさ。

 

沙羅ちゃんは助走中に自分にかかるGの変化を機敏に反応して踏み切りのタイミングを正確に合わせる天才肌の選手です。

 

それでこれまで安定した強さを維持してきました。

 

 

しかしソチのジャンプ台は傾斜が他のジャンプ台よりも緩やかでGを捉えにくい形状なのです。

 

ソチのジャンプ台の特徴は沙羅ちゃん自身も十分認識して対応しようと努力していました。しかし五輪という独特の空気や緊張感、プレッシャーなどが彼女の感覚をわずかに狂わせてしまった。

 

まさに0.1秒のズレなのでしょうが、そのズレが飛距離にもテレマークにも影響したのかなと思います。

 

ただ沙羅ちゃんは17歳。これからリベンジしていくチャンスはまだまだある。最後大ジャンプで沙羅ちゃんを逆転していったダニエライラシェコシュトルツは30歳であのジャンプができたのだから。

 

 

スピードスケート女子500では小平奈緒が五位入賞。メダルには届きませんでしたが彼女の持てる力を出し切った見事な五位入賞だったと思います。

 

彼女の今季の調子を考えれば五位でも立派すぎるほどの成績。それは彼女もわかっていたはず。しかしそれでもメダルを逃して悔し涙を流していた。

 

あくまで上を見据える彼女の姿勢は素晴らしいし、今後にも期待が持てると感じました。次回のオリンピックではやってくれるでしょう。

 

五日目

 

ノルディック複合ノーマルヒルで渡部暁斗が銀メダルを獲得!昨日のスノボでのWメダルの勢いを上手く繋げることができました。

 

前半ジャンプで二位につけて、ジャンプ一位のエリックフレンツェルと逃げる展開に出来たのが大きかった。金メダルの期待もありましたけどやはりフレンツェルはW杯総合トップで昨年の世界選手権でも優勝している王者。甘くなかったです。

 

 

渡部暁はラストスパートがトップ選手に比べると強くありません。一方でフレンツェルは強い。だから3位以下の後続集団に追いつかれたくなかったのは渡部暁の方だった。

 

結果として渡部が前で引っ張る時間が多くなって最後余力を残していたフレンツェルに負けた。そんな展開でした。

 

 

後続集団に追いつかれてもフレンツェルは勝つ自信があった。渡部暁は追いつかれたら自信がなかった。だから渡部が前に出て逃げるしか無かったんですね。

 

逃げたいという気持ちはフレンツェルより渡部の方が大きかった。そしてフレンツェルはその渡部の心理状態すら読んで金メダルを取っていきました。

 

 

それにしても解説の荻原健司さんの「渡部暁斗こそがキングオブスキーですよ!渡部暁斗が我々の時代にいたらぶっちぎりで優勝してます。それくらい今の世界のレベルは高いんです」というセリフがいいなと思いました。

 

まさに世界中からキングオブスキーと言われた荻原健司さんが後輩を称えるために自分ではなく彼こそがキングオブスキーだと言った。なかなか言えるセリフじゃないと思います。

 

そしてこういう彼の人間性が尊敬されているからこそ荻原健司さんは世界中からキングオブスキーと呼ばれているのでしょう。

 

 

スノボ女子HPでは岡田良菜が5位入賞とこの時点で女子スノボ史上最高成績。二回目で自分のできるルーティンをしっかり通して入賞。実力を出し切った結果だったと思います。

 

 

六日目

 

男子フィギュアSPが羽生結弦が歴代最高の100点超えを叩き出してトップ。

 

一方でライバルのパトリックチャンは3Aでステップアウト。

 

 

Pチャンは団体ショートでも3Aで失敗してるんです。そして今日も3Aでステップアウト。本調子ではないのかもしれません。ただそれでも97点。やはり侮れないこの人は。

 

ただ今日のスコア詳細を見ると羽生君は技術点(TES)54.84点、演技構成点(PCS)46.61点。Pチャンは技術点50.34点、演技構成点47.18点。PCSがほぼ互角なんですね。これは若干良い傾向か。

 

フリーも羽生君の方がTES高い構成を持ってるんです。そしてPCSでほぼ互角の評価を貰ってるということはお互いノーミスでやれば羽生君が上に行く計算になります。

 

 

そしてエフゲニープルシェンコは残念ながら棄権。この年で椎間板手術して団体二本滑って三日後に個人戦はさすがに無理だったですか。まあ団体金で有終の美でいいと思います。

 

棄権した後だから言うわけではないですが、今のプルでは体調万全でもメダルは無理だったと思います。団体のFP見る限りとてもメダルを狙える構成ではなかった。まあ地元だから多少採点が有利になるかなというのもありましたがそれを加味しても厳しいだろうと。

 

 

高橋大輔は4回転に不安を残し、町田樹も二回のジャンプがダウングレードで満足のいく演技ではなかった。ただ高橋も町田もまだチャンスは残してます。

 

1位の羽生君と2位のPチャンの差が4点。3位のハビエルフェルナンデスと11位の町田君との差が3,5点。1位と2位の差よりも3位と11位の差の方が小さいんですね。

 

 

しかしやはりフェルナンデスは強いです。フェルナンデスに完璧にやられたら町田でも届かないでしょう。高橋もフェルナンデスとほぼ差がないですが高橋の今の4回転の精度では厳しいでしょうね・・・。

 

フェルナンデスは4回転が得意な選手ですからきっちり決めてくるでしょう。

 

 

町田君がフリーでノーミス演技をした場合、12位より下に町田君を上回れる選手はおそらくいません。そして上位を見ると5位のペテルリーバース、6位のジェイソンブラウン、7位のブライアンジュベール、10位のマヨロフあたりは抜かせます。

 

よって金メダル争いは羽生とPチャン。銅メダル争いはフェルナンデス、高橋、デニステン、ハンヤン、町田の五人。そう結論付けることができたSPでした。

 

 

七日目

 

男子フィギュアで羽生が金メダル!サルコウ転倒は仕方ないとして次のフリップのステップアウトもあり金は厳しいかなと思いましたが、次のPチャンにもミスが相次ぎ羽生君が上回りました。

 

これだから五輪はわからない。できればノーミス対決で勝ちたかったけどこれもまた五輪の難しさ。結果が全てです。本当におめでとう!

 

羽生君は自国開催以外で初めての日本人男子個人冬季五輪金メダリストであり、夏冬通じて日本選手として初めての平成生まれ金メダリストであり、初めての欧米人以外での男子フィギュア五輪金メダリストです。

 

 

そして町田が五位。高橋が六位。全員入賞!

 

町田もショートのミスかフリーの4回転の転倒のどちらかが無ければ銅メダルに手が届いていました。また高橋もやはり怪我の影響で4回転を決められる体調ではなく大きく点数をロスしてしまいましたが、演技構成点では羽生をも上回る得点を出していました。

 

高橋が怪我していなければ間違いなく日本のメダルは一つ増えていたでしょう。

 

 

ジャンプラージヒル予選では伊東大貴が二位通過。清水礼留飛が三位通過。竹内択が六位通過。明日の決勝も楽しみですが団体でもメダル争いができそうで楽しみな結果となりました。

 

 

八日目

 

ジャンプラージヒルで葛西が銀メダル!本当にレジェンドですねこの人は。葛西さんは一回目二位で実力的にメダル争いはストッフ、葛西、フロイント、プレヴツの四人に絞られました。

 

そして一回目4位のプレヴツが大ジャンプ、一回目3位のフロイントが失敗でプレヴツがトップという状況で飛んだ一回目2位の葛西さん。しっかりプレヴツを上回るジャンプをしてくれました。

 

葛西さんがメダル確定した時に他の選手も観客も大喜びしてたのが凄いと思いましたね。本当に尊敬されてるんだなと。

 

 

葛西銀の要因が良い風に恵まれたという報道もあります。確かに難しい条件の中で比較的良い条件で飛べたのは事実です。しかし最終的にメダリスト三人は今季W杯総合ランク1位から3位までと完全に実力通りの結果でした。

 

W杯上位三人の時だけ都合良くいい風が吹いたということはないでしょう。これは運ではなく実力です。条件が良い時にいいジャンプができる人はたくさんいます。

 

そういう選手はたまたまどこかの試合で上位に入ったりもする。しかし条件が難しい時にどれだけいいジャンプをするかで本当の実力が見える。

 

 

今日はとても難しい条件でした。上位の選手がことごとく風の影響で沈んでいきました。しかしそんな難しい条件の中でストッフ、葛西、プレヴツの三人はしっかりとしたジャンプをしてメダルを取った。

 

W杯総合ランクで上位に入るにはどんな条件でも安定して上位に入らなければいけません。

 

この三人の安定感はすば抜けていたと言えるでしょう。難しい条件だったからこそ本当に実力のある三人がメダルを獲得した。そう私は結論付けています。

 

 

そして葛西2位、伊東9位、清水10位、竹内13位。団体にも期待を持たせる結果でした。もし今日が団体なら日本トップです!

 

団体金メダルで日の丸飛行隊完全復活&葛西さん16年前を払拭する悲願の団体金メダルというとてつもないドラマを期待したりもしました。

 

スノーボードで史上初のメダル、男子フィギュア初の金メダル、ノルディック複合20年ぶりのメダル、スキージャンプで16年ぶりのメダルと今大会興奮ポイントが多すぎますね。

 

 

九日目

 

女子スノーボードクロスで藤森由香がタイムトライアル6位で準々決勝進出を決めるものの、準々決勝では転倒して入賞はならず。競り合いのプレッシャーもあったのでしょう。

 

カーリングでは格上のスイスに勝つことができ、ほぼ入賞を確定させました。ただ明日中国とスウェーデンに連勝しなければおそらくベスト4には届きません。非常に厳しいですが最後まで頑張って欲しい。

 

 

スピードスケート女子1500では日本選手が四人とも厳しい結果に。パシュートにも不安を残す結果となりました。氷の相性が悪いのでしょうか。みんな例外なく途中からガクッとラップ落としています。

 

そしてこの種目ではまたオランダが表彰台独占。さらに4位もオランダ。今大会のオランダのスピスケはちょっと強すぎますね。

 

 

十日目

 

スキージャンプ団体が銅メダル!おめでとう!金メダル取って欲しかったけどこればかりはドイツ、オーストリアを褒めるしかない。この二カ国は強かった。しかし日本も竹内の一本目以外全部130mを超えてします。しっかり実力を出し切ってくれました。

 

竹内が肺炎にかかり伊東が膝を痛め葛西が腰を痛め・・・一時はどうなることかと思いました。満身創痍の中での戦いだったのかもしれません。

 

しかし若い清水が成長してチームに勢いを与え、葛西の個人銀メダルに団体銅メダル。長野以来16年間取れなかったメダルです。素晴らしいじゃないですか。

 

 

試合前は「朝原さんにメダルを」でメダルを取った北京4継チーム。「北島さんを手ぶらで返すわけにはいかない」でメダルを取ったロンドンメドレーチーム。その時と似たような空気を感じました。

 

リレハンメルから始まったストーリー。葛西は当時団体で金メダルに手が届く直前だった。しかし原田の失敗ジャンプにより惜しくも銀メダル。

 

四年後の長野で原田は大ジャンプで団体金メダルに貢献。ここで原田のストーリーは終わった。しかし葛西のストーリーは終わらなかった。

 

 

長野では控えメンバーだったのでメダルは貰えず。リレハンメル、長野で届かなかった金メダル。その忘れ物を取り返せるチャンスがようやく巡ってきた。

 

20年間の葛西のストーリーは今日の日の丸飛行隊完全復活の金メダルで終わらせるんじゃないかと。

 

 

しかし違いましたね。物語はまだまだ終わらない。

 

「葛西さんに金メダルを」ではないですね。まだそのタイミングではない。最後の葛西さんのジャンプは「俺はまだまだ頑張るから今回はお前らにもメダルを取らせてやる」そんなジャンプに見えました。本当に凄かった。

 

葛西さんのストーリーは四年後もまだ続いていることでしょう。その時こそ悲願の金メダルを獲得してくれると信じています。

 

 

カーリングは中国に勝ったもののスウェーデンに負けて最終結果は5位。格下のアメリカや韓国に負けてしまったのが響いてベスト4進出とはなりませんでしたが、一方で格上のロシアやスイス、中国に勝っており実力以上の結果は出せたと思います。

 

 

十一日目

 

ノルディック複合ラージヒルで渡部暁が6位入賞。転倒が残念でしたがそれでも6位入賞は立派だと思います。

 

ジャンプ終わった段階でフレンツェルとクレメトセンが抜けだしたのでフレンツェルが本調子ならノーマルヒルの時のようにこの二人で逃げる展開になったのでしょうが、フレンツェルが発熱の影響で本調子ではなく、クレメトセンもクロカンが強い選手ではない。

 

 

体調不良のフレンツェルとクロカン得意ではないクレメトセンという二人だったため逃げることができず、渡部暁が早く先頭集団に追いつけたとこまでは良かったんですが逆にさらに後方のドイツ勢にもチャンスを与えてしまったというようなレース展開でした。

 

グラーバクもマグヌスモーアンもキルヒアイゼンも渡部よりクロカン強い選手なんで集団になってしまった時点で勝つのはしんどかった。

 

 

またジャンプで加藤大平が転倒して脱臼骨折してしまい、団体も厳しくなりました。しかし加藤は日本の複合界にはまだまだ欠かせない選手。ゆっくり治して頂いて今後の活躍に期待したいです。

 

 

十二日目

 

スノーボードパラレル大回転で竹内智香が銀メダル!決勝は世界ランク一位と二位で予選順位一位と二位の対戦。実力伯仲でしたが攻めた結果残念ながら転倒してしまいました。

 

今大会通じて初めてリードを許した途端だったので、抜かれて抜き返さなければという攻めの気持ちが残念ながら転倒に繋がったのでしょうか。

 

しかし女子スノーボード初の五輪メダルでありアルペン競技でも日本人女子として初めてのメダル。歴史を作ってくれたと思います。素晴らしかった!

 

 

女子フィギュアSPでは浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の三人ともミスが出てしまい、メダルはかなり厳しくなりました。特に浅田は3A転倒は仕方ないとして最後のジャンプでコンビネーションにできなかったのが痛すぎます。これで要素抜けとなり大きく減点。

 

女子SPを例にすると「一回以上トリプルジャンプを入れなければいけない」「一回以上コンビネーションジャンプを入れなければいけない」といったような規定があり、この規定を満たさないと大きく減点されてしまいます。

 

 

浅田は最後に3回転-2回転の連続ジャンプを跳ぶ予定が連続ジャンプに出来ず単発の3回転になってしまいました。

 

これで「一回以上コンビネーションジャンプを入れなければいけない」という要素が抜けてしまったため規定違反で大きな減点となってしまったわけです。

 

 

十三日目

 

女子スキーHPで小野塚彩那が銅メダル!大技は無かったものの持ち前の高いエアーで確実に得点を稼ぎました。

 

これでメダル獲得数は八個!アルベールビルを抜いて自国開催の長野に次ぐ歴代二位の個数!過去三大会のソルトレイク、トリノ、バンクーバーのメダルを全部足すとちょうど今大会のソチになります。素晴らしい成果ですね。

 

 

ノルディック複合団体は5位入賞。やはりジャンプ得意な加藤が怪我してしまって前半ジャンプで上位と水を空けられてしまったのが大きかったですね。この時点でメダル争いからは蚊帳の外になってしまった。

 

ジャンプで差がなければ十分メダル争いができた。ジャンプで一分差ついてしまったのはジャンプ得意な加藤が怪我してジャンプ苦手な湊祐介に代わったから。湊も頑張りましたがやはり加藤の怪我が痛すぎました。

 

 

そして女子フィギュアフリーでは浅田さんが素晴らしい演技を見せてくれました。本当に凄かった。もうメダルどうこうを超越してるようなシナリオでしたね。

 

最終結果は浅田が6位、鈴木が8位と二人入賞。メダルには届きませんでしたが二人ともフリーでよく巻き返してくれました。

 

浅田さんはバンクーバーで3A3回成功、今大会ソチでは6種8トリプル成功と女子史上初の快挙を二大会連続で達成している。女子フィギュアのレベルを引き上げたのは間違いなく彼女だしある意味メダル以上に価値のある記録と言ってもいいと思います。

 

 

十四日目

 

女子パシュートが韓国に勝ってベスト4進出!まずはメダルまであと一勝というところまで来ることができました。次で当たるだろうオランダはめちゃくちゃ強いので三位決定戦でロシアと銅メダル争いになる。

 

男子ショートトラック500では坂下里士が救済もあり準決勝に進出するも残念ながら準決勝最下位で入賞ならず。救済されたことで一番アウトレーンからのスタートになってしまったので勝負させてもらえませんでしたね。

 

せめて一人抜いて準決勝四位なら入賞だったのですが残念です。

 

 

十五日目

 

女子スノボパラレル回転では竹内が残念ながらベスト16敗退。ここで勝ってせめて入賞と思っていましたがやはり回転ではこれくらいが実力相応だったのかなと思います。

 

女子パシュートは残念ながらメダルに届かず四位。まあロシアはやはり強かった。2分59秒台なんて出されたらどうしようもない。3分2秒5は今の日本が持てる全ての力を出したタイムです。

 

 

日本はやはりオランダに勝つのは厳しいとみて準決勝で田畑真紀を温存して途中から流し気味で滑った。もちろんオランダが強すぎるというのはありますが日本も三位決定戦で勝つためにできる策はうった。

 

ロシアはポーランドとの接戦で疲れてるはずというのもあったでしょう。 それでも届かなかった銅メダル。やはり世界との差は大きかったです。

 

 

十六日目

 

最終日です。最終日は日本が入賞以上の成果を残した競技は無かったのでここではツイッターでつぶやいたご挨拶および今大会を見て感じたことをもう一度。

 

 

今大会はメダル八個と地元開催を除けば過去最高の成果を挙げることができました。これは着実な強化策が実を結んだ結果だと思います。しかし一方でまだまだ強化体制が不足している面もあると感じています。

 

たとえば銅メダルを獲得した小野塚選手は海外遠征に必要な費用をアルバイトをして稼いだり、地元の後援会に頼っていたといいます。

 

 

もし彼女が資金面から競技を諦めていれば今回の銅メダルはなかったですし、またメダルを取れるポテンシャルがあったのに競技を諦めてしまった選手もいたことでしょう。

 

メダルなどの成果を残した選手に報いることはもちろんですが、将来成果を残せそうな選手に対してもしっかりサポートしていかなければ継続的な強化には繋がらないと思います。

 

幾分改善されたものもいまだに国は「金は出さず口を出す」というスタンスから抜け切れてないのではと感じます。

 

 

またこのようなことを言っている私自身も含め我々国民も結局は先ほど申したような国のスタンスと大して変わらないと感じています。ソチ五輪を見てメダルを取って欲しい、活躍して欲しいと思っていた私達はそのために何かできることをしましたでしょうか。

 

大きなことではなく自分にできる範囲の行動を一人一人がしていくことが何よりスポーツ界に対する支援になると思います。

 

たとえばウインタースポーツの大会を見に行ってみる、宝くじではなくtotoを買う(宝くじの収益は銀行の利益になりますがtotoの収益は日本のスポーツ振興に使われます)など。

 

 

身銭を切るほどではないという方でもテレビでウインタースポーツがやってたら観てみるとか休みの日にスキーやスケートで遊ぶとか簡単にできることはたくさんあります。

 

スポーツで結果を残すためには裾野を広げることが必要ですし、そういった一人一人の少しの行動が裾野を広げることに繋がります。

 

 

子供に色々な経験をさせること

 

そして裾野を広げた上で才能を輩出していくために何より必要なのが子供の頃に色々なことを経験させてあげることです。色々なことを経験させた上で興味を持ったことをとことんやらせる。スポーツに限らず学問にも芸術にもあらゆる分野に通じることだと思います。

 

 

だから特に子供を持つ親世代やこれから持つ若い世代の方にお願いしたい。

 

もし今大会を通じて少しでもウインタースポーツ面白いなと感じた方は子供をゲレンデに連れてってあげて下さい。スケートリンクに連れてってあげて下さい。そこでたくさん遊ばせて興味を持ったらとことんやらせてあげてください。

 

 

もちろん他のことに興味を示した場合はそれを伸ばしてあげてください。そういった積み重ねがひいては才能を開花させることに繋がりますし、スポーツに限らずあらゆる分野での日本の活性化に繋がります。

 

スポーツの話から少し飛躍しましたが私は本気でそう考えています。

 

 

私はスポーツが大好きだし日本が大好きだし、ずっとスポーツのことをつぶやいているのも多くの人と語らいながら観るのが楽しいというのもありますが、一人でも多くの方にスポーツを楽しんで観て頂く助けになればいいなという思いからやっています。

 

そういう意味でこれも日本のスポーツ界のために私にできることの一つなのかなと思っていますし、私のツイートでスポーツへの理解を深めた方がいらっしゃったらそれもその方にとってできることの一つなのかなと思います。

 

 

だから今大会中私のツイートやブログを読んで頂いた方には本当に御礼を申し上げたいです。

 

本当に長くなったのでいい加減切りますけどw今大会はとても楽しかったしリプ頂けたり読んで頂いた皆様の存在も大きかったと思います。これからも一緒に日本のスポーツを応援して行きましょう!二週間余りお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました!

 

 

日本選手団成績一覧

 

最後に日本選手団の成績一覧を以下にまとめて今大会の振りかえりを終わらせて頂きます。

 

 

金  羽生 結弦(フィギュアスケート 男子シングル)
銀  葛西 紀明(スキージャンプ 男子ラージヒル個人)
銀  渡部 暁斗(ノルディック複合 ノーマルヒル個人)
銀  平野 歩夢(スノーボード 男子ハーフパイプ)
銀  竹内 智香(スノーボード 女子パラレル大回転)
銅  小野塚 彩那(スキー 女子ハーフパイプ)
銅  スキージャンプ 男子ラージヒル団体
銅  平岡 卓(スノーボード 男子ハーフパイプ)
4位 上村 愛子(スキー 女子モーグル )
4位 梨 沙羅(スキージャンプ 女子ノーマルヒル個人)
4位 スピードスケート 女子チームパシュート
5位 カーリング 女子
5位 フィギュアスケート 団体
5位 町田 樹(フィギュアスケート 男子シングル)
5位 ノルディック複合 ラージヒル団体
5位 ショートトラック 女子リレー3,000m
5位 岡田 良菜(スノーボード 女子ハーフパイプ)
5位 加藤 条治(スピードスケート 男子500m)
5位 小平 奈緒(スピードスケート 女子500m)
6位 橋 大輔(フィギュアスケート 男子シングル)
6位 浅田 真央(フィギュアスケート 女子シングル)
6位 渡部 暁斗(ノルディック複合 ラージヒル個人)
6位 長島 圭一郎(スピードスケート 男子500m)
7位 伊藤 有希(スキージャンプ 女子ノーマルヒル個人)
8位 鈴木 明子(フィギュアスケート 女子シングル)
8位 アイスホッケー 女子
8位 葛西 紀明(スキージャンプ 男子ノーマルヒル個人)
8位 角野 友基(スノーボード 男子スロープスタイル)

 

 

 

 

 

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2014年ソチ五輪五日目ツイートまとめ
さて今日のソチ五輪見所。18時半からはノルディック複合ノーマルヒルのジャンプ、21時半からがクロスカントリー。渡部暁は今季W杯総合二位。インフルエンザにかかって調子を落としていましたが、ソチに入って調子をあげておりメダル獲得に期待。まずは前半ジャンプでトップが見える位置にいたい
2014年ソチ五輪四日目ツイートまとめ
さて今日のソチ五輪注目競技の紹介です。15時からは女子スキースロープスタイル予選、18時からは決勝。日本からは高尾が出場します。新種目ですし一度も競技を見たことないんで全然わからないんですがw決勝には進んで欲しいですね。ちなみに高尾選手結構かわいいですw
2014年ソチ五輪三日目ツイートまとめ
男子500は大混戦とはいえ優勝を視野に入れている選手は加藤、長島、モテボム、ミヒャエルムルダー、ロナルドムルダー、スメーケンスの六人だと思われる。全員が力を出し切った場合、この六人のうち三人がメダルとして加藤か長島かどちらかが三位以内に食い込む可能性はわりと高いように思えるが。
2014年ソチ五輪二日目ツイートまとめ
今日のソチ五輪見所紹介です。15時半からはスノボ女子スロープスタイル準決勝、そして18時から決勝。日本人選手は出ませんが昨日の角野君の滑りを見てこの競技に興味を持った方もいるかと思います。女子の競技も是非お楽しみください。
2014年ソチ五輪初日ツイートまとめ
角野君準決勝一本目終わって三位!上位四人が決勝進出だから可能性十分。 posted at 15:19:35 アメリカのライアンとチャズグルデモンドは角野君の点数を上回ってもおかしくない実力を持っている。予断は許さない状況。 posted at 15:26:50
2014年ソチ五輪開幕前日ツイートまとめ
スノボスロープスタイルの予選結果見ましたが優勝候補が揃って決勝進出を決めているのに対し角野君は失敗。まだ準決勝から決勝に進むチャンスがあるとはいえやはり甘くはないか
2014年ソチ五輪メダル獲得数予想
さてソチ五輪がいよいよ始まります。日本勢で最もメダルの期待がかかるのは女子ジャンプの高梨沙羅。高梨は今季W杯11戦中1位が8回、2位が1回、3位が2回。確実に表彰台に登っており、現在の実力は間違いなく世界一と言えます。