世界陸上男子100m サニブラウンのメダル獲得はあり得るか

世界陸上男子100m サニブラウンのメダル獲得はあり得るか

日本短距離界にとって、男子100mでの決勝進出というのは悲願である。

 

これまで世界大会で決勝に残ったのは1932年のロサンゼルス五輪で6位に入賞した暁の超特急、吉岡隆徳氏のみである。

 

もはや歴史上の人物とも言える人しか達成したことがない記録。

 

 

これまで朝原宣治、伊東浩司、末續慎吾、塚原直貴といった希代のスプリンター達が挑み続けては跳ね返され続けてきた壁。

 

そんな壁を乗り越えることがいよいよ現実味を帯びてきた。

 

サニブラウンアブデルハキームの登場である。

 

 

そもそも彼は2年前の時点ですでに決勝進出の壁を乗り越える実力は有していた。

 

というより本来は2年前に乗り越えておくべきだった。

 

2年前の世界陸上ロンドン予選。

 

当時18歳だったサニブラウンは向かい風0.6mという条件にも関わらず、最後流して自己ベストタイの10秒05を記録して1位通過。

 

この走りは「悲願の決勝進出」というよりもむしろ「決勝に行けて当たり前」というレベルの走りであり、決勝進出の可能性は高いと思われた。

 

 

しかし準決勝で最初に躓くという痛恨のミスが出る。

 

結果は準決勝7位。破れるはずだった壁はまたしても破れなかった。

 

 

それから2年後のサニブラウン

 

あの時から2年が経った。

 

そして今のサニブラウンはあの時よりさらに進化し、9秒97という自己ベストを持つ日本記録保持者として2度目の世界陸上に挑む。

 

 

サニブラウンの9秒97という記録は出場選手中11番目のシーズンベスト。

 

しかし今季の調子を見る限り、サニブラウンは決勝に残れる可能性の方が高いと見る。

 

 

男子100mの本命はアメリカのクリスチャンコールマン。

 

ライバルのノアライルズが200mに専念するため、コールマンの優勝は固いだろうと思っている。

 

対抗は同じアメリカで前回王者のジャスティンガトリン。

 

 

それに続く3番手グループが混戦で実績のあるジャマイカのヨハンブレイクや南アフリカのシンビネ、イギリスのヒューズ、カナダのドグラス、アメリカのロジャースら。

 

そしてこの3番手グループにサニブラウンも含まれるというのが私の見立てである。

 

コールマン、ガトリン相手にはさすがに分が悪いが、それ以外の選手には勝ちうる潜在能力はある。

 

 

上記8人がそのまま決勝進出候補だと思っているが、それに続く選手も力は接近している。

 

まず名前が挙がるのが全米学生選手権にて9秒86という素晴らしいタイムサニブラウンを破って優勝したオドゥドゥル。

 

しかしそれ以降は低迷している。怖い存在ではあるが、あの時の調子にもう一度合わせてくるのは難しいと読む。

 

 

他にはコートジボアールのシセ、カナダのアーロンブラウン、フランスのビコ、中国のソヘイテンにシャシンギョウといったあたりも決勝進出を目指すライバルである。

 

また日本の桐生祥秀や小池祐貴も当然決勝を狙う選手の一人である。

 

 

たしかに他国の選手も強敵揃いである。

 

それでも今のサニブラウンは決勝進出に値する選手であると私は自信を持って宣言したい。

 

実力を出し切れば決勝には行ける。

 

 

1932年ロサンゼルス五輪以来、87年ぶりに「男子100mの決勝は夢物語ではなく現実の目標」と言える大会がやってきた。

 

予選は9/27の日本時間0時05分。そして準決勝は9/28の日本時間0時45分。

 

信じて見守って欲しい。

 

 

決勝は9/28の日本時間4時15分。

 

決勝にさえ残ればそこでは何が起こるかわからない。

 

私は「サニブラウンはコールマンとガトリン以外には勝ちうる」と思っているのだ。

 

決勝でベストの走りができればメダル獲得だって無いとは言えない。

 

準決勝と決勝は土曜の夜から日曜の朝にかけてなので、多くの人は仕事に影響せず観ることができるだろう。

 

夢が現実になる日まであと3日。是非その歴史的な瞬間を見届けて欲しい。

 

 

 

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