2007年アジアカップ 日本対サウジアラビア戦の考察
アジアカップ準決勝のサウジ戦は2−3で負け。まああれこれ敗因を言うつもりはないです。サウジが強くて日本が弱かった。サウジは勝つべくして勝った。日本は負けるべくして負けた。それだけです。
ドイツW杯の豪州戦やドイツ予選のアウェーイラン戦、日韓W杯のトルコ戦のように勝てる試合を落としたのではない。負けるべくして負けた。相手より弱かったんだからこの結果は当然。完敗です。
カタール戦の時に自分はここ十年最弱の代表ではないかと言いました。そして遠藤保仁や中村憲剛のプレーが軽すぎる、怖さがないと言いつづけてきました。
この試合サウジの攻撃を組み立ててたのは誰かわかりますか?それはアルカフタニでもハサウィでもありません。遠藤と中村憲と駒野友一です。
失点シーンはカウンターだったりセットプレーだったりと3度ありましたが、元を正せば全て彼らのパスミスから始まってました。それに加えてボールに対する反応も遅かった。
ルーズボールがちょうど自分と相手との中間にこぼれた時、勝負を分けるのはこぼれ玉に対するレスポンスの速さです。日本はこれが中盤で負けていたから玉際の攻め合いでことごとく負けつづけた。
何もこの三人だけではありません。巻誠一郎や加地亮もそうです。今の日本では今野泰幸や稲本潤一などがこのレスポンス能力が高いですが、このような選手が一人は欲しい。
中盤でじっくりパスを回して攻めるサッカーは確かにできています。ボールポゼッションは高いです。ただ何の為にパスを回すのか、という問題になると当然相手を崩すために回すはずです。それがまったく崩せていない。
決定機がそもそも少なすぎる
今の代表は決定機が少ないということも以前書いたと思いますが今日の試合で日本の決定機と言えるのは得点シーンの二度のセットプレーと羽生直剛のポストに当てたミドルシュートくらい。
パス回し関係ありません。90分間ほとんど無駄なプレーを、いや中盤でパスミスやパスカットから相手のカウンターの助けになるようなプレーをしていたに等しい。
とはいえFWに一度あてたシーンではあと一息で決定機というシーンは何度かありました。フリーの選手を見つける能力はもう視野の広さだけです。しかし視野が狭いのでフリーの選手を見つけられず相手に寄せられる、パスへの反応が遅れる。悪循環。
まあ世界レベルの視野を持ってる選手なんて過去の日本の歴史を遡っても中田英寿、中村俊輔、小野伸二の三人くらいしかいないと思ってるのでこのうち一人しかいない今ではそこまで望めませんが・・・。
というわけで結局は日本の選手がサウジの選手よりも能力的に劣っていたから負けただけです。まあチームが発足してまだ一年。二年前の夏はブラジルを追い詰めた、去年の夏はドイツを追い詰めた。
それがここに来てサウジに追いつかなければならないレベルまで低下してしまったことは非常に残念です。
しかしジーコだって最初から上手くいっていたわけではなかった。アルゼンチンにボロ負けしてDFラインを総とっかえしてから上手くまわりはじめました。オシムもそろそろ刷新を図るべきだと思いますね。
とりあえず発足以来強豪と一度も対戦してないので一度世界レベルの相手にボコボコにされた方がいいですね。それで通用しない選手は切る。これはトルシエもジーコも辿ってきた道です。
3バックの方が良いか?
あとは個人的な好みを言わせてもらえばサイドが相変わらず弱点ですね。加地、駒野の二人しか本職がいないというのはやはり・・・。日本はやはり3バックの方がいいのではないかと思います。SBは人材難ですがSHにはいい選手がたくさんいるので。例えば
高原 播度
松井 中村俊 加地
稲本 今野
中田浩 トゥーリオ 中澤
川口
で相手によって
高原 播度
松井 中村俊
稲本 今野
中田浩 加地
トゥーリオ 中澤
川口
と試合の中で流れに応じて4バックに変化させる。
とりあえず松井大輔、稲本潤一、中田浩二らの海外組、そして控えの切り札的な選手がいないので田中達也あたり。そして下の世代からも 家長昭博や梅崎司などいい選手はどんどん登用して刷新を図ってほしいですね。
なんにせよ三位決定戦の韓国戦で今後につながる戦いを見せてほしいと思います。このままじゃ2010年の南アフリカはないと思った方がいい。
一段階上のレベルへ行くために。変革が問われています。2010年W杯の予選を突破するために。そして2010年にいい成績を残すために。全てはオシムの手腕にかかっています。頑張って欲しい。
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