カタールW杯アジア最終予選 ホームサウジアラビア戦雑感

カタールW杯アジア最終予選 ホームサウジアラビア戦雑感

1月〜2月のホーム連戦シリーズ。

 

中国に2−0で快勝した日本はそのままホームで首位のサウジアラビアを迎え撃ちます。

 

首位のサウジアラビアは2位の日本に勝ち点差4をつけており、この試合で日本に勝利すればW杯出場決定で、引き分けでも残り2戦連敗しない限り大丈夫という状況。

 

ただし日本は1/27の19:00に日本で試合をしてそのまま日本に残って連戦というのに対し、サウジアラビアは1/28の2:15にサウジアラビアで試合をしてから日本に移動という日程。

 

時差を考えると実質日本の方が1日休みが多いのに加え、サウジアラビアは時差を伴う長距離移動。

 

さらに気温も高温のサウジアラビアから低温の冬の日本へということでコンディション面では大きく日本に利がありました。

 

 

スタメンは権田、長友、谷口、板倉、酒井、守田、田中、遠藤、南野、伊東、大迫という11人。

 

中国戦と全く同じスタメンです。

 

試合開始後はどちらかというとサウジアラビアがボールを持つ場面が多く、日本はなかなか前線でボールを持てない展開。

 

1トップの大迫のところでボールが収まらず、サイドに散らしても両SBからのクロス精度が悪いという攻撃を組み立てようがない状況に陥っていました。

 

ここまでは従来の課題が解決されないままの日本という試合の流れでしたが、しかしそんな戦術の悪さなど関係無しに個の力で局面を打開できてしまうのもサッカーの面白いところ。

 

最終予選3試合連続ゴール中だった伊東が相手より遅れた位置でのスタートながらスピードで相手を交わしきりクロスを上げると、大迫がスルーして南野が決めきって先制点。

 

決めた南野はしっかり仕事を果たしてくれましたが、実質的に伊東の個の力でもぎ取ったゴールと言ってもいいでしょう。

 

 

前半を1−0で折り返した後は後半立ち上がりも日本が積極的に前からプレスをかけて日本の時間帯に。

 

いい流れの時に取り切れないと逆に相手に流れがいってしまうような展開は多々あるのですが、この試合はいい時の時間帯に追加点を取ることができました。

 

取ったのはやはり伊東。見事なミドルシュート。ゴラッソでした。

 

これで伊東は最終予選4試合連続ゴールとなります。

 

 

一度リードしてしまえばもう完全に日本の展開。

 

元々攻撃の形はなかなか作れないものの守備は安定しているというチーム状態が今の日本。

 

このようなチームはリードされると点を取るためのパターンが少ないので脆いですが、リードしてしまえば後は守り切ればいいので強いです。

 

サウジアラビアもやはり厳しいコンディションということもあってか良い攻撃は作れず、ほとんどチャンスらしいチャンスを作らせないままシャットアウト。

 

日本は4バックと3ボランチの7人でガッチリとブロックを作り、前線はスピードのある伊東、前田、浅野に託すという戦い方にシフトチェンジし、危なげなく逃げ切りました。

 

これでサウジアラビアとの勝ち点を1差に詰め、サウジアラビアも含めた三つ巴の争いに巻き込むことができました。

 

 

そしてその後のオマーン対オーストラリアは常にオマーンが先行される展開ながら、2度追い付いて2−2のドロー。

 

日本にとって非常に大きい結果となりました。

 

日本、オーストラリア、サウジアラビアの勝ち点を示すと以下の通り

 

 

サウジアラビア 19
日本 18
オーストラリア 15

 

 

オーストラリアと勝ち点差3がついたことで、日本は次勝てば文句無しの突破、引き分けでも最終戦ホームでベトナムに引き分け以上で突破という状況です。

 

そして仮に日本がオーストラリアに負けたとしても、最終節で日本がベトナムに勝つという前提を置くならば、オーストラリアはアウェーでサウジアラビアに勝たなければいけません。

 

これをオーストラリア視点で見れば、事実上、日本とサウジアラビアに連勝しなければ2位以内に入れないという厳しい状況になります。

 

 

加えて、日本にとってはもう一つ重要な変数として次節の中国対サウジアラビアの試合結果も大きく関わってきます。

 

もし中国が引き分け以上に持ち込むことができた場合、仮に日本がオーストラリアに負けたとしても最終節でベトナムに勝てば突破という状況になります。

 

つまり日本が最終節でベトナムに勝つというのを大前提に置けば、日本は次節オーストラリア戦で引き分け以上で突破。

 

仮に負けたとしてもベトナムがサウジアラビア相手に引き分け以上に持ち込めば突破ということになります。

 

 

以上のことからわかるように日本は大変有利な立場になったわけですが、最後に日本が3位に沈むというシナリオについても解説しておきます。

 

日本がオーストラリアに負け、サウジアラビアが中国に勝ち、日本がベトナムに勝ち、オーストラリアがサウジアラビアに勝ちというケースが揃った場合、日本とオーストラリアの勝ち点が並び、得失点差の勝負になります。

 

この場合、日本は得失点差で大きく負けているので、最終戦は最低でもベトナムに7−0以上で勝たなければならないという厳しい状況になります。

 

まあそうならないように次のオーストラリア戦できっちり引き分け以上の結果を残して欲しいですね。

 

日本が3位というシナリオも可能性の上では考えられるので説明致しましたが、次は吉田、冨安、三苫も戻ってくるでしょうし、順当に持てる力を出せればオーストラリア相手に引き分け以上というのは決して難しいミッションではないと思っています。

 

 

 

 

 

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