カタールW杯アジア最終予選 アウェーオマーン戦雑感

カタールW杯アジア最終予選 アウェーオマーン戦雑感

前節ベトナム戦の勝利で3勝2敗の勝ち点9で3位まで浮上した日本。

 

初戦でまさかの黒星を決したオマーンとのアウェー決戦に臨みます。

 

スタメンは権田、長友、冨安、吉田、山根、田中、遠藤、柴崎、南野、伊東、大迫という11人。

 

出場停止の守田に代わって柴崎が入っただけで、あとは同じというフォーメーションです。

 

この予選あまり良いプレーができていない柴崎、長友、大迫らがそのままということで不安ばかりが募る布陣でした。

 

 

実際、前半ではチャンスらしいチャンスは長友のクロスから伊東がダイレクトで合わせたプレーくらい。

 

絶対に勝たなければいけない試合なのに点を取れる予感も取られる予感もしないまま淡々と前半が終わります。

 

しかしさすがに森保監督もこのままではまずいと感じたのか、後半頭から三苫を投入。

 

おそらく日本のサッカーファンの多くが待ち望んでいた三苫の投入。これで流れが変わります。

 

後半のファーストプレーでいきなり仕掛けてチャンスを生み出すと、さらに立て続けに三苫の突破からチャンスを演出します。

 

前半は45分で1チャンス作れなかった日本が、三苫1人で5分で2チャンスを作ってしまいました。

 

 

その後も中山、古橋を投入しさらに攻勢をかけます。

 

ですが大迫のところでボールが収まらず伊東も前節フル出場の疲れからこの日は良いプレーがあまりできず、攻撃陣がかみ合いません。

 

このまま引き分けという空気が濃厚になってきましたが、そんな中で中山のボール奪取から三苫が切れ込み伊東が飛び込み先制点を奪います。

 

時間はすでに80分を回っており、本当に大きな、本当に貴重な先制点となりました。

 

この日あまり冴えないプレーながら最後の最後に仕事をしてくれた伊東はこのゴールを最後にお役御免の交代。

 

 

そして今の日本は攻撃の戦術こそ乏しいものの、徹底的に守ればかなりの守備力を誇ります。

 

残り10分で逃げ切ることに徹した日本をオマーンの攻撃陣のレベルでは崩すのは容易ではなく、ほとんど危ないチャンスすら作らせないでゲームを終わらせました。

 

これで絶対に勝ち点6が欲しい状況だったアウェーのベトナム、オマーンとの連戦できっちり勝ち点6を取ることができました。

 

またこの日は中国がオーストラリア相手に引き分けたことも大きく、これで日本がオーストラリアを逆転して2位に浮上しました。

 

 

予選は残り4戦。

 

状況をわかりやすくお伝えすると、ホームでの中国戦、ベトナム戦は勝つことが前提。ここでの勝ち点6はマストです。

 

その上でホームのサウジアラビア戦、アウェーのオーストラリア戦を1勝1分以上で乗り切ればW杯出場が決定します。

 

まだまだオーストラリアとの勝ち点差は1と予断を許せない状況ではありますが、少しだけ見通しが開けてきました。

 

前回の予選突破を決めたターニングポイントはイラク戦のロスタイムの山口蛍のミドルシュートでしたが、今回予選突破できたとしたら今日の試合がターニングポイントと言われることでしょう。

 

 

次節は年明けの1月にホームで中国、サウジアラビアと連戦です。

 

まず第7節の中国に勝つのは絶対です。同節はオーストラリアがホームでベトナム、サウジアラビアがホームでオマーンなので、おそらくここでは差がつかないでしょう。

 

日本、オーストラリア、サウジアラビアがいずれも勝ち、勝ち点差に変化が無い状況で第8節にもつれ込むことでしょう。

 

そして第8節はサウジアラビア戦。この試合勝てるか引き分けるかで大きな意味を持ってきます。

 

もしここで勝てればサウジアラビアとの勝ち点差も1に詰まるので、サウジも2位争いに巻き込むことができます。

 

最終節にサウジアラビア対オーストラリアの試合が組まれており、もしサウジを2位争いに巻き込むことができれば、この試合は消化試合にならず、日本はベトナムに勝てば突破というシュチュエーションになるでしょう。

 

また第8節でサウジアラビアに勝っておけば、アウェーのオーストラリア戦は引き分けでもOKという状況で迎えることができます。

 

オーストラリアにアウェーで引き分けた上でベトナムにホームで勝てば突破というシチュエーションなら日本の地力を考えると現実的に問題のないラインでしょう。

 

 

逆に第8節のサウジアラビア戦で負けや引き分けに終わった場合、サウジの2位以内はほぼ確定。

 

最終戦はサウジアラビアにとって消化試合となり、オーストラリアにとっては有利な展開になるでしょう。

 

こういう状況が予想される以上、サウジ戦で勝てなかった場合は、オーストラリアにアウェーで勝つというのがマストなミッションになってきます。

 

いずれにせよおそらくサウジアラビアかオーストラリアのどちらかには最低でも勝たないと道は開かれませんので、先にホームでサウジアラビアに勝っておくべきでしょう。

 

まだまだ1月の連戦も勝ち点6が求められるシリーズだと言えます。

 

 

なお同組のベトナム対サウジアラビアは0−1でサウジアラビアが勝利。

 

勝ち点だけを示すと以下の通りとなります。

 

 

サウジアラビア 16
日本 12
オーストラリア 11
オマーン 7
中国 5
ベトナム 0

 

 

またA組はレバノン0−1UAE、イラク0−3韓国、シリア0−3イランという結果になりました。順位は以下の通りとなっています。

 

 

イラン 16
韓国 14
UAE 6
レバノン 5
イラク 4
シリア 2

 

 

イランと韓国は次節で出場を決める可能性もあるという状況になっています。

 

 

 

 

 

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