カタールW杯アジア最終予選 アウェー中国戦雑感
カタールW杯アジア最終予選第2節、アウェーの中国戦は1−0で日本の勝利。
なんとか最低限の勝ち点3という結果を残すことができましたが、相変わらず課題を多く残す試合内容となりました。
先発は権田、室屋、吉田、冨安、長友、遠藤、柴崎、伊東、久保、古橋、大迫という11人。
オーバーワークで離脱した酒井に代わり室屋が入り、オマーン戦であまり良い動きができていなかった原口、鎌田が外れて古橋、久保が入りました。
前半は中国が11人でドン引きし、全く攻める気がないような試合運び。
このような展開でスペースを消されてしまうとスピードタイプの古橋、伊東の良さが全く活かせません。
堂安を先発させて、堂安と久保の五輪でも機能していたコンビのアイデアで相手を崩す方が楽な戦いができていたでしょう。
そんな中で前半終了間際の得点は前半唯一といっていいスペースがある状態で伊東が1対1を仕掛けた局面から生まれました。
実力差は歴然の相手からこのような形で1点を取ることしかできなかったというのは、私には日本の戦略が失敗していたと見えます。
引いた相手を連携で崩せるスタメンであれば複数得点を取って前半で勝負を決めることもできたでしょう。
そして日本が1点リードした状況で迎えた後半。
当然中国は点を取るために戦い方を変えてきます。
それに対して日本は有効な対抗策が取れなかった。
相手が前に来るならば日本は裏を取るための有効な戦術を準備しておくべきでした。
選手個々の実力差があったので特に危ない場面は作らせることなく1−0で試合を終えることができましたが、事故のような失点も考えられるのできっちり追加点を取って試合を終わらせるのがベストだったでしょう。
来月はアウェーでサウジアラビアと戦ってからホームでオーストラリアと戦う勝負の2連戦。
まずはサウジアラビア戦が本当に大事になってきます。
昨日サウジアラビアはアウェーでオマーン相手に勝利、オーストラリアもアウェーでベトナム相手に勝利して共に2連勝しています。
もし日本がサウジアラビアに負けるようなことになれば、
オーストラリア 勝ち点9
サウジアラビア 勝ち点9
日本 勝ち点3
となって上位2国と勝ち点差6がつく状況になり得ます。
こうなると本当に2位以内が厳しくなり、オマーンとの3位プレーオフ争いという状況に巻き込まれるでしょう。
勝ちに行くためにまずはベストメンバーをしっかり組むことが大切。
今回の2節で左WGの古橋、原口とボランチの柴崎があまり機能していなかったので、今回出場できなかった南野、守田が先発できれば大分変わると思います。
伊東が出場停止ですが堂安がいるので、堂安、久保、南野を並べれば前線の攻撃は問題ないでしょう。
難しい問題は大迫と長友。
選手としてのピークはやはり過ぎており、前線でなかなか収まらない大迫とクロスの精度が悪く運動量も無い長友とかつての二人の強みが全く無くなっている状況。
大迫の代わりにオナイウ、長友の代わりに中山雄太という選択肢はあるにはありますが、サウジアラビアとオーストラリアの連戦でいきなりぶっつけ本番をする覚悟は森保監督には無いでしょう。
今のチーム状態が「若手主体でまだ荒削り」という危うさであれば時と共に成長し改善されることが期待できます。
しかし「下り坂に差し掛かったベテランを代えるタイミングがない」というのは時が経つにつれてさらにチーム状態が悪くなっていくのが難しいところです。
今回のアジア予選はそのような状況の中で通過しなければいけないという難しいミッションになってしまいました。
それでも選手個々の実力では日本は紛れもなくアジアナンバーワンです。
それらの個がきちんとチームとしてまとまればサウジアラビアにもオーストラリアにも勝てますので、とにかくベストの準備をしてベストのチームを作り上げることを心がけて欲しいと思います。
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