カタールW杯アジア最終予選展望
いよいよ2022年カタールW杯の出場権を賭けたアジア最終予選が始まります。
日本はオーストラリア、サウジアラビア、中国、オマーン、ベトナムと同組。
総合的な戦力で見るとやはり日本のライバルはオーストラリアとサウジアラビアになるでしょう。
オーストラリアの監督はグラハム・アーノルド。日本と同様に東京五輪代表とA代表を兼任しています。
このアーノルド監督の下でフランクフルト所属のフルスティッチや東京五輪世代のサウターなど新戦力が育ってきています。
クウェート、ヨルダンという中東の強敵と同居した2次予選もものともせずに8戦全勝で通過。
この2国の勝ち点を削りとったことで、2位になったクウェートは各組2位同士の比較となる最終予選進出を逃しました。
サウジアラビアは日本とアジアカップで対戦し、その時は相手にボール保持率70%以上を許す大苦戦。
なんとかコーナーキックからの1点を守り切れて勝利しましたが、非常に厄介な相手です。
2次予選でもウズベキスタンと同居する厳しい組に入りながら6勝2分と無敗で通過。
イエメン、パレスチナとのアウェー戦で引き分けているのが気になるところで、日本にとってのホーム戦は確実に叩きたいところです。
そしてダークホースとなりそうなのが中国。一言で言えば帰化選手軍団というチームに変貌してきています。
ブラジル出身のエウケソン、アラン、フェルナンジーニョにイングランドユース代表を経験しているイェナリス、ブラウニングという二人がいます。
エスパニョールでプレーするウー・レイらと融合してくればかなり怖いチームになります。
日本、オーストラリア、サウジアラビアの3強をかき回す存在となるチームでしょう。
オマーンは伝統的な堅守速攻チーム。
クロアチア人のイバンコビッチ監督を招いてチーム強化をしてきましたが、2次予選でも目立った戦いを見せることができず、カタールに連敗して2位。
日本にとってはホームとアウェーで勝ち点6をきっちり取らなければならない相手です。
ベトナムはベトナムサッカーの父と呼ばれる韓国人のパク・ハンソ監督の元でチーム力を強化してきており、アジアカップでも日本は大苦戦を強いられました。
2次予選ではUAEに続き2位通過。日本の西野朗監督率いるタイを抑えて最終予選に進んできており油断はできませんが、戦力差を考えるとベトナム相手に勝ち点を落とすことは許されないでしょう。
続いて日本が所属するB組の日程を見ていきます。
第1節
9/2(木)19:10 日本 vs オマーン
9/3(金)3:00 オーストラリア vs 中国
9/3(金)3:00 サウジアラビア vs ベトナム
第2節
9/7(火)21:00 ベトナム vs オーストラリア
9/8(水)0:00 中国 vs 日本
9/8(水)1:00 オマーン vs サウジアラビア
9月の2連戦は日本はホームのオマーンとアウェーの中国という連戦。
中国は新型コロナウイルスの影響でホーム開催を断り、中立地のドーハで行われることになります。
先ほど述べたように中国は帰化選手が大量に入ってきて読めないチームなので、その前にホームのオマーン戦できっちり勝ち点3を取るのは絶対必要でしょう。
そして中立地で開催される中国相手のアウェー戦も勝っておきたい。
中国は11月までずっと中東での試合となるため、すでにカタール入りしていて、11月までずっと長期合宿を張るそうです。
なので中国は移動がほとんどなく準備面でも中国の方が有利ですが、中国の帰化選手がフィットしてくる前にここで叩いておきたいところです。この2節では勝ち点6が目標。
オーストラリアはホームで中国、アウェーでベトナムという連戦ですが、オーストラリアのホーム戦も中東開催になります。
ですが中東で中国と戦い、アウェーでベトナムという日程はベトナムもサウジアラビアで試合をした後にベトナムに帰ってくるため、移動面での有利不利はなし。
そうなると戦力的にオーストラリアが勝ち点6を確保してくるのが濃厚です。
サウジアラビアはホームでベトナム、アウェーでオマーンと移動面でアドバンテージがあります。
2次予選の結果を見る限りサウジアラビアにとってアウェー戦は不安要素がありますが、オマーンは日本と試合をしてからまた自国に戻ってこなければいけないので移動面から考えてもサウジアラビアが有利。
オマーンがサウジアラビアの勝ち点を削ってくれればありがたいですが、順当ならサウジアラビアもこの連戦で勝ち点6を確保してくると考えるべきでしょう。
第3節
10/7(木)未定 サウジアラビア vs 日本
10/7(木)未定 中国 vs ベトナム
10/7(木)未定 オーストラリア vs オマーン
第4節
10/12(火)未定 オマーン vs ベトナム
10/12(火)未定 サウジアラビア vs 中国
10/12(火)未定 日本 vs オーストラリア
日本はサウジアラビアとアウェーで戦ってからのホームでオーストラリア。勝負の連戦になります。
ホームのオーストラリア戦も日本はサウジアラビアから帰ってこなければならず、オーストラリアは自国で試合をしてから日本に来るので時差が無い分、移動面ではオーストラリアが有利。
サウジアラビアもホームでの連戦になるので、移動面を考えると日本はオーストラリア、サウジアラビアよりも不利です。
この2節は最低でも勝ち点2以上で乗り切りたい。できれば1勝1分の勝ち点4以上で乗り切れれば、大きく予選通過に近付きます。
第5節
11/11(木)未定 中国 vs オマーン
11/11(木)未定 ベトナム vs 日本
11/11(木)未定 オーストラリア vs サウジアラビア
第6節
11/16(火)未定 オマーン vs 日本
11/16(火)未定 中国 vs オーストラリア
11/16(火)未定 ベトナム vs サウジアラビア
日本はベトナムとオマーンのアウェー戦。アウェーの連戦となりますが、ベトナムやオマーン相手に勝ち点を落としてしまうと2位以内が危なくなってきます。
先ほど勝負の連戦と申し上げた第3節、第4節で勝ち点4以上を取れていればここも勝ち点4以上でもOK。
逆に第3節、第4節で勝ち点2や3に留まった場合はここでの連勝が必要になってきそうです。
オーストラリアはホームでサウジアラビアで戦った後、中国とのアウェー戦になります。
中国とのアウェー戦はもしこの節も中東開催になればオーストラリアにとって移動が厳しくなり、オーストラリアにとっての勝負の連戦はここでしょう。
中国はおそらく中東での連戦になるので移動はなくコンディションは有利。できれば中国にはここでオーストラリアに勝ってもらいたいところです。
サウジアラビアはアウェーでオーストラリアとベトナムの連戦。ベトナムにはここでサウジアラビアの勝ち点を削って欲しいです。
第7節
1/27(木)未定 サウジアラビア vs オマーン
1/27(木)未定 オーストラリア vs ベトナム
1/27(木)未定 日本 vs 中国
第8節
2/1(火)未定 日本 vs サウジアラビア
2/1(火)未定 ベトナム vs 中国
2/1(火)未定 オマーン vs オーストラリア
日本はホームで中国とサウジアラビアと連戦。ホームでの連戦となるので、ここは勝ち点6を取りたいところ。
もしここで勝ち点6を取れればこれまでの展開次第では2位以内が確定する可能性もあります。
オーストラリアはホームでベトナムと戦った後、アウェーでオマーン。
オーストラリアにとって移動が厳しい日程ですが、オマーンはサウジアラビアのアウェー戦の後にホームなので移動は短いです。
日程面でオマーンの方が有利なので、ここはオマーンにオーストラリアの勝ち点を削ってくれることに期待したい。
サウジアラビアもホームでオマーンと戦った後に日本に移動する必要があります。
日本はホームの連戦で移動が必要なく万全の体制で迎え撃てるため、ここはきっちりサウジを叩いて勝ち点3を取りましょう。
第9節
3/24(木)未定 ベトナム vs オマーン
3/24(木)未定 中国 vs サウジアラビア
3/24(木)未定 オーストラリア vs 日本
第10節
3/29(火)未定 オマーン vs 中国
3/29(火)未定 日本 vs ベトナム
3/29(火)未定 サウジアラビア vs オーストラリア
日本はアウェーでオーストラリア戦の後にホームでベトナム戦。
前節までに突破を決めていない場合、ここでオーストラリアのアウェー戦があるというのは厳しいですね。
移動はオーストラリアから日本ということで時差はないので最悪オーストラリアに負けても最終戦でベトナムに勝てれば大丈夫という状況を作っておきたい。
サウジアラビアとオーストラリアは最終節でぶつかるので、どちらかの勝ち点は削れます。
なので日本は9節終了時点で2位以内にいれば確実でしょうし、3位だったとしても1位、2位と勝ち点差1の僅差というような状況であれば大丈夫です。
最後の2節はきちんと勝ち点計算しながら戦いたいですね。
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