体操競技 東京五輪振り返りとパリ五輪への展望

体操競技 東京五輪振り返りとパリ五輪への展望

体操競技の東京五輪におけるメダル数は以下の通りとなりました。

 

 

金メダル
・橋本大輝(体操男子個人総合)
・橋本大輝(体操男子種目別鉄棒)

 

銀メダル
・男子団体

 

銅メダル
・萱和磨(体操男子種目別あん馬)
・村上茉愛(体操女子種目別ゆか)

 

 

個人総合で世界大会8年連続優勝という内村航平の時代が終わって以来初めてのオリンピック。

 

しかし橋本大輝という新王者が誕生し、エースの系譜をきっちり受け継いでくれました。

 

大会当時は19歳の橋本と個人総合で6位に入った18歳の北園丈琉。

 

北園も怪我で本来の難度ができない中での6位と大きな可能性を感じさせる演技だったので、これからも橋本と北園の二人はダブルエースとして日本を引っ張ってくれることでしょう。

 

そして25歳の谷川航、24歳の萱和磨も当然3年後のパリ五輪を目指します。

 

今大会を経験した若き4人が今回0.1点差でロシアに負けた悔しさを晴らすべく、パリ五輪でリベンジを狙う。

 

それがパリに向けた日本体操界の大まかなメインストリームになるはずです。

 

 

今回は団体戦は4人でしたが、パリ五輪では団体戦が5人に戻ります。

 

今大会は種目別枠が2人ありましたが、おそらく団体戦の人数が戻るに伴って、種目別枠は1人に減ることが予想されます。

 

団体戦枠が増えたことにより、団体戦メンバーの中に特定の種目だけを得意とするスペシャリストを入れるという余地も出てきます。

 

順当ならば今大会の4人に加えて、今大会怪我で代表に残ることができなかった谷川航の弟、谷川翔が入った5人というのが最もバランスの良いメンバーでしょう。

 

谷川翔は2018年に全日本で10連覇中だった内村航平を破り最年少優勝を果たすと、2019年の全日本でも連覇。

 

年齢もまだ22歳と若く、どの種目も満遍なく得意なオールラウンダーですが、その中でもあん馬は特に得意で、種目別でもメダルを狙える水準にあります。

 

 

他にも特定の種目のポイントゲッターとしては床で世界トップレベルの力を持つ南一輝やつり輪と平行棒で得点を取れる神本雄也、あん馬と鉄棒で点を取れる杉野正尭なども候補に入ってくるかもしれません。

 

南は種目別枠として入ってくる可能性もあると思いますが、種目別を考えると、

 

床:南

 

あん馬:谷川翔、萱

 

跳馬:橋本、谷川航

 

平行棒:橋本、北園

 

鉄棒:橋本、北園

 

 

このようなメンバーが中心となってメダルを狙いに行くのでは無いかと思います。

 

 

女子の体操については村上茉愛が現在25歳と3年後を狙うのはギリギリの年齢。

 

現状で村上に続くようなエース格の選手は出てきていないので、下の世代の成長に期待したいところです。

 

平行棒で6位に入った芦川うららはまだ18歳と若いので、彼女のような選手が3年間でさらに成長して欲しいですね。

 

 

体操は今年の10月に北九州で自国開催となる世界体操が開かれます。

 

メンバーは以下の通りとなっています。

 

男子:橋本大輝、萱和磨、内村航平、米倉英信、南一輝、安里圭亮

 

女子:村上茉愛、芦川うらら、畠田瞳、平岩優奈

 

 

各選手の出場種目は以下の通りになるでしょう

 

 

男子

 

個人総合:橋本、萱

 

床:南

 

あん馬:橋本、萱

 

跳馬:米倉、安里

 

平行棒:橋本、萱

 

鉄棒:橋本、内村

 

 

女子

 

個人総合:村上、畠田、平岩

 

床:村上

 

平均台:芦川

 

 

地元開催の世界体操でパリ五輪へのスタートを切る日本体操チーム。

 

是非世界体操も応援して頂き、パリ五輪までの3年間、若い世代の成長を楽しんで頂けたらと思います。

 

 

 

 

 

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