MGC直前考察

MGC直前考察

今週末にいよいよ東京五輪マラソン代表を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が行われる。

 

早速レースについて書いていきたいところだが、その前にまずこのMGCの意義について書いておきたい。

 

 

MGCは一発屋では勝てない一発勝負で代表を選ぶという試みで実施が決まったものだが、過去の五輪代表選考レースとは比較にならないほどの盛り上がりを見せている。

 

そしてMGCの権利を獲得するための各レースが「MGC出場権対象レース」となり、かつての五輪代表選考レースと同等の盛り上がりを見せていた。

 

 

五輪本番の結果に結びつくかどうかはまだわからないが、少なくとも「日本マラソン界をかつて以上に盛り上げた」という点では大成功の試みと言っていいだろう。

 

是非ともこの仕組みは東京五輪以降の代表選考にも引き続き行って頂きたい。

 

 

男子有力選手紹介

 

さてここからは私なりに有力選手などを紹介していく。

 

まず男子だが大迫傑、設楽悠太、井上大仁、服部勇馬の4人が4強というのは衆目の一致するところであって、私も同様に思っている。

 

しかしその中でも本命は大迫傑と言っていいだろう。

 

私が早稲田大学出身ということもあり、ややひいき目で見ているところはあるし、だからこそレース前に余計なハードルを上げたくないという気持ちはあるのだが、見ていてモノが違うと感じるのだから仕方ない。

 

 

日本記録を出したスピードもさることながら勝負強さも持っている。

 

速さでは大迫と設楽。強さでは井上と服部と語られることも多いが、私から言わせれば速さは設楽、強さは井上と服部、速さと強さを両方兼ね備えているのが大迫だ。

 

MGC出場選手の多くは大学時代から見ているが、今回の出場選手の中で一目で才能が違うと感じた選手は大迫傑と村澤明伸だけだ。

 

村澤は大学時代の怪我に泣かされてしまった面もあったが、大迫は大きな怪我もなく順調に成長し、今や世界のトップランナーと肩を並べるレベルまできた。

 

棄権した東京マラソンの例もあり何が起こるかわからないが、全選手がベストコンディションで実力を出し切れたという想定なら勝つのは大迫だろう。後は調整次第である。

 

 

大迫に続く対抗は設楽、井上、服部。この三人は横一線と見ている。

 

勝負強さなら井上だが、スピードは設楽、そしてポテンシャルは服部が上回っており三人とも推したいポイントがある。

 

ただ大迫を含めた4強がそのまま3位までに入るとは限らないだろう。

 

こういう一発勝負では意外な伏兵が現れるのが常。1人、ないし2人は4強以外の選手が3位以内に入ると思っている。

 

 

その筆頭として私が注目しているのが中村匠吾。ベルリンマラソンで2時間08分16秒という好記録を出しており、大学時代は駒澤大学の1区スペシャリストとして活躍していた。

 

スピードと勝負所の見極めには定評があり、4強に割って入る筆頭は中村匠吾だと予想する。

 

 

女子有力選手紹介

 

女子は12名の出場と男子に比べて人数が少ないので波乱は起きにくい。

 

私が考える本命は松田瑞生と鈴木亜由子の二人。

 

松田は大阪国際で2時間22分44秒の好タイムを出しており、現状女子で最も強いと目されている。

 

そして鈴木は夏マラソンにしか出場していないため持ちタイムこそ目立たないが駅伝やトラックでは何度も目を見張るような走りをしてきた。

 

男子の紹介で大迫の才能を評価したが、女子の出場選手の中で最も才能を感じるのが鈴木亜由子である。

 

何より大迫も鈴木も五輪本番で一発やってくれそうな期待感を感じる。

 

 

その二人に続くのは前田穂南、安藤友香、前田彩里の三人か。

 

安定感では前田穂南。松田、鈴木に次ぐ三番手は順当なら前田穂南が入るだろう。

 

安藤と前田彩里は持ちタイムが優れており、一発ハマった時の強さは侮れない。ダークホース的存在だ。

 

 

そして関根花観と福士加代子も注目選手だろう。

 

関根花観は若く、まだ才能が開花しきっていないように感じる。鈴木亜由子と共にスーパーヒロインになる可能性を感じている。

 

お馴染み福士加代子も世界陸上でメダルを獲得するなど勝負強さは折り紙付き。

 

安藤友香、前田彩里、関根花観、福士加代子の四人は大崩れして勝負に絡まないこともありうるし、会心の走りを見せることもありうる。

 

安定感には欠けるが最高到達点の高さという意味では注目しておきたい4人だ。

 

 

MGCファイナルチャレンジ

 

MGCで3位以内に入れなくてもMGCファイナルチャレンジで基準タイムをクリアすれば代表権が掴める。

 

男子の派遣設定記録は2時間05分49秒。つまり日本記録更新が基準である。

 

対象大会は福岡国際マラソン、東京マラソン、びわ湖毎日マラソンの3大会だが、この中で日本記録を更新できる可能性がある大会は東京マラソンだけだろう。

 

それ以外の2大会は過去の大会記録などを見ても難しいのではないか。

 

さらに東京マラソンで日本記録を更新することができるポテンシャルがある選手は大迫傑と設楽悠太の2人くらいだろう。

 

 

よって実質的に今回のMGCで失敗してもファイナルチャレンジにチャンスを残すのは大迫と設楽の2人だけだと見ている。

 

そういう意味ではこの二人だけ2回分のチャンスがあるようなもので、アドバンテージは大きい。

 

逆に大迫、設楽以外の二人は実質的にラストチャンス。是が否でも2位以内に入っておきたいところだろう。

 

 

女子の派遣設定記録は2時間22分22秒。

 

対象大会はさいたま国際マラソン、大阪国際女子マラソン、名古屋ウィメンズマラソン。

 

大会記録を考えると大阪国際と名古屋ウィメンズのどちらかで狙うのが可能性が高いだろう。

 

この2大会なら有力選手で挙げた7人は派遣設定記録に届きうるポテンシャルを持っている。

 

女子は男子に比べて実力差は少ないので、MGCもファイナルチャレンジも横一線という印象で目が離せない。

 

 

 

 

 

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