2019年世界柔道振り返り５
世界柔道東京が閉幕した。
今大会の振り返りや今後の東京五輪代表争いの展望などをまとめていきたい。
今回は男子90kg級、女子70kg級を振り返っていく。
向翔一郎が殊勲の銀メダル
男子90kg級は初出場の向翔一郎が見事に銀メダルを獲得。
実力伯仲のこの階級は荒れ気味の展開で、ノーシードの向はベスト１６でグビニアシビリと当たる厳しい組み合わせだったのだが、そのグビニアシビリが向と当たる前にまさかの敗戦。
さらに逆ブロックもシェラザディシヴィリやカクドンファンという優勝候補が早々と敗れ去った。
そんな中、向にとっては最大の山場となったベスト８のシルバモラレス戦を延長の末に破ると、準決勝のナイマンも破り決勝へ。
決勝のファンテンド戦は向がペースを握り、先にファンテンドに指導１が与えられる展開であったが、残り１５秒というところで技有りを取られて敗戦。
初出場で見事決勝まで勝ち上がったが最後は残念だった。
もし勢いそのままに金メダルを獲得できていたら来年に向けて大変な自信になったと思うが、やはり勝負の世界は甘くない。
決勝後に悔しさから号泣していた向。その悔しさを東京五輪で晴らしてくれると信じたい。
世界女王の新井千鶴がまさかの敗退
女子70kg級の新井は去年まで二連覇しており、今大会で三連覇を狙ったが、３回戦で伏兵のティモにまさかの敗戦。
高藤や阿部一二三もそうだが、三連覇の難しさを痛感することとなった。
不運もあったが格下相手に序盤に技有りを取られてしまったのは隙があったと言わざるを得ない。
このティモは勢いそのままに決勝まで勝ち進むも、優勝したのはフランスのイヴガイ。
しかし新井は団体決勝で優勝したイヴガイ相手に勝利しており、やはりこの階級の第一人者であることを証明してみせた。
今回は不覚を取ってしまったが、この階級の一番の実力者は新井であり、この階級で東京五輪の金メダルに最も近い選手も新井だという私の評価は今も変わらない。
来年は同じ轍を踏むことはないだろうと信じている。
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