2019年世界柔道振り返り7

2019年世界柔道振り返り7

世界柔道東京が閉幕した。

 

今大会の振り返りや今後の東京五輪代表争いの展望などをまとめていきたい。

 

今回は男子100kg超級、女子78kg超級を振り返っていく。

 

 

不完全燃焼だった原沢久喜

 

男子100kg超級はリオ五輪銀メダリストの原沢久喜は銀メダルを獲得。

 

銀メダルという結果自体は及第点だが、リネールがいない大会だったこと、そして決勝であまり良いところを見せられず敗れてしまったところを見ると不完全燃焼というのが正直な印象。

 

 

ただ原沢は3回戦でツヴシンバヤル、4回戦でラファエルシルバ、そして準決勝でツツシビリと当たる厳しい組み合わせで消耗を強いられた。

 

準決勝で世界王者のツシシビリを破ったのは見事だったが、激戦を勝ち上がった末の決勝は原沢、ツシシビリと並ぶ優勝候補と目されていたリオ五輪100kg級金メダリストのクレパルク。

 

延長までもつれ込み、最後は消極的指導で敗れたが、クレパルク相手に延長戦を勝ち切る体力が残っていなかったのかもしれない。

 

 

しかし東京五輪本番では絶対王者のリネールが出場してくるはずだ。

 

そしてリネールに勝つにはツシシビリやクレパルクを凌駕する力が必要だろう。

 

リネールに勝つためには今日のような厳しい当たりでも最後まで戦い抜く実力が必要だった。

 

そういう意味では東京五輪の最重量級金メダルというのはまだまだ壁が高い。

 

団体戦で活躍した影浦心などもいるが、この階級の第一人者はやはり原沢であり、東京五輪代表争いも原沢がリードしている。

 

今回の銀メダルに満足せず、本気でリネールを倒して金メダルを取るという目標を掲げて、残り1年頑張って貰いたいと思う。

 

 

新女王の座に輝いた素根輝

 

この階級は昨年の世界女王である朝比奈沙羅と新進気鋭の19歳、素根輝のライバル関係が続いていた階級だが、今回で素根輝が念願の金メダルを獲得。

 

これまでずっと朝比奈がリードしてきたが、ここにきて素根が朝比奈に対して5連勝中と急激に追い上げ、そして今回の優勝で一気に逆転した感がある。

 

 

素根と朝比奈は準決勝で当たる組み合わせあったが、朝比奈はまさかの3回戦敗退。

 

そんな朝比奈を破ったサイート相手に準決勝で素根は危なげなく勝利。

 

決勝の相手はこの階級で最大のライバルとなるリオ五輪金メダリストのオルティス。

 

ベテランで試合巧者のオルティスだが、素根も若さを感じさせない老獪な柔道で渡り合い、最後はオルティスに指導3が与えられて反則勝ち。

 

 

この階級で最強の一人と目されているベテランのオルティス相手に指導勝ちができるというのは本当に大きい。

 

普通実力が互角の若手とベテランが戦う場合、若手の勢い対試合巧者のベテランという構図になることがほとんどだろう。

 

しかし素根は試合巧者ぶりでもベテランのオルティスを凌駕した。

 

元々朝比奈相手に連勝を続けていたのも素根の試合巧者ぶりの片鱗であったが、今回それがオルティスに通用することを証明した。そしてオルティスに通用するということは誰に対しても通用するということを意味する。

 

 

この階級は朝比奈、素根、オルティスの3強と言われていたが、今大会を皮切りに素根の1強になっていってもおかしくない。

 

朝比奈も3位決定戦に勝ち銅メダルを獲得したため、五輪代表争いの線上には留まった。

 

しかし今大会の結果を経てはっきり素根有利に触れだした。

 

11月のGS大阪で素根が優勝すれば代表は十中八九素根に決まりと言っていいだろう。

 

またベテランのオルティスと19歳の素根では東京五輪までの1年間での伸び代も素根の方が上だろう。

 

今大会オルティスを凌駕した上に、1年でさらに実力差をつける可能性もある。

 

東京五輪のこの階級の金メダル本命は素根であると確信できる金メダルであった。

 

 

 

 

 

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