2008年キリンカップ考察

2008年キリンカップ考察

キリンカップは1勝1分で優勝。まあ課題もあったものの収穫も多く日本代表にとって身になる大会でしたね。

 

今更「やっぱり海外組は凄かった」なんて当たり前のことを言う気はありません。彼らが十分な実力を持っているというのはもうとっくにわかっているので。

 

とはいうものの中村俊輔、松井大輔、長谷部誠がチームにフィットして戦力的に十分計算できるということを示したのは好材料ですし長友佑都や香川真司らの若い世代に経験も積ませることができたのは大きい。

 

 

それに二試合でメンバーをかなり入れ替えて色々なパターンを試せたというのもよかったですね。右SBに阿部勇樹とかなかなかよかったんじゃないでしょうか

 

3月のバーレーン代表戦では課題だった攻撃にも進歩が見られました。

 

あの試合では相手の積極的なプレスに屈して無闇にロングボールを蹴り込む展開になっていいところなく敗れてしまいましたが、今回は中村俊輔、松井大輔、遠藤保仁、山瀬功治、中村憲剛とゲームを作れる選手が多くいたことで押されている時でもキープする、ダイレクトプレーで相手のプレスをいなす、などのように柔軟な組み立てができていました。

 

 

あとは最後のフィニッシュ。いい試合だったけど無得点というパターンはもういい加減卒業して欲しい。

 

決定機の数を高める、そして決定機の時の決定率をあげる、という二つを意識したらいいんじゃないかと思います。目標は15分に1回の決定機、そしてそのうち3回に1回は決める。この数字を達成できたなら一試合平均2点はとれるはずなんです。

 

そういう視点からコートジボアール代表戦とパラグアイ代表戦を見てみると前者は決定機4の得点1、後者は決定機3の得点0。まだまだ及ばないことがわかります。

 

 

決定機をいかに増やすか

 

ではどのようにしてこの数字を増やせばいいか。FWの能力が必要なのはもちろんですが私が一番重要視したいのは二次攻撃、三次攻撃ですね。

 

一回のチャンスがダメで相手にボールを奪われてしまえばそれだけですがこぼれ玉を拾って二回、三回と立て続けに攻めればチャンスの数は増える。

 

例えばクロスをあげて跳ね返されても中盤でこぼれ玉を拾ってミドルを打つ。そのミドルをキーパーに弾かれても三人目が詰める、というように。

 

 

そのために今の日本代表に何が足りないかと考えるとスケールの大きなボランチなのではないかと思います。FW、OHが攻めに参加する以上こぼれ玉を拾い二次攻撃を組み立てるのはボランチの役割になる。

 

つまりボールを失わないボールキープ力に攻撃を組み立てられるパスセンス、さらには中盤でボールを奪うことができるボール奪取力に加えてピンチの時はもちろん守備でも活躍してもらう。

 

 

今の日本はボランチの人材が豊富と言われますが上の条件を満たしているボランチは意外と見当たらないのではないでしょうか。

 

鈴木啓太、今野泰幸、阿部勇樹、遠藤保仁、中村憲剛、長谷部誠・・・いい選手ではあるのですがどうも一長一短という感じがしなくもないです。全盛期の稲本潤一やジーコ時代の中田英寿にはやはり劣る。

 

 

ボランチを重視したフォーメーション

 

一番近いのは海外で成長したところを見せた長谷部でしょうか。稲本もケガから復帰して調子を戻してきたら十分計算できるかもしれません。

 

浦和でボランチやってるトゥーリオなんかもスケールの大きさという面ではなかなか。というわけでオマーン代表戦ではこんな感じのメンバーで臨んで欲しいと思います

 

 

     高原  大久保

 

   松井     俊輔

 

    長谷部  トゥーリオ

 

  長友         内田

 

     中澤  阿部

 

       楢崎

 

さてさてどうなることでしょうか。本当になんとしても勝って欲しいものです。決戦は来週の月曜。というか三次予選ごときで決戦なんて言わせてほしくないんですがwまあすっきり勝ってくれることを期待します。

 

 

 

 

 

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