2009年親善試合 日本代表対ガーナ代表戦の考察

2009年親善試合 日本代表対ガーナ代表戦の考察

ガーナ代表戦は逆転により4−3で勝利。オランダ代表にやられたのとまったく同じ方法で今度は日本がガーナ代表相手にやり返しましたね。ところで今日は試合内容そのものの考察より日本がW杯でどれくらいまで進めるかという観点で書いてみようと思います。

 

といいますのも各地のW杯予選の結果を見てみたところ「今回はあんまり強そうじゃない国が勝ち残りそうじゃない?」と思ったんですね。

 

強い国が出ないということは相対的に日本が上に残りやすいということですし日本の成績だけを考えるのであればいい傾向です(大会の盛り上がりは欠けますが)。そこで私が抱いたこの感覚が果たして正しいかどうか確かめてみます。

 

とりあえず仮に現時点の予選の順位のまま変動がないと仮定したら出場32ヶ国はどのような面子になるのか。

 

 

現時点での出場国予想

 

アジアの4枠は日本、豪州、韓国、北朝鮮が確定。

 

ヨーロッパ13枠はまず組1位のデンマーク、スイス、スロバキア、ドイツ、スペイン、イングランド、セルビア、イタリア、オランダが決まり。

 

残りの4枠を各組二位のスウェーデン、ギリシャ、北アイルランド、ロシア、ボスニアヘルツェゴビナ、クロアチア、フランス、アイルランド、スコットランドの9カ国で争うわけですがこればかりは組み合わせなど出ているわけもないので適当にこの中から強そうな4国が出場すると仮定してみます。

 

まあフランス、スウェーデン、ロシア、クロアチアってとこでしょうか。ギリシャやアイルランドも強いじゃないかという意見もあるかもしれませんがまあ細かいことは気にしないw。

 

北中米カリブ海の3枠はアメリカ、ホンジュラス、メキシコ

 

南米4枠はブラジル、チリ、パラグアイ、アルゼンチン

 

アフリカ5枠はカメルーン、チュニジア、アルジェリア、ガーナ、コートジボアールに開催国の南アフリカをプラス

 

アジアVSオセアニアのプレーオフはバーレーン対ニュージーランドの勝った方ですがバーレーンのが強そう。

 

南米VS北中米のプレーオフはコロンビア対コスタリカですがコロンビアの方が強いでしょう。

 

ということで以上がW杯に出場できる32ヶ国としてみます。そして組み合わせのポッド別に分けてみるとこうなります。

 

 

仮想ポッド分け

 

ポッド1(開催国&シード国)
南アフリカ、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、イングランド

 

ポッド2(ヨーロッパ残り)
オランダ、デンマーク、スイス、スロバキア、セルビア、ロシア、クロアチア、スウェーデン

 

ポッド3(アフリカ&南米)
カメルーン、チュニジア、アルジェリア、ガーナ、コートジボアール、チリ、パラグアイ、コロンビア

 

ポッド4(アジア&北中米カリブ海)
日本、豪州、韓国、北朝鮮、バーレーン、メキシコ、ホンジュラス、アメリカ

 

 

こうみるとなんとなく日本でも予選くらいは突破できそうな気がしませんか?ポッド1はさすがに南アフリカ以外はきついですがポッド2はオランダ以外だったらなんとかなりそうな気もする。絶対勝てないと悲観する相手ではない。

 

ポッド3はカメルーン、ガーナ、コートジボアール、パラグアイあたりとは当たりたくないですが今回はガーナに勝っているので決してアフリカ勢相手も勝てないこともないしパラグアイだって勝てない相手ではない。

 

ポルトガル、チェコが敗退濃厚であることやメキシコがシード落ちしそうなことでポッド2がドイツ大会の時に比べて弱いような気がします(ドイツの時はオランダ、ポルトガル、チェコがポッド2にいた)。

 

 

組み合わせが悪すぎなければ1勝は期待できるんじゃないでしょうか。そして本大会ではポッドの関係上アフリカ勢と当たる確率が高い。ポッド3のアフリカ五ヶ国とポッド1の南アフリカは別組になるはずなのでアフリカ勢と当たる確率は3/4になる。

 

となると今回のガーナ代表戦での勝利は凄く意味を持つことになります。昨日の試合ではアフリカの個人技という長所と集中力が欠けるという短所を両方体感できたはずです。

 

また以前コートジボアール代表と親善試合をしたり、今後もトーゴ代表、南アフリカ代表と試合をすることからまさに日本協会としては「本大会で当たる確率の高いアフリカ勢を重点的に対策しよう」と思っているんでしょう。

 

つまり日本代表の予選リーグ突破のための鍵は「アフリカ勢から一勝」なのです。

 

 

1勝さえできれば突破に大きく近付く

 

ちなみに1勝することがどれだけ予選リーグ突破に近づくかデータで見てみましょうか。

 

ドイツW杯の予選リーグで勝ち点3以上を獲得したチームは21チーム。そのうち予選突破したのが16チームで予選敗退したのが5チーム。つまり「1勝したら75%の確率で予選突破できる」ということが言えるのです。

 

 

ついでにもう一つ。上のポッドを見る限り1勝1分くらいも期待できそうな気がしませんか?アルジェリアに勝ってデンマークに引き分けるとかありそうな話じゃないですか。

 

そこでもし1勝1分できたらどれだけの確率で突破できるかというのもついでに見てみましょう。

 

 

ドイツW杯の予選リーグで勝ち点4以上を獲得したチームは17チーム。さてこの中で何チームが予選を抜けたのでしょう。なんと16チームなんですね。勝ち点4以上をとって予選を通過できなかったのはたった1チームしかない。

 

つまり勝ち点4以上をとればほぼ予選は通過できるということがわかります。フランスW杯の時に岡田監督が言っていた「1勝1敗1分」というのは実に理にかなった目標であるわけです。

 

 

ですから本大会では「まず1勝」。そして出来ればその上で「1試合は引き分ける」。これを目指して欲しいところです。

 

だからこそ昨日のガーナ代表戦で得たものを本大会で活かして欲しいですし今後のトーゴ代表、南アフリカ代表の試合でもしっかり本大会に活かせる戦い方をして欲しいですね。期待しましょう。

 

 

 

 

 

関連ページ

2009年親善試合 日本代表対オランダ代表戦の考察
オランダ代表戦は3−0の負け。1点取られるまでは互角以上の戦いをしていたので残念ですね。試合内容から見る限り日本とオランダとの差はそれほど大きくない。選手個々の差も思っていたほど離れてはいない。
2008年キリンカップ考察
キリンカップは1勝1分で優勝。まあ課題もあったものの収穫も多く日本代表にとって身になる大会でしたね。 今更「やっぱり海外組は凄かった」なんて当たり前のことを言う気はありません。彼らが十分な実力を持っているというのはもうとっくにわかっているので。
2007年親善試合 ペルー戦の考察
今年のオシムジャパンの初戦となったペルー戦。欧州組が初合流ということで色々話題にはなっていましたが2−0で勝利。結果自体は満足すべきものであると思います。 キーパーと1対1などの決定的なチャンスをあまり作れなかったのは課題ですが個々の動きはよかったし何より合流した欧州組がきっちり結果を残したのがよかった。
オシムジャパン初戦 トリニダートトバゴ戦の考察
オシムジャパン初戦となったトバゴ戦。試合結果は2−0で日本勝利。ただ試合内容はオシムサッカーの良い面と悪い面が両方現れた試合でしたね。 良かった点としては連動性とワンタッチプレー。本来走るサッカーというのはこの二つを活かすためのサッカーでもあるわけです。だから決定機の数はジーコジャパン時代よりも確実に多かった。
2006年親善試合 日本対ドイツ戦の考察
ドイツ戦は2−2の引き分け。いやーいい試合だった!これぞ海外組!といった試合を見せてくれました。 まずボールを支配されながらも前半20分までドイツに一本もシュートを打たせずかつ日本はヒデの決定的なシュートを含む三本のシュートを放ったというのがよかった。
2006年キリンカップ 対スコットランド戦の考察
この試合は結局0−0。試合内容は日本が押してたし悪くなかったと思うけどやはりスコアレスドローというのは・・・。本大会が心配です。しかもFWがほとんどチャンスに絡めて無いのが気にかかる。今日あった決定的なチャンスは加地のポストに当てたミドル、小野の神ステップからのシュート、小笠原のミドル、三都主のFKあたり。FW絡んでません。正直FWが点取れないチームは上に行けないですよ。
2006年キリンカップ 対ブルガリア戦の考察
いやー負けてしまいましたね・・・。シュートを19本打って1点しか取れないのはやっぱりいつも言われている決定力不足がまだ解消されてないというしかない。もう直前ですし自分が今まで使ってきた「フルメンバーじゃないから」という言い訳ももう使うべきではないと思ってます。やっぱり控えが強くないとチーム全体の底上げになりませんよ。
2006年親善試合 対ボスニアヘルツェゴビナ代表戦の考察
何とか追いつきましたけど内容はあまり良くなかったですね。4,5:5,5くらいの割合で押され気味だった気がします。狙ったところにしっかりとボールを蹴る技術、きたボールをピタリと止める技術、こぼれ玉に反応するスピードなどそういう基礎的な部分がちょこっとだけボスニアのが上回ってました。
2006年親善試合 対アメリカ戦の考察
アメリカ戦は2-3で負け。私は負けた試合でも内容が良ければ評価するんですが内容も悪かったですね。といってもこの試合に関しては私が語ることはほとんどありません。解説が言っていたように集中力切れ、劣悪なピッチ条件、焦り、ボールが落ちつかない、などの要因が重なり合ってあんな試合になってしまったんでしょう。
2005年親善試合 対アンゴラ戦の考察
勝利!あれだけチャンスを作っておきながら引き分けかよ・・・。と思いましたが松井がよく決めてくれました。松井君ドイツ決定おめでとう!w。さてではいつもの評価でも
2005年親善試合 対ウクライナ戦の考察
まあ釈然としない部分は観ていた日本人全員が感じていたでしょうが試合の出来不出来を別にしても本当にいい経験になった試合だと思います。あからさまなホームタウンディシジョンで一人退場&PK。これで勝てというのも難しいかもしれませんが修行は厳しければ厳しいほどいいです。
2005年親善試合 対ラトビア戦の考察
いやー最後のパスミスは余計だった・・・。ラトビアは強いチームなんで結果的には引き分けでも責めるほどでは無いと思いますが。しかしパスミスが・・・。一点返されるまでは本当にいい動きでした。
2005年親善試合 対ホンジュラス戦の考察
4失点とはいえよくやったと思います。2点差を逆転したというのを凄く評価したい。失点の4点も1点がミスからで残りの3点がいずれもサイドから。ボランチやセンターバックがサイドをケアしていたら防げたかもしれない点です。しかしそれよりももっと大切なのは前線でボールを奪われたらすぐ取り返しに行くという事。これで相手の攻撃を遅らせられればカウンターからの失点という危険は大幅に減少します。
2005年コンフェデ 対ブラジル戦の考察
いやー惜しかったですねー!最後の大黒のヘディングとか最初の加地の幻のゴールとかポストに当てた柳沢のヘッドとかとにかく今になって悔やまれます。まあしかしブラジル相手に2-2で引き分けて惜しかったなんて言える今の日本はいいですねw。
2005年コンフェデ 対ギリシャ戦の考察
この試合の日本は今年に入って一番の出来と言っても過言ではないくらいいい出来でしたね。4バックいいじゃん!イラン戦の時は全然機能してませんでしたが連携を深めて中盤でボールが周るようになればサイドの加地、三都主が上がる時間が稼げてこの二人が高い位置でボールを持てるんですよね。
2005年コンフェデ 対メキシコ戦の考察
やはりメキシコは強かったですね。日本もなかなか頑張ったと思いますが。一番の敗因は玉際のプレッシャーの弱さだったと思います。相手が攻めてきている時にボールを持った選手をフリーにさせちゃいけませんよ。ドリブル、パス、シュート全ての選択肢を与えてしまう事になりますからね。
2005年親善試合 対UAE戦の考察
前半は「この試合内容なら色々言いたい事もあるが批判する必要もあるまい。小野と大黒をちょいと褒めるだけにしておくか」みたいな事を思ってたんですが負けてしまってはね・・・。色々言いたい事を言う事にします。まずは選手評価
2005年親善試合 対シリア戦の考察と最終予選勝敗予想
シリア戦も快勝しましたね。この試合や後々の北朝鮮戦、その後の予選などについて色々語りたい事があるのでこの試合は真面目に考察します。まずは評価でも。