2021年レスリング世界選手権 出場選手紹介

2021年レスリング世界選手権 出場選手紹介

レスリングの世界選手権が10/2からノルウェーのオスロで開催されます。

 

3年後のパリ五輪に向けた最初の国際大会。日本は五輪出場組を派遣せず、若手主体のメンバーで臨みます。

 

今大会の出場選手を一通り紹介致します。

 

 

・男子フリースタイル57kg級 阿部敏弥

 

2015・16年に全国高校選抜で連覇している期待の22歳。

 

東京五輪代表の高橋侑希やリオ五輪銀メダリストの樋口黎がいるこの階級で力を示せるか。

 

 

・男子フリースタイル61kg級 長谷川敏裕

 

2018年アジア選手権3位、U23世界選手権優勝。

 

非五輪階級だが力を示して五輪階級の57kg級と65kg級のどちらも狙える状況を作りたい。

 

 

・男子フリースタイル65kg級 山口海輝

 

2019年世界ジュニア選手権、2019年世界選手権出場というのが主な実績。

 

東京五輪金メダリスト乙黒拓斗と同じ階級だが好成績を残してライバルとして名乗りを挙げたい。

 

 

・男子フリースタイル70kg級 基山仁太郎

 

2018年U23世界選手権3位、2019年世界ジュニア選手権2位というのが主な実績。

 

非五輪階級だがかつて戦っていた74kg級でパリ五輪を目指すことになるだろう。

 

 

・男子フリースタイル74kg級 佐藤匡記

 

2018、19年とインターハイを連覇し、2021年全日本選抜選手権でも優勝した期待の20歳。

 

東京五輪代表の乙黒圭祐を超えてパリ五輪出場を目指す。

 

 

・男子フリースタイル79kg級 吉田隆起

 

元々74kg級で戦っていたが、2020年から79kg級に参戦し、全日本選手権を初制覇。

 

非五輪階級のため、パリ五輪に向けては乙黒圭祐や佐藤匡記と争うことになるだろう。

 

 

・男子フリースタイル86kg級 石黒隼士

 

2018年世界ジュニア選手権で優勝。2020年全日本選手権で初優勝し、2021年アジア選手権5位、全日本選抜選手権優勝と着実に成績を残している22歳。

 

長年日本男子レスリング界を支えてきた高谷惣亮の後を継ぐ選手として注目される。

 

 

・男子フリースタイル92kg級 大津拓馬

 

2020年アジア選手権2位、2021年全日本選抜選手権優勝という実績を残す。

 

非五輪階級のため、パリ五輪に向けては86kg級で争うことになるだろう。

 

 

・男子フリースタイル97kg級 石黒峻士

 

2021年アジア選手権3位、全日本選抜選手権優勝というのが主な実績。

 

86kg級の石黒隼士の兄で兄弟同時出場を果たすことになる。五輪出場権を取ることができなかった階級だけにまずは上位進出を目指したい。

 

 

・男子フリースタイル125kg級 山本泰輝

 

2017年アジア選手権3位。2017・18年に世界選手権に出場するも入賞はならず。

 

日本が世界と比べて遅れを取っている最重量級だけに、まずは入賞を目指したい。

 

 

・男子グレコローマン55kg級 松井謙

 

2017年世界カデット選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝が主な実績。

 

まだ20歳と若く、将来が楽しみな選手。55kg級は非五輪階級のため、パリ五輪へは60kg級で目指すことになるだろう。

 

 

・男子グレコローマン60kg級 鈴木絢大

 

2019年全日本選手権優勝。2020年全日本選手権はオリンピック代表の文田健一郎に敗れて2位。

 

パリ五輪出場のためには東京五輪銀メダルの文田健一郎という強大なライバルがいるが対抗馬として名乗りを挙げることができるか。

 

 

・男子グレコローマン63kg級 清水賢亮

 

2017年世界ジュニア選手権3位、2020年全日本選手権優勝というのが主な実績。

 

非五輪階級だが60kg級には文田がいるのでパリ五輪は67kg級で目指すことになるだろう。

 

ちなみに長野五輪金メダリストの清水宏保氏の甥にあたる。

 

 

・男子グレコローマン67kg級 下山田培

 

2017年全日本選手権優勝、2018年アジア選手権2位、2018年全日本選手権優勝、2021年アジア選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝とアジアレベルでは実績を残している。

 

67kg級は日本が五輪出場権を逃した階級。リオ五輪銀メダリストの太田忍がプロ格闘技に転向したため、この階級は力の空白地帯とも言える階級となった。

 

上下の非五輪階級からも若手が出場権を狙ってくる中、27歳とベテランの下山田は意地を見せられるか。

 

 

・男子グレコローマン72kg級 井上智裕

 

リオ五輪に出場し5位入賞。2018、19年の世界選手権に出場するも入賞はならず東京五輪の出場権も逃してしまった。

 

今大会男子で唯一の30代となる34歳のベテラン。3年連続の世界選手権出場で入賞を目指す。

 

 

・男子グレコローマン77kg級 櫻庭功大

 

2019年U23世界選手権2位、2021年全日本選抜選手権優勝。

 

この階級は東京五輪で銅メダルを獲得した屋比久翔平がいる階級。初めての世界選手権で好成績を残して対抗馬として名乗りを挙げたい。

 

 

・男子グレコローマン82kg級 向井識起

 

中学はレスリングから離れ、高校で再開した異色の選手。21歳の若さながら2021年全日本選抜選手権優勝、アジア選手権3位というのが主な実績。

 

父の孝博氏もロサンゼルス、ソウルに出場しているオリンピアンで親子2代でのオリンピック出場を目指す。

 

 

・男子グレコローマン87kg級 鶴田峻大

 

高校までは柔道選手で、自衛隊に進んでからレスリングを始めた選手。元々は82kg級で2018年全日本選抜選手権にて優勝。

 

その後階級を上げ、全日本選手権や全日本選抜では2位や3位が続いていたが、2021年全日本選抜選手権で優勝し、世界選手権の代表をつかみ取った。

 

 

・男子グレコローマン97kg級 奈良勇太

 

2016年全日本選手権で初優勝後、連勝を続けて世界選手権には2017年から3大会連続出場。

 

今大会で4大会連続の世界選手権出場となり、初の入賞を目指す。

 

 

・男子グレコローマン130kg級 園田新

 

全日本選抜選手権で7連覇中で、国内の重量級では絶対的な存在。2018年アジア大会3位、2020年アジア選手権5位とアジアレベルでは実績もある。

 

世界選手権には5度出場もこれまで入賞は無し。どうしても最重量級は世界に比べて日本は遅れているが、意地を見せられるか。

 

 

・女子50kg級 吉元玲美那

 

2017年世界カデット選手権優勝、2019年アジア・ジュニア選手権優勝、2020年全日本選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝と着実に結果を残してきた期待の21歳。

 

絶対女王の須崎優衣がいる階級なだけに世界選手権で優勝して存在感を出したい。

 

 

・女子53kg級 藤波朱理

 

まだ17歳ながら2021年全日本選抜選手権で奥野春菜、入江ななみという世界選手権メダリストに圧勝して優勝。

 

現在公式戦79連勝中とオリンピック金メダリストの志土地真優(旧姓:向田)よりも強いのでは無いかと一部で言われている期待の若手。

 

順当なら無敗記録を更新し金メダルを取るだろう。

 

 

・女子55kg級 櫻井つぐみ

 

2016年世界カデット選手権優勝、2020年全日本選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝と実績を残している期待の20歳。

 

非五輪階級だが下の階級には藤波、志土地がおり、上の階級には川井梨紗子、南條がいる。今後どちらの階級でオリンピックを目指すのかが注目される。

 

 

・女子57kg級 南條早映

 

2016年には当時17歳にして全日本選手権を制覇。2017年、2019年世界ジュニア選手権優勝、2019年U23世界選手権優勝、2020年全日本選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝と圧倒的な戦績で初の世界選手権に挑む。

 

同じ階級には川井梨紗子がいるが、南條はまだ22歳と若く、パリ五輪までの3年間で力関係がひっくり返ってもおかしくない。

 

今大会は優勝候補として金メダルを目指す。

 

 

・女子59kg級 花井瑛絵

 

2019年世界ジュニア選手権優勝、2020年全日本選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝という実績。

 

期待の21歳だがこの階級は非五輪階級。上も下も五輪階級には強敵がおり、今大会で好成績を残してパリ五輪に向けた有力候補として名乗りを挙げたい。

 

 

・女子62kg級 尾ア野乃香

 

2018年にアジア・カデット選手権、世界カデット選手権、ユース・オリンピックで優勝、2019年も世界カデット選手権で優勝。

 

2020年全日本選手権、2021年全日本選抜選手権も優勝した急成長中の18歳。

 

この階級には東京五輪金メダリストの川井友香子がいるが、パリ五輪では尾アが代表を掴む可能性も十分ある。

 

今大会は藤波に次ぎ、南條と並ぶ優勝候補だろう。

 

 

・女子65kg級 森川美和

 

2019年世界ジュニア選手権優勝、2019年全日本選手権初優勝、2020年全日本選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝という実績。

 

東京五輪は土性沙羅にプレーオフで敗れて出場を逃したが、パリ五輪は68kg級で目指すことになるだろう。

 

土性もベテランの域に入っているので、まだ22歳と若い森川が土性に代わる一番手になる可能性は高い。

 

 

・女子68kg級 宮道りん

 

2021年全日本選抜選手権でシニアの大会で初優勝。

 

現在21歳と森川とも年齢が近く、パリ五輪は森川と宮道の争いになるか。

 

まずは初の世界選手権でメダル獲得を目指す。

 

 

・女子72kg級 古市雅子

 

2011〜13年世界カデット選手権3連覇、2014〜16年世界ジュニア選手権3連覇とジュニアの世界選手権を6連覇。

 

シニアでは2020年全日本選手権優勝、2021年全日本選抜選手権優勝と戦績を残している。

 

非五輪階級のため古市もパリ五輪は68kg級で目指すと思われる。

 

 

・女子76kg級 松雪泰葉

 

2017年U23世界選手権優勝、2019年世界ジュニア選手権3位。

 

東京五輪に出場した皆川博恵はもう34歳と大ベテランでおそらくパリ五輪は目指さないだろう。

 

そういう意味では次の最重量級を背負って立つ者として現在21歳と若い松雪には期待がかかる。

 

 

 

 

 

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