井上尚弥3団体統一までの道のり

井上尚弥3団体統一までの道のり

井上尚弥がノニト・ドネアを2ラウンドKOで倒し、見事に3団体を統一しました。

 

改めて井上尚弥の3団体統一への道を振り返ってみようと思います。

 

なおデビューから振り返ると長くなりすぎるので、今回はバンタム級に階級を上げて以降を振り返っていきます。

 

 

ライトフライ級、スーパーフライ級を無敗のまま2階級制覇した井上尚弥は2018年5月25日にバンタム級に階級を上げて初戦から世界戦を戦いました。

 

対戦相手はWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル。

 

身長差で10cm、リーチ差で12cm上回っているマクドネル相手でしたが、初回1分52秒TKO勝ちという圧巻の秒殺劇で3階級制覇を達成します。

 

これは日本最速となる3階級制覇でした。

 

 

そして井上はバンタム級の強豪が集まり頂点を決めるWorld Boxing Super Seriesへの参戦を表明。

 

主催者により第2シードに選ばれた井上は一回戦の相手に元WBA世界バンタム級スーパー王者ファン・カルロス・パヤノを指名しました。

 

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そして2018年10月7日、パヤノ戦で1回1分10秒KO勝ちを収め初防衛に成功しWBSSの準決勝に進出。

 

この試合で井上はわずか3発のパンチしか放っておらず、引き続き圧勝劇を見せました。

 

 

準決勝の相手は2019年5月18日、IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス。

 

ロドリゲスも無敗の王者であり、事実上の決勝戦とも呼ばれました。

 

そんな難敵と思われていたロドリゲス相手でしたが、井上が2Rに強烈なボディーを効かせ、3回ダウンを奪い、2R1分19秒でTKO勝ち。

 

余裕の勝ちっぷりで決勝進出を決めました。

 

 

決勝は2019年11月7日、WBA世界バンタム級スーパー王者ノニト・ドネア。

 

ドネアは1回戦でWBA世界バンタム級スーパー王者ライアン・バーネットと対戦し、相手が途中棄権。

 

準決勝はWBO世界バンタム級王者ゾラニ・テテとの対戦予定でしたが、故障して欠場した為、代役としてWBA世界バンタム級5位のステファン・ヤングと対戦し勝利。

 

一見運も味方した勝ち上がりで、決勝は井上が楽勝で勝つだろうという前評判でした。

 

しかし井上は2回にドネアの左フックをもらってプロになって初めて右目上部をカット。

 

この後から井上はドネアが二重に見えていたといいます。

 

さらに8回にはドネアが攻勢を仕掛け、井上は鼻から出血。

 

右目眼窩底と鼻を骨折するという死闘になりました。

 

それでも井上は11回に左ボディをヒットさせ、ドネアは下がるように歩いてから膝をついてダウン。

 

そのまま判定にもつれ込み、12回3-0(116-111、117-109、114-113)の判定勝ちを収め、WBSSバンタム級初代王者に輝きました。

 

 

このトーナメントを制したことでWBA、IBFのベルトを手にした井上は残る二つのベルトを獲得し、4団体統一へ動き出します。

 

最初のターゲットはWBO世界バンタム級王座統一戦でテテを下してWBO王者となったジョンリル・カシメロとなりました。

 

しかし、カシメロとの三団体統一戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け中止に。

 

 

その後は、

 

2020年10月31日にはWBO世界バンタム級1位、WBA同級3位のジェイソン・モロニーとの防衛戦で7回2分59秒KO勝利。

 

2021年6月19日、IBF世界バンタム級1位の指名挑戦者であり元IBO世界バンタム級王者のマイケル・ダスマリナスに3回2分45秒TKO勝ち。

 

2021年12月14日、IBF5位、WBA8位のケンナコーン・ルアンカイモックに8回2分34秒TKO勝ちと防衛戦を重ねます。

 

 

そして迎えた2022年6月7日、ドネアとの再戦。3団体統一選。

 

「前回のようなドラマにはさせない」という井上の言葉通り、1R終了間際にダウンを奪うと、2Rは着実に攻勢に出て2度のダウンを奪い、レフェリーストップでTKO勝ち。

 

もう強すぎるの一言しかないですね。モンスターがモンスターたる戦いを見せたという試合でした。

 

これでパウンドフォーパウンドでも1位になる可能性が出てきました。

 

またポール・バトラーとの4団体統一戦も見えてきました。

 

年内に4団体統一して来年はスーパーバンタムへ。

 

これが井上尚弥のバンタム級におけるストーリーとなるでしょう。

 

 

 

 

 

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