W杯を振り返るシリーズ7 1962年第7回 チリFIFAワールドカップ 〜ブラジルが連覇達成〜

W杯を振り返るシリーズ7 1962年第7回 チリFIFAワールドカップ 〜ブラジルが連覇達成〜

西ドイツ、アルゼンチン、チリの3カ国が大会誘致に立候補し、チリが開催都市に選ばれました。

 

1960年にチリ地震が起きて開催が危ぶまれましたが、チリはスタジアム建設等精力的に準備を行い、開催を実現することができました。

 

出場国は前回同様16カ国で4カ国ずつ4グループに分かれてのグループリーグ。

 

なお今大会からグループリーグで勝ち点が並んだ場合のプレーオフが廃止され、得失点差によって順位が決められるようになりました。

 

 

前回大会優勝国で今大会も優勝候補と言われていたブラジルはグループ2戦目でエースのペレが負傷。

 

それでも代役のガリンシャが活躍し、危なげなくグループリーグを通過します。

 

しかしイタリア、アルゼンチン、ウルグアイなど強豪国がグループリーグで姿を消すという波乱がありました。

 

 

 

準々決勝では開催国のチリがソ連に2-1で勝利。

 

ブラジルはガリンシャが2ゴールを決める活躍などで、3-1でイングランドに勝利。

 

ユーゴスラビアは西ドイツを1対0で下し、チェコスロバキアも1対0でハンガリーに競り勝ったことで、準決勝は南米同士のチリとブラジル、東欧同士のユーゴスラビアとチェコスロバキアの対戦となりました。

 

 

 

南米チリ開催ということもあり、東欧対決の観客はわずか6000人弱。チェコスロバキアが3-1でユーゴスラビアに勝利しました。

 

対して南米対決となったブラジル対チリは約76,600人の大観衆が集まりました。両チーム退場者を出す激しい試合になりましたがブラジルが4-2で勝利しました。

 

そして決勝はチェコスロバキアが1点を先制するも、ブラジルが3点を奪い返して3-1で勝利。

 

見事な強さを見せたブラジルがエースのペレを欠きながらも大会2連覇を達成しました。

 

3位決定戦で勝利したのは開催国のチリ。

 

得点王はフォンテーヌが13ゴールを記録した前回とうって変わって、6人が4ゴールで並ぶというロースコアの記録となりました。

 

 

 

 

 

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