2010年南アフリカW杯大会総括

2010年南アフリカW杯大会総括

さて大会も終わりましたところで、簡単に総括でも。

 

まずは日本代表の戦いぶりからですが、私が大会前に行った予想は「スペインに負けてベスト8」というものでした。パラグアイにPKで勝っていれば実際にベスト8でスペインと当たっていたわけですから、実に惜しい予想でしたw。

 

とは言うものの予選リーグは勝ち点4か2で突破と予想していましたから、勝ち点6の2勝1敗で予選突破という成績は予想以上でした。要因はひとえに準備の充実ぶりがあげられるでしょう。

 

 

今回は本当にコンディションのピーキングが上手かった。事前の高地合宿で体を慣らしつつ、初戦に最高のコンディションを持っていく。これがズバリ狙い通りだった。

 

初戦に向けたピーキングのために高地で体に負荷をかけたことで、開幕前はコンディションが相当悪かった。テストマッチで四連敗し、ジンバブエ代表との練習試合でも1点も取れない。これはさすがに悪すぎる。

 

しかし悪すぎたからこそ、逆に低地に降りてしっかり休みコンディションを回復させたら反動でいつも以上に良い影響が出るだろう。そう思いました。だから私はテストマッチで四連敗した後に「逆に本番は勝てるんじゃないかと思った」みたいなことを書いたのです。

 

 

また、各国が苦しんでいた大会公式ボール。これをいち早くJリーグ開幕から使っていたことで「ボールへの慣れ」という大きなアドバンテージを作ることができました。これも良い準備の一例と言えるでしょう。

 

 

岡田監督の手腕

 

加えて岡田監督の手腕も挙げられるでしょうか。本田圭佑の1トップを本番でやると知った時は正直私も「おいおい何考えてんだ」と思いました。

 

しかし信じて観戦してみたらしっかり勝った。というのもこのような采配を行っているのを見て自分は「岡田監督の思考レベルは我々の理解の範疇を超えてるな」と感じたからです。

 

 

当然のことですが、私はいかにサッカーファンとはいえ、たまに試合をちょこちょこ観る程度。

 

四六時中日本代表のことを考えている岡田監督と単なるサッカーファンである私とではどちらがサッカーに関する思考レベルが上かなど火を見るより明白ですから、もう後は信じるしかないと思ったんです。

 

そして実際に公式試合では一度も試したことがないフォーメーションを本番で採用して勝った。この英断はサッカーの常識に反してはいますが、実際に結果を出したということは岡田さんが正しかったのでしょう。

 

 

戦力ではドイツの時よりも劣っていたにも関わらず、事前の準備と監督の采配で良い結果を出すことが出来た。次のブラジル大会こそは今回で学んだことを活用し、今度こそベスト8まで駆け上って欲しいですね。

 

 

スペインの優勝

 

続きましてはスペインの優勝に関して。

 

スペイン優勝の予想に関しては、正直開幕前は自信がありませんでした。その自信の無さが明確な自信に変わったのが初戦のスイス戦。結果的に負けはしましたものの、この試合を観て「やっぱりスペインいくんじゃないか」と思ったのです。

 

というのもサッカーで一番負けるリスクを減らす戦い方はどのような戦い方だと思いますか?

 

守備を固めること?

 

 

残念外れですw。

 

正解は「相手にボールを渡さないこと」です。極論を言えば90分間自分達だけでボールをキープし続けていれば負けることはない。そしてスペインは今大会で一番ボールポゼッションの高いサッカーをしていました。

 

 

スペインは攻撃力が注目されていたものの、実はそこまで攻撃力は高くない。

 

というのもボールポゼッションを高くするということは、必然的に攻撃が遅れてしまうことに繋がり、最も効果的な攻撃である「相手陣内で数的優位を作る」ということができなくなってしまうのです(そしてこのような状況に陥って点が中々とれなかったのがオシム時代の日本代表でした)。

 

そのような状況の中で点を取るためにはワンタッチパスなどでマークをずらすか、最後は個人技を使うか、ゴール前でセットプレーを取るか。スペインはその全てが出来た。

 

 

決して攻撃的なサッカーではなく、ボールポゼッションを高め相手のチャンスの数を物理的に減らした上で、チャンスをしっかり決める。そして1−0や2−1で勝つ。

 

理論上最も負けにくい戦いを実践できていたのがスペインであり、そんなスペインが7試合で2回も3回も負けるとは考えにくい。

 

 

もし負けるとしたらカウンター一発でやられ、しかも守備ブロックがしっかりしていてスペインが1点も取れないようなチーム。それがまさに初戦のスイスだった。

 

どんなに強いチームでも7試合やれば1回は負けることもあるでしょう。スペインにとって幸運だったのが、その1回の負けが決勝トーナメントではなく予選リーグで起きたこと。そう考えると初戦の負けもスペインの優勝に向けた大きな布石だったのかもしれません。

 

 

というわけで日本代表とスペイン代表に焦点を当てて、今大会を振り返ってみました。それではまた四年後に。熱狂から解き放たれた今、四年後を楽しみに待つ生活へ戻ることとしましょう。

 

 

 

 

 

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