南アフリカW杯アジア最終予選 対カタール代表戦の考察(ホーム)

南アフリカW杯アジア最終予選 対カタール代表戦の考察(ホーム)

ホームのカタール代表戦は1−1のドロー。決して手を抜いていたわけではないでしょうが連戦の疲労と本大会出場を決めたという安堵感がわずかな気の緩みとなって出てしまった試合だと感じました。

 

具体的な苦戦の要因はやはりダブルボランチの欠場でしょう。いい時の日本代表は中村俊輔、遠藤保仁、長谷部誠の三人が攻撃を組み立てています。

 

しかしこの試合は遠藤と長谷部が不在。阿部勇樹と橋本英郎もいい選手ではありますがこの二人ではゲームを作ることはできません。

 

 

後半になり松井大輔が入ってからは俊輔、松井、中村憲剛の三人でゲームを作れるようになったのでリズムが戻りましたがこの試合は最初から松井を出して中村憲と阿部のダブルボランチでいった方がよかったですね。

 

私はボランチがいいチームに弱いチームはないということを持論として持っているんですがそのボランチからゲームを組み立てられないから苦戦してしまった。

 

 

選手個々の出来もいまいち

 

もちろんこのような戦術面の問題だけではなく選手個々の実力もまだまだだと思います。疲れやモチベーションのせいもあるでしょうがパスの精度、トラップの精度がまだまだ悪い。

 

例えばパスが50センチずれたとしましょう。すると足元で止められたはずのボールを足を伸ばして無理な体勢でトラップしなければならない。

 

するとまたトラップも50センチずれてしまうかもしれない。そしてこの合わせて1メートルのずれは相手が1メートル分早く寄せてくることに等しくなります。

 

 

相手のプレスを掻い潜ってパスを繋いでいくサッカーをする日本代表にとってこの1メートルのロスは致命傷です。フィジカルが弱いのでまともにプレスをかけられるとボールを奪われてしまう。

 

ウズベキスタン代表戦もカタール代表戦も苦戦した根源的な要因はこの点(個々人の精度の悪さ)だと思っています。

 

カタール代表のブルーノメツ監督も「日本はプレスをかけられた時に自分たちのサッカーができなくなる」というようなことを言っていましたがそれはまさにこの点を指摘しているのでしょう。

 

 

基礎的な技術が大切

 

もう一つ例を挙げてみますか。なぜ中村俊輔は世界で活躍できたか。FKの上手さや華麗なフェイントが目につきますがそれは第一の要因ではありません。「止めて蹴る」という基本的な技術が日本で最も優れていたから活躍できているのです。

 

俊輔に限らず世界のトッププレイヤーは皆例外なく基本的な技術をしっかりと持っています。当たり前のことを当たり前にするのがどれだけ難しいことか。

 

当たり前のことをどれだけ完璧に極められるか。それがトッププレイヤーと普通のプレイヤーを分ける差かもしれません。

 

 

私は以前の記事で「ベスト4に入るためには個々人がレベルアップしなければならない」ということを書いたと思います。それは物凄いシュートやフェイントが出来るようになれということではないのです。「止めて蹴る」という基礎的な技術をしっかりと磨く。

 

全員が50センチのズレを20センチ、10センチと小さくしていけばそれだけで世界のトップに近づけるんです。

 

俊輔や遠藤のレベルが日本の標準となる時…その時こそ日本代表が本当に世界トップレベルの仲間入りを果たす時かもしれません(まあそれが何より難しいのかもしれませんけどもw)。

 

 

豪州戦は本大会に繋がる試合を

 

次はいよいよ予選最後の豪州代表戦。まあ消化試合と言ってしまえばそれまでです。

 

昨日のカタール代表戦もそうですが別にカタール代表やオーストラリア代表に勝ったからといって来年のW杯で勝てるわけでもありませんし、負けたとしても来年負けるわけではありません。

 

ただしいい試合をして勝つことで1%でも0,1%でも本大会で勝つ確率があがるかもしれない。強化というのはそういうものです。だから来年のW杯で勝つ確率をあげるという意味でも最後の豪州代表戦はきっちり勝ってA組首位通過してほしいですね。

 

 

 

 

 

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