世界陸上テグ大会初日 〜女子マラソンにも押し寄せる高速化の波〜

世界陸上テグ大会初日 〜女子マラソンにも押し寄せる高速化の波〜

さて世界陸上が開幕しましたね。今年は少なくとも夜の部は全部観れそうなのでできるだけ毎日考察記事を更新しようと思います。といっても全種目はちょっときついので観てて特に面白そうと思った競技だけでw。

 

まずは女子マラソン。ケニア勢が金銀銅を独占し、日本勢は赤羽有紀子の5位が最高。赤羽も精一杯の走りをしましたがあのスパートについていくのは厳しかった。

 

 

日本勢に限らずスウェーデンのアンデルソンも中国の朱曉林もついていけなかったので日本がダメというよりもケニアが凄すぎた。

 

優勝したキプケテルの持ちタイムは2時間20分台。そのキプケテルがスパートして同じケニア勢が引っ張られるようについていくというケニアの作戦勝ちですね。

 

32キロまでスローペースで残り10キロをよーいドンでスパート合戦をすると一万のタイムがいいアフリカ勢のが有利です。

 

 

このパターンを避けるためには早い時点でロングスパートを何段階か繰り返し、ペース変化によってライバルをどんどん振り落としていくレースをしなければいけない。

 

そしてこのようなレース展開に持っていくためには少なくともライバルを上回る持ちタイムを持っていなければいけない。

 

 

高橋尚子や野口みずきが五輪で金をとった時はまさにこのパターン。そして二人ともサブ20(2時間20分切り)の選手だった。

 

しかし今大会の日本は最も持ちタイムが良い尾崎好美でも2時間23分台。これでは2時間20分台のキプケテル相手にロングスパートで引き離すことも難しい。

 

 

男子マラソンでは世界ランク上位30人中はほぼアフリカ勢で埋め尽くされています。アフリカ勢による高速化で日本の男子マラソンはなかなか勝てなくなった。女子にもその流れが徐々に訪れているような気がします。

 

対抗するには日本もサブ20まではいかなくとも最低20分、21分台を持つ選手を育てていくしかない。ケイタニーが19分台、キプケテルが20分台を出している今、最低でも21分台を持っていないとメダルに絡むのは厳しいと思います。

 

高橋も野口もサブ20を達成できたわけですから人種的に無理ということはないでしょう。日本のお家芸を維持するためにもなんとか高速化の波に対応して欲しいものです。

 

 

夜の部の振り返り

 

さて続きましては夜の部。夜の部を見て面白そうだと思ったのはまず女子400m。前回はサンヤリチャーズロスの一強というという感じで白熱という感じではなかったのですが、今大会は200mで世界陸上三連覇中のアリソンフェリックスが参戦!

 

さらにカバチンスカヤやモンショーも絡んで誰が優勝するかわかりません。もちろん前回大会でサンヤリチャーズロスに敗れたシェリカウイリアムズやノブレーンウイリアムズミルズ、クリホシャプカも虎視眈々と上位を伺っています。

 

 

そして男子100mもやはり面白いですね。上位三人の予想はウサインボルト、ヨハンブレイク、クリストフルメートルと予想していますが多分当たらないでしょうw。

 

ネスタカーター、リチャードトンプソン、ウォルターディックス、ジャスティンガトリンなども絡んでくると思います。個人的にはウォルターディックスがコーンローの髪をばっさり切っていたのが一番のサプライズでしたがw。

 

 

あとはコアな見方としては100mの予選を見ることで4×100リレーの各国の戦力を測るというのも楽しみではあります。

 

個人的な感想としてはジャマイカ、アメリカは別格として、クリストフルメートルとジミービコがいるフランスが非常に強い(エムバンジョクやポニョンはもう出ていないのでしょうか?)。

 

そしてリチャードトンプソンとアームストロングがいるトリニダートトバゴもやはり強い(こちらもカランダーやマルクバーンズは出ないのでしょうか?)

 

日本のリレーはかなり厳しい戦いになりそうですが頑張って欲しいところです。

 

 

そして室伏広治が最初の一投で軽々SBを出して予選通過!かなり調子良さそうですね。予選を見る限り軽々80mを投げれる選手はいなかったので決勝で80mを投げればおそらくメダルには手が届く。

 

そして今日の投擲を観た限りでは室伏が80m以上を投げられる確率は高いと見ますよ!

 

 

メダル獲得予想の記事では室伏のメダル獲得可能性は25%と言っていましたが、私の中では今日の結果を見て50%に跳ね上がりました。

 

本当は60%と言いたいところですが正直室伏さんのことを信じ切れてない部分があるので・・・w。しかし女子マラソンがダメだった以上、なんとか室伏にはメダルを獲得して欲しいですね!

 

 

明日の注目競技

 

さて明日の注目競技。まずはなんといっても男子100m決勝!これは語る必要もないかと思いますw。

 

女子100mでは福島千里が予選通過を狙います。

 

 

男子1万は世界記録保持者のケネニサベケレが出てくるのか?

 

女子棒高跳び予選ではエレーナイシンバエワが登場してきます。

 

予選が始まる男子110mハードルもかなり面白い。11.88の世界記録保持者ダイロンロブレス、11.89の前世界王者劉翔、そして11.90の今期好調デイビッドオリバーという持ちタイム0.01差の三人が対決。誰が勝つのかまったく予想はつきません。

 

 

いやー明日も楽しみですね。期待しましょう。

 

 

 

 

 

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