ロンドン五輪金メダル獲得数予想2(体操)

ロンドン五輪金メダル獲得数予想2(体操)

さてロンドン五輪金メダル予想の第二回目です。

 

柔道、水泳以外で金メダルの期待ができる種目は体操。

 

 

個人総合の内村航平は金メダル鉄板です。昨年の世界選手権では二位に3点以上の差をつけての圧勝で三連覇達成。落下1回につき減点1点なので、単純計算で3回落下していたとしても勝っていた計算になります。

 

ロンドン五輪でも内村は93点は出すはず。ライバルはオロズコ、ダネルリーバ、ハンビュッヘンあたりになるでしょうが、このあたりの選手も出せて91点が限界でしょう。内村の個人総合金メダルにライバルは無しと言っても過言ではありません。

 

 

団体に関しては日本、中国、アメリカが三強。

 

日本は内村航平、山室光史、田中和仁、田中佑典、加藤凌平。

 

中国はズーカイ、ジャンチェンロン、フォンツィー、テンハイビン、チェンイービン。

 

アメリカはオロズコ、リーバ、ホートン、レジェンドラ、ミクラク。

 

 

昨年の世界体操団体では日本は中国にわずかな点差で敗れ銀メダル。あの時は五輪では逆転が可能という印象を持ったのですが、実際のメンバーを見てみるとベストメンバーを組んだ中国、アメリカに比べて日本はベストメンバーを組めなかった印象・・・。

 

 

日本は選考方法の影響であん馬、吊り輪、跳馬、平行棒で点を取れる野々村笙吾を落としてしまったのが痛い。代わりに入ったのが現状床でしか点が取れない加藤ですからね・・・。

 

正直実力比較でいうと中国の1強で2位争いが日本とアメリカでしょう。

 

 

体操種目別

 

種目別に関しては床、平行棒、鉄棒が金を狙える種目か。

 

 

床は昨年世界体操で内村が金メダル。内村のDは6.7。ライバルは6.9のDスコアを持つズーカイとレジェンドラでしょう。しかし昨年の世界体操でも内村はズーカイよりDスコア(技の難易度)が0.2劣るもののEスコア(技の完成度)でひっくり返して金メダル。

 

内村は最初のG難度リジョンソンがキーになりますが、この最高難度技を大過失無しでまとめられればEスコアで勝てるでしょう。

 

 

床は他にもD7.1を持つデニスアブリジャンあたりも気になる存在ではありますが、演技が安定せずEスコアが稼げないことに加え、ロンドン五輪で使われる床はジムノバ社製の弾みにくい器具ということもあるのでメダル争いに絡むのは難しいと思っています。

 

内村も国内の大会ではD7.0の演技を通したことがありますが、ジムノバの器具ということもあり、おそらくロンドン五輪でも昨年の世界体操と同じD6.7の演技構成で臨むと思われます。

 

 

あん馬も内村にメダル獲得可能性あり。内村のあん馬種目別Dスコアは6.7で世界王者のクリスティアンベルキと同じ。昨年の世界体操では落下してしまったものの、通せれば十分メダル獲得は期待できます。

 

しかし床の場合とは逆であん馬は同じDスコアでも内村よりベルキの方がEスコアが高い。しかもベルキの方が圧倒的に安定している。ベルキに大過失が無い限り内村の金メダルは厳しい。

 

 

他にもスミスがD7.0という驚異的な演技構成を持っていますが、きっちり通せるかどうか。過去にあん馬のスペシャリストと呼ばれたテンハイビンもD6.7持ち。

 

現状ではベルキが圧倒的優勝候補でベルキにミスが出た時に限り内村やスミス、テンハイビンにもチャンスありといったところでしょう。

 

 

吊り輪に関しては山室にメダル獲得可能性あり。しかし中国のチェンイービンが強すぎて金メダルは難しいだろう。DでもEでも負けている上に、吊り輪は大過失が起こりにくい種目なので相当厳しい。

 

 

跳馬はトマブエル、ゴルツコフ、ドラグレスクらのスペシャリストが五輪に出られず層は薄いが、韓国のヤンハクソンが抜けている。

 

沖口誠がいれば銀メダルは狙えたが、沖口も代表落選。山室がロペスに加えヨー2をまとめればメダルに手が届くかもしれないが金はどちらにせよ難しいだろう。

 

 

平行棒は内村、田中和仁、フォンツィーが金メダル有力候補。リーバ、ツォラキディス、ジャンチェンロンあたりもメダル争いに絡んでくるだろう。

 

最も金に近いのはDスコア6.9を持つフォンツィーか。Dスコア6.8の田中兄もミスさえ出なければ金に届く可能性もある。内村も昨年の世界体操ではやらなかったものの2011年の全日本初日にD6.8の構成を通しているので、状況次第ではやる可能性もあり。

 

ただ昨年の世界体操では最も高いDスコアを持つ田中和仁がトップバッターで失敗したこともあり、上位陣の牽制や失敗が相次いだことで、結局優勝はDスコア6.4ながら無難にまとめたリーバ。

 

 

ちなみに2位、3位もDスコア6.5のツォラキディスとジャンチェンロン。

 

平行棒は内村、フォンツィー、田中兄のうち最も完璧な演技をした者が金メダルだと思われる。

 

この三人が演技をまとめられなかったりミスが相次いで昨年の世界体操のように上位陣が牽制しあってDスコアを抑えてくるようだとD6.4〜D6.6のその他有力選手にもチャンスが出てくる。

 

 

鉄棒に関しては実は内村が金メダル最有力候補だと思っている。昨年の世界体操での内村のDスコアは7.3。D7.7のズーカイやD7.6のジャンチェンロンとの差は大きく、銅メダルを獲得するのが精一杯だった。

 

しかし内村は世界体操後にF難度のリューキンを取り入れた新構成でDを7.7まであげてきた。世界トップは確実に近づいている。ただズーカイもDを7.9まで上げ、ファビアンハンビュッフェンやゾンダーランドも今年に入ってD7.7の構成をやっている。

 

 

金メダルのためにはD7.5以上は必須だろう。よって優勝候補はD7.9のズーカイにD7.7の内村、ジャンチェンロン、ハンビュッフェン、ゾンダーランドの五人に絞られたと言ってもいい。

 

順当にいけばやはりDで勝るズーカイが有利なように見えるが、床と同様にズーカイのきったない演技(失礼w)と内村の綺麗な演技を比べればD0.2差くらいはEスコアでひっくり返せる。

 

ジャンチェンロン、ハンビュッフェン、ゾンダーランドも内村ほど綺麗な演技はできないだろう。もし内村が完璧な演技を出来れば金メダルを獲れる確率は非常に高い。

 

 

体操メダル予想まとめ

 

というわけで結局体操では金メダルをいくつ獲れるのか、ということですが・・・。

 

個人総合は確定として有力は床、平行棒、鉄棒の3種目。ただ種目別は一つのミスで優勝候補がメダル無しに終わるほどシビアな戦いになる。これらの種目を金有望だからといって予想に全て組み込んでしまうのは怖い。

 

 

リアルな予想をするならば個人総合に加え、団体、床、あん馬、平行棒、鉄棒のどれかで金一つの合計二つくらいにとどめておくのが無難でしょうか。

 

もちろんこれら全てで獲れる可能性もありますし、逆に個人総合以外金は獲れない可能性もある。体操の金メダル数は1〜5くらいまで揺れ動いてもおかしくないくらい予想が難しいです。

 

 

よって気持ちとしてはもちろん金メダルラッシュを期待していますがwシビアに予想して金2個ということで!

 

今回は体操だけで語りすぎてしまったので第三回目に続きますw。

 

 

 

 

 

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