ロンドン五輪金メダル獲得数予想3(レスリング、陸上)

ロンドン五輪金メダル獲得数予想3(レスリング、陸上)

さて第一回の柔道、水泳編と第二回の体操編に続きまして、本日はレスリングと陸上を予想します。

 

 

柔道、水泳、体操以外に金メダルが有望な種目はレスリング。特に女子はアテネ、北京と二大会連続で金2、銀1、銅1という成績。今大会も2ないし3は獲るでしょう。

 

 

最も有力なのは女子63kg級の伊調馨。現在不戦敗を挟んで149連勝中。昨年の世界選手権でも予選から決勝まで1ピリオドも奪われることなく完勝。

 

まさしく世界最強で、内村航平の個人総合と並んで日本勢で最も金メダル獲得の可能性が高い選手と言えるのでしょう。ただ腰を痛めたという情報も入っており、コンディションだけが唯一の懸念材料か。

 

 

女子55kg級の吉田沙保里も有力。

 

先日のW杯では無敗記録がストップしてしまいましたが、負けた試合は日本の団体優勝が決まった後の消化試合であり、当日の吉田は貧血でコンディションが悪く、相手のジョロボワは体重2キロ超過が許されていたというルールだったため、あまり気にする必要はない。

 

実力では間違いなく世界一といえる。

 

ただ吉田の高速タックル対策として各選手がタックル返しを練習して対策を立ててきているのも事実。吉田がタックル返し対策をさらに対策できるならば磐石になるが。

 

 

女子48kg級の小原日登美も昨年の世界選手権覇者であり、金メダル最有力候補。ただし伊調や吉田ほどの完勝ではなく、ライバルとの実力差はそれほど大きくない。

 

本命小原というのは動かないだろうが、初の五輪出場かつ優勝候補というプレッシャーをはねのけられるかどうか。

 

 

金有力と言われるのはこの3階級。72kg級の浜口京子は厳しいか。現実的にはメダル獲得が目標だろう。最後の金メダル挑戦となるので頑張って欲しい。

 

 

男子レスリング

 

男子レスリングも14大会連続でメダルを獲得している得意種目。今回も9選手が15大会連続のメダル獲得を目指す。

 

金メダルを狙える選手というと、まず昨年世界選手権で銀メダルを獲得したフリー66kg級の米満達弘。米満は昨年世界選手権優勝者のタガビーと対戦成績が2勝2敗。金メダルは十分狙える。

 

その他にも北京銅の湯本健一、世界選手権で5回優勝しているスーリヤンに二度勝利している長谷川恒平、2010年世界選手権銀の松本隆太郎などもメダルに手が届く選手だろう。

 

 

予想としてはレスリングで金2と予想する。吉田、伊調、小原の3人中2人は確実に獲るだろうと考えてこの数字。

 

もちろん三人とも獲る可能性もあるし、男子でも獲る可能性がある。ただ柔道、水泳でわりと甘めの予想をしたのと、過去二大会3と予想して結局2に終わっているということもありw今回は2という予想にしておく。

 

 

陸上競技

 

続いては陸上競技。ここではやはり昨年の世界陸上で金メダルを獲得した室伏広治に期待がかかる。今年のベストは72m85で不調じゃないかと言われることもあるが、調子自体は問題無いだろう。

 

この記録だった日本選手権は雨の中の試合であり、怪我防止のため力を抑えて投げたと語っていた。また調子的には昨年の日本選手権同様78mは投げられるくらいの調子だったとも。五輪本番でも間違いなく80mは軽く越えてくるだろう。

 

 

ただ今年はライバルの調子が非常に良い。イワンティホンが82m81、クリスチャンパルシュが82m28を投げている。いずれも昨年の世界陸上で室伏が優勝した時の81m24という記録を上回っている。

 

本番でも優勝ラインは82mを越えてくるだろう。室伏は80mは投げるはず。ただ82mを越えられるかどうかはわからない。真価が問われるところである。

 

 

男子やり投げもディーン元気と村上幸史の二人にメダル獲得の期待がかかる。ただディーン元気は今期世界ランク11位。村上は13位。現実的には金メダルは相当難しい。メダルが獲れれば御の字だろう。

 

今期85mを越えている選手は6人。昨年世界選手権も3位が84m30だったため、今回も85mを越えればメダル獲得の可能性が高まる。ディーンのベストは84m28、村上のベストは83m95なので二人で切磋琢磨して85mを越えていってもらいたい。

 

 

女子マラソンも金は難しいだろう。金メダル争いとなると2時間20分を切っているロシアのショブホワ、ケニアのキプラガト、ケイタニー、エチオピアのゲラナ、メルギアらの争いに絞られる。

 

2時間23分台の重友梨佐や24分台の尾崎好美が優勝争いに絡めるような状況ではない。

 

ただ夏場の暑く足元も悪いロンドンの街ということで粘りのレースになれば日本勢にもメダル獲得のチャンスはある。ただ粘りのレースになった場合はかつてマラソン4強と呼ばれた中国の周春秀などもおり、やはり厳しい戦いになる。

 

 

男子マラソンもケニア、エチオピアが強すぎてどうしようもない。ベストが2時間3分、4分台のアフリカ勢に対して藤原新は7分台。

 

今年の東京で3分台のハイレゲブレセラシエに勝った時のように上位がハイペースで自滅したところを拾えればチャンスはあるかもしれないが、現実的には入賞が目標だろう。

 

 

前回北京で銅メダルを獲得した男子4継もメダル獲得はかなり厳しい。昨年の世界陸上では久々に予選落ち。昨年に比べて大学生の山縣亮太、飯塚翔太が加わったことで戦力はあがり決勝には進めるだろう。

 

しかしジャマイカ、アメリカにはまず勝てず、フランス、トリニダートトバゴも日本より走力は上。日本は38秒台前半を最低でも出した上で上位陣のミス待ちという面がある。

 

 

あとは男子400Hの岸本鷹幸にも入賞の期待がかかる。日本選手権決勝で出した48秒41は昨年の世界陸上で銀メダル相当のタイム。今期世界ランクでも3位であり、為末大も成し得なかった五輪でのメダル獲得というのも夢ではない。

 

デイビッドグリーン、ハビエルクルソン、バンジル、バーションジャクソンら岸本より地力に勝る選手は多いが意地を見せて欲しい。

 

 

というわけでまとめると陸上では金メダルを計算できない。現実的には室伏次第だが室伏も確実に計算できるほど他国の選手より強いわけではないので致し方ないだろう。

 

 

次回は柔道、水泳、体操、レスリング、陸上以外のメダル有力種目をまとめて紹介します。

 

 

 

 

 

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