ロンドン五輪初日の考察(柔道、競泳、体操、ウエイトリフティング、女子サッカー)

ロンドン五輪初日の考察(柔道、競泳、体操、ウエイトリフティング、女子サッカー)

ロンドン五輪初日はかなり厳しい展開になりましたね。

 

柔道では大本命だった福見友子がメダルすら逃す。準決勝でドゥミトルに負けた時点で気持ちが折れてしまったように見えました。

 

 

序盤に相手を様子見していたらいきなり指導を貰ってしまい、焦って出たところで技を決められて技有りを取られてしまう。

 

これまでは常に自分が優勢な展開ばかりで、いざ劣勢に立たされた時に対処ができなかったですね。序盤から技が切れていなかったですし、いくら本命とはいっても強敵相手に一本を取れる技を持っていないのは厳しい。

 

 

しかし男子では平岡拓晃が銀メダルを獲得!福見が逃した分をカバーして柔道に流れをもたらして欲しいと思っていたので残念ではありますが、一度敗退の危機から復活して決勝まで進めたのは見事でした。

 

決勝も開始直後の落ち着かないところを一本でやられてしまって悔いの残る展開だったかもしれませんが、実力は出し切れたと思います。ガルスチャンも強い相手ですから相手を褒めるしかない。

 

 

しかし男子ではソビロフが、女子では福見が金を逃すなど今大会の柔道は波乱の展開になるかもしれませんね。

 

 

続いて女子ウエイトリフティングでは三宅宏実が銀メダルを獲得!これは素晴らしい!入賞はできるけどメダルはやや厳しいとか言ってすいませんでしたw。

 

親子二代でのメダル獲得は見事。一位の中国の選手は強かったですが、日本新を連発しての銀メダルは持てる力を全て出し切れた結果だと思います。

 

 

萩野がフェルプスに勝って銅メダル

 

競泳では17歳の萩野公介がマイケルフェルプスに勝って銅メダル獲得!予選、決勝と連続で日本記録を更新。大会前は4分10秒台だったのがいきなり4分8秒台まで乗せてきましたからね。まさに上り調子の恐るべき17歳です。

 

思い出すは12年前のシドニー五輪。当時17歳だった北島康介は4位入賞。そしてその後の活躍はご存知の通り。萩野は17歳の北島が取れなかったメダルを獲得してしまいました。

 

ライアンロクテの壁はまだまだ厚いですが、いつかロクテを越える時、萩野が新たな競泳日本のエースとして中心になってくれることでしょう。

 

 

そんな北島は準決勝を6位と苦戦しつつも決勝進出。メダルの可能性は十分あると思いますが金となると少々厳しいか。

 

昨日は「北島が59秒5を切って他の選手が切れなければ金の可能性高い」と書きましたが、実際は北島は切れずにキャメロンファンデルバーグとスコッツォーリの二人が切る。

 

 

特にファンデルバーグは58秒83という北島の自己ベストを上回る五輪新記録を出した。この選手に勝つには北島も決勝で自己ベストを出すしかない。かなり厳しい条件だが競泳界初の五輪三連覇を達成して欲しい!

 

ちなみにスコッツォーリとファンデルバーグは昨年の世界水泳で2位と3位。言われてみれば当たり前ですがダーレオーエン選手の悲報は北島だけではなくこの二人も奮起させていたんですね・・・。

 

 

そして女子400メートルフリーリレーは日本が見事7位入賞を果たしました。日本のこの種目の決勝進出はメキシコ五輪以来。お見事でした。

 

日本勢以外では男子400M自由形で中国のソンヨウが世界記録にあと少しと迫る五輪記録で優勝。また女子400M個人メドレーでは中国のヨウシブンが世界記録で優勝と中国勢が強さを見せ付けました。

 

 

ミスが続いた体操男子団体予選

 

体操は団体予選が終了。日本はミス続きでかなり厳しい展開になりました。特に鉄棒で内村航平が落下して種目別決勝を逃してしまったのが痛い。内村は鉄棒の金メダル大本命といってもいい存在だったのですが・・・。

 

内村は結局あん馬、平行棒の種目別を逃したので個人総合と床だけ。団体に加えてこの二つでいつもの内村の演技を見せて欲しい。

 

 

また山室光史の吊り輪、跳馬も逃してしまったため種目別でのメダルラッシュというわけにもいかなくなりました。

 

しかし光が見えたのが平行棒。田中兄弟が素晴らしい演技をして予選1,2位。大本命と言われていた中国のフォンツィーを上回りました。二人が予選と同じような演技を種目別でもできれば金メダルとれると思うので頑張って欲しい。

 

 

演技全体に関してはEスコアがかなり厳密な採点をされている印象。ミス無くできれば高得点が出ますし、ミスが出ればかなり減点される。

 

しかしこれで審判の傾向はわかったはずです。Eスコアが厳密に採点されるということは日本が本来の美しい体操を行えれば高得点は出るということ。

 

今回の予選で厄落としができたと考えて団体では美しい演技をして金メダルを期待したいですね!

 

 

なでしこジャパンはスウェーデン相手に引き分け。2位通過でも問題無いのでこの引き分けは想定内です。次の南アフリカ戦はメンバーを落とすでしょう。

 

 

明日の見所

 

さて明日の競技の見所です。

 

 

柔道女子では前回銅メダリストの中村美里が登場。このクラスも日本勢が圧倒的に強い階級で中村も金メダル候補筆頭。メダルを逃した福見の分まで金メダルをきっちり獲得して柔道勢に良い流れをもたらして欲しい!

 

初戦でいきなり前大会敗れたアンクメ、ベスト8ではネトとあたります。この二人は侮れない。いきなり初戦敗退だってありえる組み合わせです。

 

ただし地力では中村が上。ネトに勝ってベスト4にさえ進めればそのまま勢いに乗って勝てそうなので期待していいかと思います。

 

 

柔道男子では昨年の世界柔道優勝者である海老沼匡が登場。海老沼はベスト4であたるであろうツァガンバートルハシュバートルが最大の山場になる。

 

ツァガンバートルと海老沼の力量はほぼ五分。ここさえ乗り越えれば決勝にあがってくることが予想されるロシアのモグシコフはツァガンバートルよりやりやすいはず。力を出し切れば金メダルの獲得は十分可能だと思います。

 

 

競泳では北島が金メダルを目指して100m平泳ぎ決勝を泳ぎます。先述した通り金メダルはかなりハードルが高くなりましたが、持ち前の勝負強さでなんとか頑張って欲しい。

 

また男女背泳ぎ100mの予選、準決勝も行われます。メダル候補となる入江陵介、寺川綾はまずはきっちり決勝進出を決めて欲しい。

 

入江のライバルはカミーユラクール、マシューグレイバーズ。寺川のライバルはミッシーフランクリン、アナスタシアズエワ。このライバル選手の泳ぎにも注目してみてください。

 

男子100背は52秒台、女子100背は58秒台を準決勝で出す選手がいたらその選手が間違いなく優勝候補になるはずです。

 

 

初戦スペインに勝った男子サッカーはモロッコと対戦。スペインに勝って予選リーグ突破に向けて大きく近づきましたが、もう一度気を引き締めて戦って欲しい。

 

ここで勝てば予選通過が確定です。勝てれば三戦目にメンバーを休ませながら戦うこともできると思うのでしっかり勝ちきって欲しいですね。

 

 

あとはウエイトリフティングで美人リフターとして話題の八木かなえが登場。

 

体操の女子団体も予選があります。まずはしっかり決勝進出を決めて貰いたい。

 

 

日本勢の活躍に期待しましょう。

 

 

 

 

 

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