ロンドン五輪十日目の考察(男子レスリング、女子サッカー、陸上、体操)

ロンドン五輪十日目の考察(男子レスリング、女子サッカー、陸上、体操)

大会十日目はメダル無しも危惧されていましたが、男子レスリングのグレコローマン60kg級で松本隆太郎が銅メダルを獲得!

 

男子レスリングでメダルを期待できるのは米満達弘、湯浅兄弟、長谷川恒平あたりかなと思っていて松本はノーマークだったのですがよく取ってくれたと思います。

 

 

これで男子レスリングは五輪で15大会連続のメダル獲得。影のお家芸ですよね。まだまだ期待できそうです。

 

そして開幕から連日続いていたメダル獲得も継続。さすがにこの日はメダルゼロが濃厚かなと思っていましたが、予想外のメダルというのは嬉しいものです。

 

 

なでしこジャパンが決勝進出

 

なでしこジャパンは準決勝でフランスに勝利して決勝進出!銀メダル以上を確定させました。

 

相手に一点返されるまでは完全に日本のペースで経験を活かした大人のサッカーという感じだったのですが、阪口夢穂のミスから失点してからは一転して厳しい試合になってしまいました。

 

本来簡単に終わらせられるはずの試合を自らのミスから難しくしてしまった。相手がPKを外してくれたのが救いでしたがあれを決められていたら負けていたんじゃないかと思います。

 

 

私はあまりオカルト的なことは信じないタイプですが、サッカーの神様がもしいるなら自分たちのつまらないミスで勝機を逸するようなチームには勝利を与えてくれないでしょう。

 

しかし相手がPKを外すという幸運に恵まれた。まだツキは残っていました。これがサッカーの神様による最後の慈悲だったのかもしれません。

 

決勝で同じようなことを繰り返してはもう勝てないでしょう。残り一試合。しっかり気を引き締めて最高の戦いを見せて欲しい。自分たちのサッカーをしっかりやれば結果は必ずついてくるはずです。

 

 

大ベテランフェリックスサンチェスが金メダル

 

陸上では男子400mHで35歳の大ベテラン、フェリックスサンチェスが優勝!これは凄かったですね。実に世界大会では2004年のアテネ大会以来となる優勝。

 

あれから8年間色々な選手が出てきました。バーションジャクソン、カーロンクレメント、アンジェロテイラー、ハビエルクルソン、デイビッドグリーンなど実に色々な選手に負け続けてきました。

 

 

過去には主要世界大会三連覇を成し遂げて無敵の王者と言われたこともあるフェリックスサンチェス。しかしアテネ以降若い選手に追い抜かれて勝てなくなった。

 

王者としてのプライドも打ち砕かれたことでしょう。すでに齢35歳。サンチェスはもう終わったという雰囲気を感じることもあったでしょう。

 

それでも諦めることなくじっと耐えて競技を続けてきたフェリックスサンチェス。自らが持てる力を発揮できるよう常に努力を続けてきた。それが今大会で花開いたような気がします。この優勝には本当に感動しました。

 

 

男子400mではグレナダのキラニジェームズが昨年の世界陸上に続いて優勝。43秒94というタイムは凄い。久しぶりに43秒台を見ました。

 

まだ19歳と若いので今後しばらくはキラニジェームズの天下になるかもしれませんね。マイケルジョンソンの伝説的な世界記録に挑んでいってほしい。

 

 

女子棒高跳びはアメリカのジェニファーサーが優勝。世界記録保持者で五輪三連覇を狙ったエレーナイシンバエワは銅メダルに終わりました。
陸上女子で三連覇は今まで無いそうです。やはり難しいのでしょうね。ただ去年の世界陸上の記録無しからよく立て直したと思います。

 

また女子3000m障害はロシアのザリコワが優勝しました。

 

 

体操は段違い平行棒の鶴見虹子が七位。メダルに絡むとなるとDをあと0.3ほど上げなければ厳しいでしょうか。今後に期待です。

 

男子の吊り輪では絶対王者のチェンイービンを破ってザネッティが優勝!ザネッティはブラジルにとって初めてとなる体操のメダルを金メダルという形でもたらすことができました。

 

 

男子の跳馬ではヤンハクソンが優勝。D7.4のヤンハクソンを大過失無しでまとめて、D7.0のロペスを着ピタしたらさすがに勝ちますよね。
D7.2のリーシャオペンをまとめてD7.0のルーユーフを着ピタしたデニスアブリャジンも見事でした。アブリャジンは床や吊り輪でも種目別に残っていますし、これから個人総合でも内村のライバルになってきそうです。

 

 

ボクシングでは男子ミドル級で村田諒太が準々決勝に勝利してメダル確定。清水聡に続くメダル確定でボクシングでの複数メダルは史上初となります。昨年の世界選手権銀メダリストという力を発揮して頂点まで駆け上がって欲しい!

 

 

本日の見所

 

さて本日の見所です。

 

卓球女子団体は決勝で対中国。正直力の差は大きく、順当にいけば3−0のストレート負けだと思います。なんとか意地を見せて思いっきり戦って欲しい。当たって砕けろの精神で中国の壁を打ち破って欲しいですね。

 

 

男子サッカーは準決勝でメキシコと戦います。メキシコも非常に強い相手ですが大会前に戦っていますし具体的なイメージはもう出来ているはず。

 

とにかく早い時間帯で先制点を取られてゲームプランを崩されることだけは避けたい。相手は準々決勝でセネガルと延長戦にもつれ込む120分の戦いをしています。

 

 

体力的には日本の方が有利なはず。時間が経てば経つほど、0−0の時間が長くなればなるほど日本は走り勝てるでしょう。

 

永井謙佑の怪我など不安要素もありますが、相手も出場停止が一人出ていますし、ここまできたらもう総力戦です。

 

もし明日負けてしまったら最高でも銅メダル。メキシコ大会に並ぶだけです。新たな歴史を作るには勝つしかない!そして決勝でブラジルと戦いたい!男女アベック金メダルの夢を繋ぎたい!

 

 

体操では種目別決勝の平行棒、鉄棒があります。平行棒では田中兄弟が出場。予選1位、2位なのでメダルの期待は大。金メダルの可能性だってあります。

 

優勝候補は中国のフォンツィー。Dスコアはおそらく6.9、もしくは7.0をやってくる可能性もあります。この難度を完璧にこなされるとちょっと勝てない。

 

 

ただこの難度ではミスも出やすくなる。Eスコアが下がればDスコア6.8を持つ田中和仁にもチャンスが出てくる。田中和仁も美しい体操をするのでミスが出なければ色はともかく田中和仁のメダル獲得は固いと思っています。

 

田中佑典は予選一位だった時の演技がD6.4。決勝では屈伸モリスエを入れたD6.6の構成にあげてくるかもしれません。

 

金メダルとなると厳しいかもしれませんが、ミス無く美しい演技をすればメダルに手が届くチャンスはあります。理想をいえば兄弟で金銀独占!頑張って欲しい。

 

 

鉄棒は残念ながら日本人の出場はなりませんでしたが、各国のスペシャリストのハイレベルな技は見ごたえがあります。

 

特に注目して欲しいのはオランダのユプケゾンダーランド。カッシーナ+コバチ+コールマンという離れ技三連発で組み合わせ加点を取ってくるDスコア7.9の構成をやるという情報を聞いています。本当に見ただけで凄さがわかると思うので注目してみて欲しいです。

 

ただゾンダーランドはミスも多いので優勝はDスコア7.9ありながらあまりミスをしない中国のズーカイかなという感じがします。D7.7のジャンチェンロンやファビアンハンビュッフェンもメダル争いには絡んでくるでしょう。

 

 

陸上での注目種目はまず女子100mH。去年の世界陸上で圧勝したオーストラリアのサリーピアソンが五輪でも勝てるかどうか。実力的には抜けているので、個人的には世界新記録が見たい!

 

また男子1500mや男子円盤投げ、男子走り高跳びも決勝が行われます。

 

 

男子レスリングではグレコローマン級に藤村義と斉藤哲克が出場します。力関係を考えるとやや厳しい感じもしますが、見事にメダルを獲得した松本に続けるよう頑張って欲しい。

 

本日は卓球女子でメダル獲得が確定していますが、それ以外にも男子サッカーの決勝進出や平行棒でのメダル獲得を期待しましょう!

 

 

 

 

 

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