北京五輪メダル獲得数予想 スノーボード編
北京五輪の日本のメダル獲得数予想。
本日はスノーボードのメダル獲得数を予想していきます。
まずは平野歩夢がソチ、平昌と２大会連続で銀メダルを獲得している男子ハーフパイプ。
これまでの男子ハーフパイプの進化の歴史を改めて振り返ると、2006年トリノまでは横回転のスピンが主流で横に３回転する1080を武器とする選手が多い時代でした。
それが2009年にショーンホワイトが横1080に縦2回転を加えるダブルコーク1080を実装し、2010年バンクーバーは多くの選手がダブルコーク1080を身につけて参戦して新時代を迎えます。
そんな中、ショーンホワイトはさらに回転数を増やした大技、ダブルマックツイスト1260を本番で披露して連覇を成し遂げます。
そして４年後の2014年ソチではポドラドチコフがダブルコーク1440と当時彼にしかできなかった大技を決めて優勝。
さらに４年後の2018年平昌では平野歩夢とショーンホワイトがダブルコーク1440の連続技を互いに成功させ金メダルを争いました。
このようにオリンピックのたびに大きな技術革新が起きてきたスノーボード男子ハーフパイプです。
そして今年の2022年北京で鍵になる技はスイッチバックサイドのダブルコーク1260(以下スイッチバックサイド=SWBSと表記)とトリプルコーク1440になるでしょう。
平昌五輪の後に平野歩夢やショーンホワイトがスケートボードで東京五輪を目指してスノーボードから離れた後、トップを争ったのが戸塚優斗とスコッティジェームズの二人。
そしてこの二人が武器としてきたのがSWBSでした。
４種類ある回転方向のうち、最も難しいのが通常と逆のスタンスからバックサイド側に回転するSWBS。
これまで1440はおろか1260すら実践で成功させたのは戸塚優斗とスコッティジェームズの二人だけ。
SWBSは1080すら難しく、たとえばフロントサイドからであれば1440のダブルコークが打てる平野歩夢やショーンホワイトですらSWBSは1080もルーティンに組み込むことができていません。
SWBSはそれくらい難しく点が出る技なので、SWBSができる戸塚優斗とスコッティ、そして平野流佳がメダル争いの軸になると思われており、特に1260まで回せる戸塚とスコッティが金メダル争いでは大きく有利になります。
そのSWBS組に対するは平野歩夢。十分な時間があれば平野歩夢もSWBSを習得することは可能だったと思いますが、スケートボードで東京五輪に出てからわずか半年というスケジュールでは厳しい。
そこでSWBS組に勝つために持ち込んださらなる大技がトリプルコーク1440でした。
縦の回転方向をさらに増やすというトリプルコークは前人未踏の大技。
SWBSがいくら難しいとはいえ、1260までは戸塚とスコッティが成功させています。
それと同じ土俵に上がるよりも縦回転を増やすトリプルコークの方がインパクトがありますし、高得点が出ることが予想されます。
また平野歩夢にとっても回転方向の違うSWBSを習得するよりも、元々できていたフロントサイドダブルコーク1440から縦回転を１つ増やすトリプルコークの方が成功のイメージが掴みやすかったのかもしれません。
そして今季は平野歩夢のみがトリプルコークを実践で２度成功。
これにより北京五輪の金メダル争いの趨勢が見えてきました。
まずベースとしてはSWBS1260を持っている戸塚優斗とスコッティジェームズの金メダル争いとなり、もし戸塚かスコッティにSWBS1260を決められたら、平野歩夢はトリプルコークを成功させるしかありません。
そこでトリプルコークを成功させることができたら平野歩夢が金メダルの可能性が高いです。
もしSWBS1260もトリプルコークも決まらないような試合になるならばSWBS1080を持っている平野流佳にもチャンスありといったところでしょう。
なお戸塚優斗と平野流佳もトリプルコークを習得中ということで平野歩夢がトリプルコークを成功させた場合、戸塚や平野流佳もトリプルコークにトライしてくるかもしれません。
ただ平野流佳はまだ実践で成功させておらず、戸塚はまだ実践でトライしたこともないので、二人にとってのトリプルコークは最後に逆転を賭けた一か八かのトライという扱いの技になりそうです。
次に女子のハーフパイプに目を向けると、こちらも４人全員がメダル候補という期待種目。
冨田せな、冨田るきの姉妹に小野光希、今井胡桃の４人が選ばれ、前回平昌五輪６位入賞の松本遥奈が代表から漏れるという層の厚さです。
冨田せなはＷ杯開幕戦で２位、２戦目で３位、X GAMESで優勝。
冨田るきはＷ杯２戦目で優勝
小野光希はLAAX OPENで２位と３人が表彰台を経験。
唯一今季表彰台に登っていない今井胡桃もX GAMESで４位に入っており、上位を争う力はあります。
女子のハーフパイプは絶対女王のクロエ・キムが君臨しており非常に高い壁ではありますが、銀メダル、銅メダルは十分現実味があります。
スロープスタイルとビッグエアに関しては女子にメダル候補が揃いました。
村瀬心椛、岩渕麗楽、鬼塚雅の三人はいずれも実力に遜色は無く、金メダルを争える実力もあります。
こちらは大会ごとに三人の成績を羅列した方がわかりやすいかと思いますので、以下に書いていきます。
ビッグエアＷ杯開幕戦
１位 村瀬心椛
７位 岩渕麗楽
10位 鬼塚雅
BSダブルコーク1080を決めて村瀬心椛が優勝。
ビッグエアＷ杯第２戦
１位 岩渕麗楽
７位 村瀬心椛
12位 鬼塚雅
FSダブルコーク1080とBS1260を決めて岩渕麗楽が優勝。
DEW TOURスロープスタイル
３位 村瀬心椛
５位 岩渕麗楽
村瀬心椛がジャンプセクションではSWBS180→FS720→BS900を決めて３位。
スロープスタイルＷ杯開幕戦
１位 村瀬心椛
２位 鬼塚雅
７位 岩渕麗楽
村瀬心椛と鬼塚雅がワンツーフィニッシュ。
スロープスタイルＷ杯第２戦
３位 村瀬心椛
11位 岩渕麗楽
ジャンプセクションでは村瀬心椛がFS720とBS720を決めて３位。
スロープスタイルＷ杯第３戦
４位 岩渕麗楽
ジャンプセクションでは岩渕麗楽がCAB900とBSダブルコーク1080を決めて４位。
X GAMESスロープスタイル
４位 村瀬心椛
ジャンプセクションでは村瀬心椛がFS900→SWBS900→BS900を決めて４位。
このように全ての大会で日本勢が上位に食い込んでおり、メダルの可能性は十分。
複数メダルや金メダルまで見えています。
男子については今季表彰台こそないものの國武大晃、大塚健、飛田流輝は入賞の可能性はあります。
國武大晃はビッグエアＷ杯開幕戦で７位。
大塚健はビッグエアＷ杯第２戦で９位、DEW TOURスロープスタイルで７位、Ｗ杯スロープスタイル第３戦で６位。
まずは決勝進出、そして入賞争いに入ってくることに期待です。
アルペン種目に目を向けると、大回転の三木つばきに注目。
三木つばきも18歳と若く、今季急成長してきた選手。
今季Ｗ杯では非五輪種目ながら回転で２位に入るなど表彰台を経験。
大回転でも今季最高４位と着実に実力をつけてきました。
まだ成績に安定感は無いものの、若さ故の伸び代に期待です。
スノーボードクロスでは男子の高原宜希が今季Ｗ杯で表彰台は無いものの安定して入賞を重ねており、本番での下克上を狙っています。
スノーボードのメダル獲得数予想
金メダル：１個
銀メダル：１個
銅メダル：２個
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