東京五輪から1年。各競技の現在地4 バドミントン編
東京五輪から1年後の現在地ということで東京五輪が閉幕して1年、パリ五輪まであと2年という状況で、各競技の現在地を確認したいと思います。
第4回目はバドミントン編です。
まずは東京五輪の結果をおさらいしておきましょう。
混合ダブルス 銅メダル
金を含む複数メダルを期待されながらも、結果は銅メダル一つと残念な結果になってしまいました。
しかし東京五輪後の国際大会では日本勢は好成績を残し続けており、新星も現れて明るい兆しが出てきました。
各種目ごとに現在の状況を確認していきます。
・男子シングルス
エース桃田は東京五輪前からの不調は脱せず。男子シングルスは低迷の時代に入ります。
2021年世界選手権では全員2回戦までに敗退、今年の全英オープンも桃田のベスト8が最高という結果でした。
しかし今年の地元開催となった世界選手権で復活の兆しが見えてきました。
西本拳太が初戦で世界ランキング3位のアントンセンを撃破。
さらに翌週のジャパンオープンでは初戦でインドのエース、ラクシャ・セン。
2回戦でインドネシアのエース、ジョナタン・クリスティと格上を立て続けに撃破。
さらに準決勝ではアントンセンを再び撃破し、決勝でも台湾のエース、周天成を破り、破竹の勢いでワールドツアー初優勝を成し遂げました。
西本が男子シングルスの新エースとして名乗りを挙げ、さらに若手の奈良岡功大も成長してきています。
新エース候補の西本、東京五輪代表の常山幹太、復活期待の桃田、そして若手の奈良岡と4人が中心となってパリ五輪のメダルを目指す構図です。
・女子シングルス
山口茜が有無を言わさぬ強さで日本女子のエース、そして世界最強プレイヤーとして成長しました。
東京五輪以降の大きな大会だと2021年ツアーファイナルでベスト4、2021年世界選手権で優勝、2022年全英オープンで優勝、2022年世界選手権でも優勝と文句無しの成績です。
現在の世界ランキングも1位。
パリ五輪でライバルとなるのは中国の陳雨菲、台湾の戴資穎、韓国のアン・セヨンといったあたりでしょう。
ただこの三人と比べても今の山口の実力は頭一つ抜けていると思います。
現状で山口は金メダル候補筆頭という存在です。
・男子ダブルス
東京五輪に出場した遠藤/渡辺と園田/嘉村のダブルエースは引退やペア解消などで表舞台から去りました。
代わって日本のエースとして浮上してきたのが保木卓朗/小林優吾のペアです。
2021年ツアーファイナル、2021年世界選手権を立て続けに優勝し、一気に世界のトップを狙える位置まできました。
しかし2022年に入ってからは全英オープンでも世界選手権でも共にベスト8で敗退。
男子ダブルス強国のインドネシアやマレーシア、トマス杯で初優勝して勢いに乗るインドのペアなどに敗れる大会が多くなっています。
保木/小林は現在世界ランキング2位につけていますが、もう少し成績が安定してこないとまだパリ五輪での金メダル候補と呼ぶのは早いかもしれません。
・女子ダブルス
近年バドミントンの全5種目中最も日本が世界一に近い種目が女子ダブルスでした。
しかし東京五輪では松本麻佑/永原和可那、福島由紀/廣田彩花がメダルに届かず、不本意な結果となってしまいました。
この両ペアは東京五輪後、怪我などもありしばらく大会には出ていなかったのですが、その間に志田千陽/松山奈未という新たなペアが台頭してきました。
2021年ワールドツアーで準優勝、2022年全英オープンで優勝と着実に結果を残し、現在世界ランキング4位。
日本勢最高順位へと躍り出ました。
そして松本/永原も復帰戦となった2021年世界選手権で準優勝、2022年世界選手権ではベスト4と2大会連続でメダルを獲得し、復調してきています。
福島/廣田ペアは東京五輪で負傷しながらプレーしていた廣田が大会後に手術し、廣田が復帰したと思ったら福島が左ふくらはぎを負傷。
2022年世界選手権も棄権し、現状は復活待ちという状態です。
・混合ダブルス
東京五輪でバドミントン日本勢唯一のメダルを獲得した渡辺勇大/東野有紗のペアは変わらずに世界トップクラスの実力を維持しています。
2021年ツアーファイナルで準優勝、2021年世界選手権で準優勝、2022年全英オープンで優勝、2022年世界選手権で準優勝と安定感は随一。
世界ランキングも2位につけています。
最大のライバルは2022年世界選手権決勝で完敗した中国の鄭思維/黄雅瓊になってくるでしょう。
また2021年のツアーファイナル、世界選手権の決勝で敗れたタイのデチャポル/サプシリーも強敵。
世界ランキングも1位がデチャポル/サプシリー、2位が渡辺勇大/東野有紗、3位が鄭思維/黄雅瓊となっており、現状この3ペアの実力が抜けています。
パリ五輪に向けてもこの構図がしばらく続くのでしょうか。
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