2003年親善試合 日本対セネガル戦の考察

2003年親善試合 日本対セネガル戦の考察

親善試合のセネガル戦について考察します。この試合惜しくも0−1で敗れてしまいました。前半開始早々にセットプレーから点を取られそのまま点を取れずに負ける・・・というまるでトルコ戦と同じような展開で負けてしまいました。

 

しかしそれでもあの時のトルコ戦よりは全然いい戦いが出来ていたと思います。

 

 

まずこの試合は日本の攻めのコンセプトがしっかり出来ていた。裏を狙う、サイドを突く、という攻めのイメージがしっかり出来ていてセネガルの堅いディフェンスにも関わらず決定的なチャンスを数多く作り出していました。

 

それもラインを浅く引いた相手にオフサイドトラップでうまくやられている時は中村俊輔などが一発のロングパスで一気にキーパーと一対一のチャンスを作り出す、それによって相手のラインがふらついたら山田暢久、三都主がらうまくサイドを突く、と柔軟性のある攻撃を見せていました。

 

 

しかしやっぱり問題なのは攻撃陣・・・。柳沢敦はいい動きしてましたよ。シュートを狙う積極性は今までに比べて凄く評価できますし後ろ向きでボールを受ける、という悪い癖も直っていました。

 

やっぱりイタリアでレギュラーを取るには点を取るしかない、という状況が彼を変えてくれたのでしょうか。しかし決定的なチャンスを外してしまったのは・・・。よかったんですが絶賛には至らない、という評価にしておきます。

 

対して大久保嘉人はシュート0本。もうこれだけ代表戦に出てるのだから「若いから」、「積極性が・・・」、「将来性が・・・」などという言い訳はもう通用しません。これが通用するのはせいぜい三試合まで。

 

点は取れなくてもいいからとにかくいい動き、もっと言えばチームにとって有用な動きを次戦は見せないとレギュラー落ちしても致し方ないと思います。

 

 

黒部光昭はやっぱり合ってなかったですね。まあ代表戦二試合目、しかも両方とも後半途中からの出場なのでしょうがないですけどね。動き自体はなかなかよかったです。

 

ただ後半終了間際のあのシーンはうって欲しかったですね。まさに解説の武田さんと同じ気分になりました。この事から黒部も柳沢と同じく「なかなかよかった」くらいの評価に留まりました。

 

 

あとはDFが安定してましたね。特に宮本恒靖が素晴らしかった!坪井慶介がちょっと不安定だったんですがそれをうまくカバーして、さらに三都主の不安定な守備もカバーして・・・。まさに獅子奮迅の活躍でした。

 

あと今回は三都主の持ち味のドリブル突破が久々に見れましたね。これがなきゃ三都主のいる意味はありません。素晴らしいドリブルを見せた後「なんだそりゃ!」っていうパスミスもありましたがドリブル突破をした、という事だけでも評価出来ます。

 

対して山田はなんとなく周りと1テンポずれてましたね。まあ今日の戦い方が出来れば(もちろんチャンスをきっちり決める事を前提にして)大丈夫でしょう。次に期待です。

 

 

セネガル戦の選手評価

 

曽ヶ端 5、5:出来は悪くなかったがあのコーナーは止めれたのでは?無理だとしてもあれを止めるのが一流のキーパー。そこに壁があります。
山田 5、0:攻めあがりはあった。ただ周りと攻めのリズムがズレていた。テンポよく攻めているのに山田一人のんびりしていて山田に渡った瞬間攻めが遅くなる、というのが見受けられた。守備はしっかりしていた。
宮本 7,0:完璧!今日は3バックか?と思えるほど守備時は大活躍した。ほぼノーミスとも言える今日の守備が実力なのかただ調子がよかっただけか、次の試合を見て見極めたいと思う。
坪井 5,0:危なっかしい場面が見られ突破された場面も多かった。速い選手が揃っているセネガル相手だからこそ足の速い坪井に期待していたのだが・・・。また失点シーンで相手に完璧に抑え込まれていたのも問題。勝てなくてもいいからとにかく競って相手のバランスを崩して楽させないようにしないと・・・。ここら辺が今後の課題。
三都主 6,0:ジーコジャパンになってからドリブル突破が全然見られなかったがこの試合はやっとキレのあるドリブルを見せてくれた。パスミスが多かったし守備も不安定だったがドリブル突破があっただけでまずは及第点。
遠藤 6,0:プレーもなかなかよかったし周りとのコンビネーションが格段によかった!特に俊輔とのコンビはプライベートでも仲良しなだけあって完璧!遠藤→中村ラインは今日一番安定していた日本のコンビかもしれない。
稲本 5,5:遠藤と比べて周りとのコンビが悪かった。特に中田、中村のOHとのコンビが悪い。まだW杯の夢を見ているのかパスを受けた後簡単にはたけばいい場面で変な色気出してボールをキープしようとしてしまって結果攻撃が遅れリターンを受けようとした俊輔らがDFに捕らえられ稲本自身相手のプレスで潰され・・・というシーンが目立った。
中村 6,0:ファンが期待していたようなファンタジーは無かったが素晴らしいロングパスで何度も日本の決定的なチャンスを作り出していた。
中田 5,5:今日はあまり目立ってなかった、というより消えていたといった方が正しいか。しかし目立ってないながらも随所でいいプレーを見せ惜しいチャンスもあった。
柳沢 6,0:動き出しがよく積極的にシュートをうつ姿勢も出てきたので成長を感じた。あとはゴールだけ、というよりFWとしてゴールを決めなきゃいけない。
大久保 5,0:若いからしょうがない、という言い訳はもう通用しない。というより彼自身それを言い訳にされる事を嫌がるだろう。ゴールを決めない事に世界への扉は開けない。
本山 6,5:素晴らしいドリブル突破!彼が後半入った事で攻撃パターンが増えた。このドリブルは世界を相手に戦う上で大きな武器になる。日本の切り札として定着するか?
小野 6,0:途中出場ながらチャンスを多く作り出し効果的な動きを見せた。遠藤との優劣はまだどちらとも言えないが代表に欠かせない存在だという事は再認識させられた。
黒部 6,0:動きはよかった。コンビが少々合ってなかったがそれは時間が解決する。最後シュートをうっていれば・・・。ヒーローになれた可能性があっただけに残念。個人的には黒部先発→スーパーサブ大久保の方が良いと思う。
ジーコ 6,5:本山、小野、黒部と追いつく上で必要な選手をことごとく投入。この采配は本当に素晴らしかった。

 

 

 

 

 

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