2021年レスリング世界選手権 結果まとめ

2021年レスリング世界選手権 結果まとめ

2021年のレスリングの世界選手権が終了しました。

 

日本勢の結果をお伝えします。

 

 

・男子グレコローマン

 

55kg級 松井謙 金メダル
60kg級 鈴木絢大 準々決勝敗退
63kg級 清水賢亮 銅メダル
67kg級 下山田培 2回戦敗退
72kg級 井上智裕 1回戦敗退
77kg級 櫻庭功大 準々決勝敗退
82kg級 向井識起 2回戦敗退
87kg級 鶴田峻大 1回戦敗退
97kg級 奈良勇太 1回戦敗退
130kg級 園田新 1回戦敗退

 

 

55kg級の松井が欧州王者のエミン・セフェルシャエフ(ロシア)を決勝で破って見事に金メダルを獲得。

 

優勝時の松井の年齢は20歳8ヶ月23日でグレコローマンでは日本男子史上最年少優勝となりました。

 

しかし55kg級は非五輪階級で、五輪の最軽量級は60kg級。

 

そして60kg級には東京五輪銀メダリストの文田もいるので松井にとっては五輪に出るためには階級を上げて文田を乗り越える必要が出てきます。

 

63kg級の清水は敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦をテクニカルフォールで勝って優勝。

 

63kg級は非五輪階級であり60kg級には文田がいるので、パリ五輪は67kg級で目指すことになると思われます。

 

67kg級は東京五輪に選手を送り込むこともできなかった階級なので、まだ22歳と若い清水が銅メダルを取ってくれたのは明るい兆しと言えるでしょう。

 

ちなみに清水賢亮選手は長野五輪スピードスケート男子500m金メダリストである清水宏保氏の甥にあたるそうです。

 

 

・男子フリースタイル

 

57kg級 阿部敏弥 準々決勝敗退
61kg級 長谷川敏裕 銅メダル
65kg級 山口海輝 2回戦敗退
70kg級 基山仁太郎 1回戦敗退
74kg級 佐藤匡記 2回戦敗退
79kg級 吉田隆起 5位
86kg級 石黒隼士 2回戦敗退
92kg級 大津拓馬 1回戦敗退
97kg級 石黒峻士 2回戦敗退
125kg級 山本泰輝 2回戦敗退

 

 

日本のメダルは61kg級の長谷川敏裕の銅メダルのみ。

 

男子フリースタイルは2019年大会ではメダルを逃しており、2大会ぶりのメダル獲得です。

 

61kg級は非五輪階級のため、長谷川は57kg級か65kg級のどちらかで五輪を目指すことになるでしょうか。

 

しかし57kg級には高橋侑希、65kg級には乙黒拓斗と二人の世界トップクラス選手がいます。

 

また79kg級で5位と好成績を残した吉田隆起ですが、ここも非五輪階級です。

 

 

 

・女子フリースタイル

 

50kg級 吉元玲美那 金メダル
53kg級 藤波朱理 金メダル
55kg級 櫻井つぐみ 金メダル
57kg級 南條早映 銅メダル
59kg級 花井瑛絵 銀メダル
62kg級 尾ア野乃香 銅メダル
65kg級 森川美和 銀メダル
68kg級 宮道りん 銀メダル
72kg級 古市雅子 金メダル
76kg級 松雪泰葉 準々決勝敗退

 

 

圧倒的な強さを見せた日本女子。中でも藤波は11-0、10-0、10-0、10-0で全試合テクニカルフォール勝ちでの優勝。

 

オリンピックでの須崎を思い出させるような圧巻の勝ちっぷりでした。

 

この階級にはオリンピック金メダリストの向田真優もいますが、今やれば藤波の方が強い可能性もあります。

 

50kg級の吉元は決勝でオリンピック銅メダルのヒルデブラントに勝利して優勝。

 

しかし50kg級は須崎がいる階級なだけに吉本か須崎のどちらかしかパリ五輪に行けないというのが日本にとって嬉しい悩みです。

 

55kg級の櫻井も決勝でテクニカルフォール勝ちするなど危なげなく優勝。

 

55kg級は非五輪階級ですが下の階級には藤波がいるので、まだ上の57kg級でパリを目指す方が可能性はあるでしょう(57kg級にも川井梨紗子がいますが・・・)

 

65kg級の森川は世界ジュニア・チャンピオンのイリナ・リンガシ(モルドバ)に決勝で敗れたものの銀メダルを獲得。

 

森川は土性沙羅と東京五輪出場を賭けてプレーオフで争った選手。年齢的なことを考えるとまだ22歳と若い森川は再び68kg級で五輪を目指すことになるのではないでしょうか。

 

68kg級で銀メダルを獲得した宮道も21歳と若いので、パリ五輪の68kg級は森川と宮道の争いになるのではないでしょうか。

 

そうなってくると必然的に非五輪階級の72kg級で優勝した古市は76kg級でパリを目指すことになるのでしょう。

 

 

 

 

 

関連ページ

2021年レスリング世界選手権 出場選手紹介
レスリングの世界選手権が10/2からノルウェーのオスロで開催されます。3年後のパリ五輪に向けた最初の国際大会。日本は五輪出場組を派遣せず、若手主体のメンバーで臨みます。今大会の出場選手を一通り紹介致します。
2021年スポーツクライミング世界選手権 結果
2021年のスポーツクライミング世界選手権がモスクワで行われました。日本選手を中心に各種目の結果をまとめます。
私は川口能活が好きだった -川口能活選手引退に寄せて-
先日川口能活選手が引退を発表した。私は川口能活選手が大好きだった。1986年生まれの私の最も古いサッカー観戦の記憶は1995年のアトランタ五輪予選、日本対サウジアラビアの試合になる。
2015年ラグビーワールドカップツイートまとめ
ラグビー凄いな。南アフリカに勝つとはposted at 07:45:36ラグビー凄すぎる。凄すぎる。posted at 14:51:46私はラグビーはそれほど詳しいわけではない。しかしどんなラグビー素人でも凄さが伝わるような試合だったposted at 15:03:18
カズは引退すべきと発言した張本氏に喝
物議を醸している張本氏の「カズは引退すべき」発言。山本昌が勝利した時はあっぱれを入れるのにカズがゴールしたら時にはこの発言。いくら野球出身者だからとはいえ他競技のリスペクトに欠けすぎているのではないかと思う。喝だ。
レスリングの五輪種目除外は本当に日本潰しなのか?
昨日のIOC総会でレスリングが五輪の中核種目から除外され、2020年五輪に実施されない可能性があるというニュースが日本スポーツ界を大きく動かしました。この問題はスポーツファンの一人として大きな問題だと思っています。レスリングは五輪の歴史や競技としての性質から考えても、陸上、競泳、体操、サッカーの次に欠かせない競技だと思いますし、近代五種やテコンドーやホッケーなどが残されてレスリングが除外される理由は絶対に無いはずだと思います。