カタールW杯アジア最終予選 ホームオーストラリア戦雑感
カタールW杯アジア最終予選の4試合目、ホームのオーストラリア戦。
ここまで1勝2敗、2位との勝ち点差6と早くも崖っぷちに追い込まれた中での試合、勝てなければ地力2位が消滅していた試合でした。
スタメンは以下の11人。
権田、酒井、吉田、冨安、長友、遠藤、田中、守田、南野、伊東、大迫。
フォーメーションをトリプルボランチの4−3−3に変えてきました。
これは守備を固めたいという意図もあったのでしょうが、久保が不在で鎌田もトップ下でここまで良いプレーができていなかったことから、トップ下を入れないフォーメーションにしたという意図もあるのでしょう。
しかしここまで親善試合でほとんどやってこなかったフォーメーション、しかも勝たなければいけない試合で守備的なトリプルボランチというのは一抹の不安を感じさせるスタメンになりました。
試合は序盤から日本がペースを握り、前半10分過ぎに早々と田中碧が先制点を決めます。
このように早い時間帯でリードできると守備の安定を重視したトリプルボランチというシステムが活きてくる展開になります。
さらに日本がほとんど使ってこなかった4−3−3というフォーメーションは相手にとっても想定外だったようで、相手の3バックが日本の前線3人をなかなか捕まえられず、攻撃でも良い形を多く作り出していました。
試合の流れを考えると相手が日本の攻撃を捕まえられていない時間帯に畳みかけて追加点を取りたい展開でしたが、しかし日本はここで攻撃のペースを落としてしまいます。
前を向いて速攻を仕掛けられるようなタイミングでも一度スピードを落としてバックパスから攻撃を組み立て直すようなシーンが目立ち、安全策を取り過ぎるように見えました。
攻める時に攻めきらず、自分たちでペースを落としてしまうと試合をコントロールしていても相手の一発の攻撃にやられてしまうリスクが出てきます。
実際に前半はオーストラリアのシュートがポストを叩くようなあわやという場面を作られ、リードしているものの嫌な空気感のまま前半を終えます。
後半も同じような展開で試合は支配しているけど点を決めきれないという嫌な流れに。
そして長友が一人プレスにいったところを誰もカバーできず裏に空いた守備の穴を突かれると、そこから相手に直接FKを与えてしまい、1−1の同点に。
前半から恐れていた展開が現実になってしまいました。
この後は慌てて攻めますが、そもそも追い付かれてから慌てるくらいなら最初から取れる時に取り切っていれば良かっただけの話。
オマーン戦もサウジアラビア戦もオーストラリア戦も試合は支配しているのにワンチャンスでやられるというチームとしての試合運びの悪さを露呈してしまっています。
展開的にはこのまま引き分けとなって2位以内が絶望となる流れでしたが、しかし追い込まれた日本も必死に攻撃を繰り返します。
そんな日本にフットボールの女神が微笑んだのか、浅野のシュートから相手のオウンゴールを誘い試合終盤に勝ち越しゴールを決めることができました。
これで日本は2勝2敗の勝ち点6となり、オーストラリアとの勝ち点差を3まで詰めました。勝てたことは本当によかった。
とはいえオーストラリアのチャンスらしいチャンスは前半のポストに当てたシュートと決められた直接FKの二つくらい。
対して日本は多数のチャンス、決定機を作り出しており、展開的にも戦力的にも本来は勝って当たり前の試合でした。
まだまだ課題の残る内容ではありますが、それでもこの試合は勝って勝ち点3を得たという事実で良しとしましょう。
来月はベトナムとオマーン相手にアウェーの連戦。
アウェー戦とはいえ2連勝しなければいけないシリーズになります。
ここまで勝ち点0のベトナム相手に勝ち点を落とすようでは話にならないですし、オマーンにはホームで負けていますからアウェーで取り返さなければいけません。
勝ち点6はマストという気持ちで戦って欲しいですし、勝ち点6を取れれば2位圏内に浮上する可能性も出てきます。
これからも勝たなければいけない試合が続きますが、本来の日本の強いサッカーを取り戻して欲しいですね。
なおグループの他の試合はオマーン3−1ベトナム、サウジアラビア3−2中国という結果。勝ち点だけを示すと以下の通りとなります。
サウジアラビア 12
オーストラリア 9
オマーン 6
日本 6
中国 3
ベトナム 0
またA組はイラン1−1韓国、シリア2−3レバノン、UAE2−2イラクという結果になりました。順位は以下の通りとなっています。
イラン 10
韓国 8
レバノン 5
UAE 3
イラク 3
シリア 1
イラン、韓国は痛み分けで着実に勝ち点1を積みます中、レバノンがアウェーでシリアに勝利。
3位争いを見据える上でも大きな勝ち点3であり、レバノンはホームで韓国を叩ければ2位も見えてくるという状況になってきました。
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