2010年W杯アジア最終予選 日本対バーレーン代表戦の考察(アウェー)

2010年W杯アジア最終予選 日本対バーレーン代表戦の考察(アウェー)

さて日本時間今朝未明に行われた2010年南アフリカW杯アジア最終予選の初戦アウェーでのバーレーン代表戦は3−2で勝利!とりあえずバーレーン代表相手にアウェーで勝ち点3をとれたことは素晴らしい。

 

いつも私が言っていることですが「取れる時に点を取っておかないと必ず痛い目をみる」ということが見事に当てはまった試合だと思いました。

 

 

前半は開始直後から日本代表が攻めていました。ここで点がとれず0−0のまま後半にいくようだと3月の敗戦と同じような流れになってしまいそうでしたが中村俊輔の見事なFKで先制!

 

そして日本が先制した後はバーレーン代表が攻勢に。しかし日本代表のゴールをわることができない。取れる時に取れなかったら痛い目を見る、その言葉通りに前半終了間際に遠藤保仁のPKが決まってまさにバーレーン代表にとってみれば痛い目をみた。

 

 

さらに後半。開始直後からずっと攻め立てるバーレーン代表ですがここでも点をとることができない。

 

ここで点をとって2−1にすれば日本代表にとって難しい戦いになったと思いますが点をとれなかったことで完全にオーバーペースで攻めたツケが出てしまってスタミナ切れ。

 

そこを中村憲剛が相手のスタミナ切れでプレッシャーをまったくかけられない位置からのミドルシュートで3−0。取れる時に取っておかなかったバーレーン代表が二度痛い目を見て終了…になるはずだった。

 

 

最終予選の怖さ

 

ところがここで終わらないのが最終予選の怖さ。3−0にして油断した日本代表のスキを突いてきて1点を返されると焦った日本代表が自滅してオウンゴール。瞬く間に1点差に。

 

この2失点の原因となったのは内田篤人に今野泰幸、そしてトゥーリオ。

 

 

最終予選は怖い、と誰もが口にするもののこの三人は初めての最終予選。最終予選の怖さを肌で感じてはいなかった。

 

だからこそ疲れと油断で一瞬集中力が途切れたところを狙われてしまった。最終予選を戦う上で絶対に集中を切らしてはいけないと肌で感じることができたでしょう。

 

 

この2失点は今後の教訓になったと思います。しかしそんな悠長なことも言ってられない。もし最後得失点差の争いになったらどうする?1点足りずに3位通過ということになったら?重々反省しなければならない。

 

 

まあとはいえ勝ち点3を持ち帰れたという結果だけを見れば素晴らしい。今後の展望になりますがA組もう一つのカタール代表対ウズベキスタン代表はカタール代表が3−0と完勝。次節は日本はお休みで

 

カタール代表対バーレーン代表
ウズベキスタン代表対オーストラリア代表

 

 

という組合せ。中三日ということを考えると日本代表がバーレーン代表に喫した二失点はある意味この組み合わせに与える影響という一面のみにおいて日本代表に有利に働くかもしれない。

 

 

というのはもし日本代表対バーレーン代表が3−0のままで終わっていたらホームで完勝して勢いに乗っているカタール代表対ホームで完敗して意気消沈しているバーレーン代表がカタール代表のホームで対決、ということになりカタール代表の勝利が堅いものとなるでしょう。

 

 

となるとカタール代表勝ち点6、バーレーン代表勝ち点0となりバーレーン代表が早々と厳しい立場に追い込まれカタール代表が日本代表、豪州代表の2強に割って入ることになる。

 

5チーム中2チームがいけるということを考えると早々と脱落国を出して確率を減らすよりは他の4チームが潰しあってくれた方がありがたい。

 

 

そこでバーレーン代表が日本代表に対して土壇場でとった2点が活きてくる。あの2点は日本代表のミスとはいえバーレーン代表にとっては3−0で終わるか3−2で終わるかでまったく気の持ちようが違ってくる。

 

3失点して失いかけた自信を最後日本代表を追い詰めたということで取り戻したと考えればホームのカタール代表相手でも引き分けくらいに持ち込むことは十分考えられる。

 

 

そしてウズベキスタン代表としてもオランダ代表に勝った豪州代表は脅威ですがホームなのだから引き分け以上も十分に考えられる。
とにかく日本代表にとって嫌な展開なのはカタール代表とオーストラリア代表が勝って一気に3強に絞られてしまうこと。それよりは二試合とも引き分けだったりウズベキスタン代表やバーレーン代表が勝ったりしてグループ内の勝ち点を平均化させてもらった方がいい。

 

 

なぜならそうなれば通過ラインのボーダーも下がることになるので日本代表のような地力があって勝ち点がきっちり計算できる国にとって有利になるから。10日の試合は日本代表がお休みだとはいっても目の離せない二試合になりそうです。

 

 

2試合で勝ち点4ずつ取っていくのがノルマ

 

また日本の今後の7試合に目を向けていくと2試合を勝ち点4ずつで区切っていくノルマが見えてくる。

 

具体的にはホーム二戦目のウズベキスタン代表戦、アウェー三戦目のカタール代表戦で勝ち点4

 

 

次のホーム四戦目オーストラリア代表戦、ホーム五戦目バーレーン代表戦でも勝ち点4

 

さらにアウェー六戦目ウズベキスタン代表戦、ホーム七戦目カタール代表戦でも勝ち点4

 

 

この2試合で勝ち点4をとるというのが重要なボーダーになると思います。目論見通りこれを達成できれば上記した4×3に今回のバーレーン代表戦の勝利の3を足して勝ち点15。

 

今回と同じ5チームで行われた97年の最終予選はA組2位の日本代表が勝ち点13、B組2位のイラン代表が勝ち点12だったことを考えるとこの勝ち点15をとれればほぼ安全圏と言えるでしょう。

 

そして何より日本の最終戦はアウェーでのオーストラリア代表戦。この段階まで通過を決められないというのは絶対に避けたい。

 

 

そういう意味で今後の2試合を見ていくと今まで一度も勝ったことのないカタール代表相手にアウェーで勝つよりもホームでウズベキスタン代表に勝つ方が確実なのは明白。次戦は絶対勝たなければならない戦いとなります。

 

対ウズベキスタン代表戦は近年は6−3や8−1など圧勝していますし怖い存在であるアジア最高のストライカーと言われるシャツキフもウズベキスタン代表のシステムが1トップである以上トゥーリオと中澤佑二で挟んで仕事をさせなければいい。

 

できれば快勝してアウェーのカタール代表戦にのぞみたいものです。

 

 

 

 

 

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