アジア大会決勝 日本対イラン戦の考察

アジア大会決勝 日本対イラン戦の考察

遂にアジア大会も決勝戦。決勝の相手は準決勝で韓国を破った前回大会王者の強豪イランです。

 

前半は日本ペースで進みましたが0−0で後半に折り返し。そして後半。ここで的確な守備を見せていたボランチの鈴木啓太に代わりCBの青木剛を投入。

 

 

それまでCBだった阿部勇樹がボランチにあがることになるのですがここがまず第一の敗因点といっていいでしょう。今まで0点に抑えてきて上々の出来だった最終ラインを無闇にいじったことでDFの連携が悪くなった。

 

結果代わって入った青木剛と三田光がクリアすべきボールをお見合い。すかさず相手に持ち去られいとも簡単にキーパーとの一対一の場面を作られて失点。

 

 

その後田中達也、石川直宏を投入し決定的な場面を何度も作るがゴールならず。更に左サイドの根本裕一、ボランチの森崎和幸の出来が決定的に悪かったためそこで流れが止まるシーンも多く見えました。

 

そして後半43分。攻めなければいけない場面で青木が自陣からのFKを真横にいる相手にパスをしてしまうという信じられないミス。これでまたもやキーパーと一対一の場面を作られいとも簡単に二点目を謙譲。

 

さすがに残り二分、二点差という場面ではダメかなと思いました。

 

 

諦めなかった日本

 

しかしここであきらめていなかったのが日本!キックオフ直後にサイド石川からのセンタリングを中山悟志がゴール!この試合これまで最悪の出来だった中山が最後に光りました!

 

その後は惜しくも点を取れずに敗れてしまいましたが相手に先制を許すというアジア大会初のシュチュエーションで後半終了間際に2−0。この厳しい状況でもあきらめず一点をもぎとったというのは非常に成長の跡が見られました。

 

この時のU−21日本代表チームはジュビロに7−0の大敗を喫したあの時のチームとは別物に生まれ変わってました!

 

根本、森崎の不出来、青木の二点に絡むミス、得点シーン以外ではいつも最悪な出来の中山、不調の森崎ではなくいい守備をみせていた鈴木を代えるという采配など目につく改善点は多々みられました。

 

しかしどうやら谷間の世代と言われてきたこの世代にも未来が見えてきました。近いうちに谷間世代という呼び名を完全に払拭することでしょう!

 

 

本大会に向けた熾烈なメンバー争い

 

この世代最終目標のアテネ五輪の登録選手数は18人。

 

この大会に参加した20人にケガで参加できなかったエース山瀬功治、U−19からJでレギュラーを取っている角田誠や今野泰幸、超大物高校生阿部祐大朗、アーセナルから誘いを受けた高校生菊地直哉などの下からの突き上げが加わります。

 

熾烈なサバイバルレースが展開されることでしょう。

 

U−21、U−23世代が融合した最強のアテネ世代にこれからも期待していきましょう。そしてこれで満足はしてはいけませんがとりあえず敬意とお礼をこめて言いましょう。日本アジア大会銀メダルおめでとう!

 

 

 

 

 

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