カタールW杯アジア最終予選 アウェーオーストラリア戦雑感
勝てばW杯出場が決まり、引き分けでもかなり出場が濃厚になる状況で迎えたアウェーのオーストラリア戦。
スタメンは権田、長友、吉田、板倉、山根、遠藤、守田、田中、伊東、南野、浅野。
負傷欠場の冨安の代わりに板倉、酒井の代わりに山根、大迫の代わりに浅野という順当なスタメンです。
そしてオーストラリアもムーイ、アーバイン、ロギッチというセンター三枚を欠いたという状況でした。
開始30秒で早くも南野が枠内シュートを放つなど、試合は完全に日本ペース。
南野のシュートが二度クロスバーを叩くなど、得点が取れそうで取れない展開が続きます。
しかし日本が上手くボールを回して攻めることができる反面、カウンターからピンチを招く機会も度々ありました。
セットプレーからはあわやゴールというシーンをキーパーチャージという判定で救われた部分もあり、展開次第ではどちらに先制点が転がり込んでもおかしくないという状況。
引き分けでもOKという日本にとってはむしろ嫌な展開でした。
さすがにこのままの試合展開ではどうなるかわからないということで、後半からは戦い方を修正。
スペースがある場面でも無理に速攻を仕掛けるような頻度を減らし、ボールをキープしながらじわじわと攻めるような戦い方に修正しました。
こうなると日本のチャンスも減りますが、オーストラリアのチャンスも減り、相手の攻撃機会はほぼ封殺。
前線の運動量が落ちてきたタイミングで上田、三笘、原口らを投入し、引き分けも見据えて試合を締めにかかります。
そんな中、試合を決定付けたのは84分に投入された三笘薫。
89分には山根→守田→山根→三笘と川崎フロンターレ時代のホットラインで先制点を取り、この時点で出場権はほぼ確定。
さらにダメ押しで94分に個人技で相手ディフェンスを切り裂き、追加点。
世界に三笘薫という名前を知らしめる活躍で日本のカタールW杯出場を決定付けました。
試合展開としては危うい場面もあったものの、通して見れば日本が圧倒したという評価ができるでしょう。
お互い主力が複数人欠けるという状況ではありましたが、その中で日本の方が控えも含めて戦力が充実しており、その差が出た試合だったのでしょう。
オーストラリアにアウェーで勝利したのは初めてですが、かつてドイツW杯や南アフリカW杯予選で敗れた時から両国の力の差は年々広がっていると思います。
日本は最初の3戦で1勝2敗という窮地に立たされたところからの6連勝。
まだまだ課題はあるものの、追い詰められたところからの戦いぶりは見事なものでした。
次回大会は出場枠が増えて、アジアは8枠になるので、もう当分ヒリヒリとした最終予選は観られないかもしれません。
少し寂しい気持ちもありますが、そもそもアジア予選で苦戦しているようでは本大会では勝てないとも思っているので、これからは本大会で世界に勝てるチームになっていって欲しいと思います。
また日本がオーストラリアに勝利したことにより、サウジアラビアも自動で出場が決定。オーストラリアの3位も決まりました。
その後消化試合となった中国対サウジアラビアは引き分けだったので、日本が首位に浮上。
日本は最終節がホームでのベトナム戦ですので、結局日本は首位通過となりそうです。
最終節は消化試合ではありますが、FIFAランクの絡みもありますし、気持ち的にもホームですっきり勝って首位通過で本大会に進みたいところです。
一方で本大会へのチーム作りを進めるための最初の試合でもあります。
特にオーストラリア戦ではスタメンでなかった久保建英、上田絢世、中山雄太、旗手怜央、林大地といった東京五輪世代は本大会で絶対に必要な戦力となってくると思うので、このあたりのメンバーをスタメンで見たいですね。
アジア予選の趨勢という点ではB組は日本とサウジアラビアの出場が決定し、オーストラリアのプレーオフも確定。
A組も韓国とイランの出場が決定しており、残すはA組の3位争いのみ。
UAEが勝ち点9、イラクが勝ち点8、レバノンが勝ち点6でこの3チームがチャンスを残しています。
最終節は、
イラン対レバノン、UAE対韓国、シリア対イラク。
アウェーでイランに勝たなければいけないレバノンは事実上厳しく、UAEとイラクの争いになりそうです。
果たしてオーストラリアとプレーオフで戦うのはどのチームになるのでしょうか。
最後に他地域の予選も佳境になっておりますので、簡単に状況をまとめていきます。
欧州のプレーオフ1回戦は以下の通り。
スコットランド 延期 ウクライナ
ウェールズ 2-1 オーストリア
スウェーデン 1-0 チェコ
イタリア 0-1 北マケドニア
ポルトガル 3-1 トルコ
イタリアが圧倒的に攻めながら終盤に北マケドニアの一発にやられて敗退という波乱が起きています。
決勝は以下の通り。勝った方が本大会出場となります。
スコットランドorウクライナ対ウェールズ
ポーランド対スウェーデン
ポルトガル対北マケドニア
南米予選はすでに出場を決めていたブラジル、アルゼンチンに加えてエクアドル、ウルグアイの予選突破も決まりました。
残るはアジア5位とのプレーオフとなる南米5位争い。
勝ち点はペルーが21、コロンビアが20、チリが19でこの3カ国の争いとなります。
最終節のカードは以下の通り。
ペルー対パラグアイ
ベネズエラ対コロンビア
チリ対ウルグアイ
ホームで勝てば決まりのペルーが有利という状況にあります。
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